Express.jsでミドルウェア間で変数を渡す

2024-10-07

Express.jsにおけるnext()関数を使ったミドルウェア間の変数渡し

Express.jsでは、ミドルウェア(middleware)と呼ばれる関数を連結して、HTTPリクエストの処理を行います。各ミドルウェアは、リクエストオブジェクト(req)、レスポンスオブジェクト(res)、および次のミドルウェアを呼び出すためのnext関数を受け取ります。

next()関数は、次のミドルウェアを呼び出すためのものです。これにより、ミドルウェアのチェーンが順次実行されます。

変数の渡し方法

  1. リクエストオブジェクト(req)への追加

    • ミドルウェア内で、必要な変数をリクエストオブジェクトのプロパティとして追加します。
    • 後続のミドルウェアで、このプロパティにアクセスして変数の値を取得できます。
    app.use((req, res, next) => {
        req.userId = 123;
        next();
    });
    
    app.use((req, res) => {
        console.log(req.userId); // 出力: 123
    });
    
  2. ローカル変数の利用

    • ミドルウェア内でローカル変数を定義し、その値を次のミドルウェアに渡すために、次のミドルウェアの呼び出し時に渡します。
    app.use((req, res, next) => {
        const username = 'John Doe';
        next(username);
    });
    
    app.use((req, res, next, username) => {
        console.log(username); // 出力: John Doe
    });
    

注意事項

  • エラー処理
    next関数をエラーオブジェクトを渡して呼び出すことで、エラー処理ミドルウェアをトリガーすることができます。
  • 変数のスコープ
    ミドルウェア内で定義された変数は、そのミドルウェア内でのみ有効です。他のミドルウェアから直接アクセスすることはできません。

具体的な例

app.use((req, res, next) => {
    req.user = {
        id: 123,
        name: 'Alice'
    };
    next();
});

app.use((req, res) => {
    console.log(req.user.name); // 出力: Alice
});

この例では、最初のミドルウェアがリクエストオブジェクトにユーザー情報を追加し、次のミドルウェアでその情報にアクセスしています。




リクエストオブジェクトへの追加

app.use((req, res, next) => {
    req.userId = 123;
    next();
});

app.use((req, res) => {
    console.log(req.userId); // 出力: 123
});

解説

  • 2つ目のミドルウェア
    • req.userId にアクセスして、先ほど設定された値を出力しています。
    • リクエストオブジェクトは、ミドルウェア間で共有されるため、2つ目のミドルウェアでも userId の値にアクセスできます。
  • 1つ目のミドルウェア

この方法のメリット

  • リクエストに関する情報を一元管理できる。
  • 非常にシンプルで、直感的に理解しやすい。

ローカル変数の利用

app.use((req, res, next) => {
    const username = 'John Doe';
    next(username);
});

app.use((req, res, next, username) => {
    console.log(username); // 出力: John Doe
});
  • 2つ目のミドルウェア
  • 1つ目のミドルウェア
    • username というローカル変数を定義し、'John Doe' という値を代入しています。
    • next(username) とすることで、username の値を次のミドルウェアに渡しています。
  • リクエストオブジェクトを汚染しない。
  • 特定のミドルウェア間でしか共有しない変数の場合に有効。

どちらの方法を選ぶべきか?

  • 特定のミドルウェア間でしか共有しない変数の場合
    ローカル変数の利用が適しています。
  • リクエストレベルの情報を共有したい場合
    リクエストオブジェクトへの追加が一般的です。

重要なポイント

  • 変数のスコープ
    ミドルウェア内で定義された変数は、そのミドルウェア内でのみ有効です。

Express.js のミドルウェア間で変数を渡すには、リクエストオブジェクトへの追加とローカル変数の利用という2つの主な方法があります。どちらの方法を選ぶかは、状況に応じて判断しましょう。

  • ミドルウェアの順番は重要です。前のミドルウェアで設定された値は、後のミドルウェアで利用できます。
  • next() 関数は、次のミドルウェアに制御を渡すために必ず呼び出す必要があります。



ローカル変数を引数として渡す

app.use((req, res, next) => {
    const username = 'John Doe';
    next(null, username); // エラーオブジェクトをnullにして、usernameを渡す
});

app.use((err, username, req, res) => {
    if (err) {
        // エラー処理
    } else {
        console.log(username); // 出力: John Doe
    }
});
  • 注意点
    • ミドルウェアのシグネチャを変更する必要がある。
    • エラーオブジェクトの扱い方を理解する必要がある。
  • 特徴
    • 柔軟性が高い。
    • エラー処理を組み込める。

共通のオブジェクトを利用する

const sharedData = {};

app.use((req, res, next) => {
    sharedData.userId = 123;
    next();
});

app.use((req, res) => {
    console.log(sharedData.userId); // 出力: 123
});
  • 注意点
    • 共通のオブジェクトを適切に管理しないと、状態が複雑になりやすい。
    • マルチスレッド環境では注意が必要。
  • 特徴
    • 複数のミドルウェアで同じデータにアクセスできる。
    • グローバルな状態を管理できる。

リクエストローカル変数を利用する

app.use((req, res, next) => {
    res.locals.user = {
        id: 123,
        name: 'Alice'
    };
    next();
});

app.use((req, res) => {
    console.log(res.locals.user.name); // 出力: Alice
});
  • 注意点
  • 特徴
    • テンプレートエンジンで簡単にアクセスできる。
    • リクエスト固有のデータを保持できる。

カスタムミドルウェアを作成する

function withData(data) {
    return (req, res, next) => {
        req.data = data;
        next();
    };
}

app.use(withData({ message: 'Hello' }));
app.use((req, res) => {
    console.log(req.data.message); // 出力: Hello
});
  • 注意点
  • 特徴
    • 再利用性が高い。
    • 複雑なロジックをカプセル化できる。
  • 再利用性と複雑なロジックをカプセル化したい場合
    カスタムミドルウェアを作成する
  • テンプレートエンジンでデータを利用したい場合
    リクエストローカル変数を利用する
  • 複数のミドルウェアで同じデータにアクセスしたい場合
    共通のオブジェクトを利用する
  • 柔軟性とエラー処理が必要な場合
    ローカル変数を引数として渡す
  • シンプルにデータを共有したい場合
    リクエストオブジェクトへの追加

Express.js でミドルウェア間で変数を渡す方法は、状況に応じて様々な選択肢があります。それぞれのメリット・デメリットを理解し、適切な方法を選択することで、より効率的で保守性の高いアプリケーションを開発することができます。

  • 各方法の選択は、アプリケーションの規模、複雑さ、およびチームの開発スタイルによって異なります。
  • 上記以外にも、AsyncLocalStorage や Context API など、より高度な方法で変数を共有する方法もあります。

javascript node.js express



テキストエリア自動サイズ調整 (Prototype.js)

Prototype. js を使用してテキストエリアのサイズを自動調整する方法について説明します。Prototype. js を読み込みます。window. onload イベントを使用して、ページの読み込み後にスクリプトを実行します。$('myTextarea') でテキストエリアの要素を取得します。...


JavaScript数値検証 IsNumeric() 解説

JavaScriptでは、入力された値が数値であるかどうかを検証する際に、isNaN()関数やNumber. isInteger()関数などを利用することが一般的です。しかし、これらの関数では小数点を含む数値を適切に検出できない場合があります。そこで、小数点を含む数値も正しく検証するために、IsNumeric()関数を実装することが有効です。...


jQueryによるHTMLエスケープ解説

JavaScriptやjQueryでHTMLページに動的にコンテンツを追加する際、HTMLの特殊文字(<, >, &, など)をそのまま使用すると、意図しないHTML要素が生成される可能性があります。これを防ぐために、HTML文字列をエスケープする必要があります。...


JavaScriptフレームワーク:React vs Vue.js

JavaScriptは、Webページに動的な機能を追加するために使用されるプログラミング言語です。一方、jQueryはJavaScriptライブラリであり、JavaScriptでよく行う操作を簡略化するためのツールを提供します。jQueryを学ぶ場所...


JavaScriptオブジェクトプロパティの未定義検出方法

JavaScriptでは、オブジェクトのプロパティが定義されていない場合、そのプロパティへのアクセスはundefinedを返します。この現象を検出して適切な処理を行うことが重要です。最も単純な方法は、プロパティの値を直接undefinedと比較することです。...



SQL SQL SQL SQL Amazon で見る



JavaScript、HTML、CSSでWebフォントを検出する方法

CSS font-family プロパティを使用するCSS font-family プロパティは、要素に適用されるフォントファミリーを指定するために使用されます。このプロパティを使用して、Webページで使用されているフォントのリストを取得できます。


ポップアップブロック検知とJavaScript

ポップアップブロックを検知する目的ポップアップブロックはユーザーのプライバシーやセキュリティを保護するためにブラウザに組み込まれている機能です。そのため、ポップアップブロックが有効になっている場合、ポップアップを表示することができません。この状況を検知し、適切な対策を講じるために、JavaScriptを使用することができます。


HTML要素の背景色をJavaScriptでCSSプロパティを使用して設定する方法

JavaScriptを使用すると、CSSプロパティを動的に変更して、HTML要素の背景色を制御できます。この方法により、ユーザーの入力やページの状況に応じて、背景色をカスタマイズすることができます。HTML要素の参照を取得HTML要素の参照を取得


JavaScript オブジェクトの長さについて

JavaScriptにおけるオブジェクトは、プロパティとメソッドを持つデータ構造です。プロパティはデータの値を保持し、メソッドはオブジェクトに対して実行できる関数です。JavaScriptの標準的なオブジェクトには、一般的に「長さ」という概念はありません。これは、配列のようなインデックスベースのデータ構造ではないためです。


JavaScriptグラフ可視化ライブラリ解説

JavaScriptは、ウェブブラウザ上で動作するプログラミング言語です。その中で、グラフの可視化を行うためのライブラリが数多く存在します。これらのライブラリは、データ構造やアルゴリズムを視覚的に表現することで、理解を深める助けとなります。