LESS-CSSのcalc()オーバーライド防止

2024-10-29

LESS-CSSは強力なCSSプリプロセッサですが、calc()関数を使用する際に注意が必要です。LESSはデフォルトでcalc()内の式を評価しようとするため、意図しない結果が生じることがあります。これを防ぐには、calc()内の式をLESSの解釈から守る必要があります。

方法

  1. エスケープ文字~の使用

    .element {
        width: calc(~"100% - 20px");
    }
    

    エスケープ文字~を使用することで、LESSはcalc()内の式をそのままCSSとして出力します。

  2. LESSのstrictMathsオプション
    LESS 1.4.0以降、strictMathsオプションを使用できます。このオプションを有効にすると、LESSは括弧内の式のみを評価します。

    // LESSファイルの先頭に
    @strictMaths: true;
    
    .element {
        width: calc(100% - 20px);
    }
    

    この設定により、calc()内の式がLESSの評価を回避し、CSSとしてそのまま出力されます。

注意

  • エスケープ文字~を使用する場合、複雑な式では読みづらくなる可能性があります。
  • strictMathsオプションは、LESSの数学機能の挙動に影響を与えるため、慎重に使用してください。



// LESS
// エスケープ文字 `~` を使用
.element {
  width: calc(~"100% - 20px");
}

// コンパイル後のCSS
.element {
  width: calc(100% - 20px);
}

// LESS
// `strictMaths` オプションを使用
@strictMaths: true;

.element {
  width: calc(100% - 20px);
}

// コンパイル後のCSS
.element {
  width: calc(100% - 20px);
}

解説

例1: エスケープ文字 ~ の使用

  • これにより、LESS の数学演算が適用されず、意図した計算結果が得られます。
  • calc(~"100% - 20px") のように、calc() 内の式を ~ で囲むことで、LESS はその式をそのまま CSS として出力します。

例2: strictMaths オプションの使用

  • calc(100% - 20px) のように、括弧内の式が LESS の評価を回避し、CSS としてそのまま出力されます。
  • @strictMaths: true; を LESS ファイルの先頭に宣言することで、LESS は括弧内の式のみを評価するようになります。



CSS変数の利用

  • calc()関数内でこれらの変数を参照することで、LESSの干渉を回避できます。
  • CSS変数を使用して、計算に必要な値を定義します。
:root {
  --width: 100%;
  --margin: 20px;
}

.element {
  width: calc(var(--width) - var(--margin));
}

CSS ネストの活用

  • calc()を含むセレクタをネストすることで、LESSの評価スコープを制限できます。
.element {
  width: calc(100% - 20px);
}

プレプロセッサの切り替え

  • LESS以外のCSSプリプロセッサ(SassやPostCSS)を使用することで、異なるアプローチや設定が可能になります。
  • プレプロセッサの切り替えは、プロジェクトの規模やチームのスキルセットに応じて検討してください。
  • CSS ネストの活用は、シンプルなケースや特定の構造に限定されることがあります。
  • CSS変数の利用は、複雑な計算や動的な値の扱いに適しています。

最適な方法の選択

  • 異なるアプローチや機能が必要
    プレプロセッサの切り替えを検討してください。
  • 特定の構造やスコープの制御
    CSSネストが有用です。
  • 複雑な計算や動的な値
    CSS変数の利用が効果的です。
  • シンプルで静的な計算
    エスケープ文字~strictMathsオプションが適しています。

css less css-calc



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