JavaScriptでスマートにオブジェクトを結合:Lodash、Ramda、Underscore徹底比較

2024-06-23

Lodashにおける.extend(), .assign(), .merge()の違い

共通点

  • .extend(), .assign(), .merge()のいずれも、ソースオブジェクトのプロパティをターゲットオブジェクトにコピーします。
  • プロパティ名の競合が発生した場合、最後のソースオブジェクトのプロパティ値が優先されます

詳細な違い

メソッド説明詳細
_.extend()廃止予定_.assign()とほぼ同じ動作ですが、v4.0以降は_.assignInのエイリアスに変更されました。
_.assign()浅い結合ソースオブジェクトのプロパティをターゲットオブジェクトに1階層のみコピーします。ネストされたオブジェクトは結合されません。
_.merge()深い結合ソースオブジェクトのプロパティをターゲットオブジェクトに再帰的にコピーします。ネストされたオブジェクトも結合されます。また、nullundefinedの値を無視し、デフォルト値を設定することができます。

使い分け

  • シンプルなオブジェクトの結合には、_.assign()または_.extend()を使用します。
  • ネストされたオブジェクトを含む複雑なオブジェクトの結合には、_.merge()を使用します。
  • nullやundefinedの値の扱いに注意が必要な場合は、_.merge()を使用します。

コード例

const target = { a: 1, b: 2 };
const source1 = { b: 3, c: 4 };
const source2 = { d: 5 };

console.log(_.assign(target, source1, source2)); // { a: 1, b: 3, c: 4, d: 5 }
console.log(_.merge(target, source1, source2)); // { a: 1, b: 3, c: 4, d: 5 }

const target2 = { a: { x: 1 }, b: 2 };
const source3 = { a: { y: 2 }, c: 4 };

console.log(_.assign(target2, source3)); // { a: { x: 1 }, b: 2, c: 4 }
console.log(_.merge(target2, source3)); // { a: { x: 1, y: 2 }, b: 2, c: 4 }

まとめ

  • .extend(), .assign(), .merge()はそれぞれ異なる機能を持ち、状況に応じて使い分けることが重要です。
  • オブジェクトの結合方法を理解することで、コードをより読みやすく、メンテナンスしやすくなります。



    基本的な動作

    const target = { a: 1, b: 2 };
    const source = { b: 3, c: 4 };
    
    console.log(_.extend(target, source)); // { a: 1, b: 3, c: 4 }
    console.log(_.assign(target, source)); // { a: 1, b: 3, c: 4 }
    console.log(_.merge(target, source)); // { a: 1, b: 3, c: 4 }
    

    この例では、すべてのメソッドがターゲットオブジェクトにソースオブジェクトのプロパティをコピーします。_.extend()_.assign()は浅いコピーを行い、ネストされたオブジェクトは結合されません。一方、_.merge()は深いコピーを行い、ネストされたオブジェクトも結合されます。

    プロパティ名の競合

    const target = { a: 1, b: { x: 1 } };
    const source = { b: { y: 2 }, c: 3 };
    
    console.log(_.extend(target, source)); // { a: 1, b: { y: 2 }, c: 3 }
    console.log(_.assign(target, source)); // { a: 1, b: { y: 2 }, c: 3 }
    console.log(_.merge(target, source)); // { a: 1, b: { x: 1, y: 2 }, c: 3 }
    

    この例では、すべてのメソッドがプロパティ名の競合を解決し、最後のソースオブジェクトのプロパティ値を優先します。_.extend()_.assign()は、競合するプロパティを単に置き換えます。一方、_.merge()は、競合するプロパティをマージし、両方のオブジェクトのプロパティを保持します。

    nullとundefinedの値

    const target = { a: 1, b: null };
    const source = { b: 2, c: undefined };
    
    console.log(_.assign(target, source)); // { a: 1, b: 2, c: undefined }
    console.log(_.merge(target, source)); // { a: 1, b: 2, c: undefined }
    

    この例では、_.assign()nullundefinedの値をそのままコピーします。一方、_.merge()nullundefinedの値を無視し、ターゲットオブジェクトの元の値を保持します。

    まとめ

    これらのサンプルコードは、_.extend(), _.assign(), _.merge()のそれぞれの動作を理解するのに役立ちます。オブジェクトを結合する際には、それぞれのメソッドの機能と、状況に応じて使い分けることが重要です。




    Lodash以外でのオブジェクト結合方法

    ネイティブのJavaScript機能

    • Object.assign():浅い結合
    • Object.defineProperty()Object.getOwnPropertyDescriptors():深い結合

    その他のライブラリ

    • Ramda.js
    • Underscore.js

    手動での結合

    ループを使用して、ソースオブジェクトのプロパティをターゲットオブジェクトに手動でコピーすることもできます。

    最適な方法の選択

    使用する方法は、結合するオブジェクトの複雑さ、必要な機能、パフォーマンス要件によって異なります。

    ネイティブのJavaScript機能は、シンプルなオブジェクトの結合には十分ですが、ネストされたオブジェクトやnullundefinedの値の扱いが必要な場合は、Lodashなどのライブラリを使用する方が便利です。

    Ramda.jsUnderscore.jsなどのライブラリは、Lodashと同様の機能を提供していますが、異なる構文を使用しています。

    手動での結合は、柔軟性がありますが、コードが冗長になり、エラーが発生しやすくなる可能性があります。

    以下に、それぞれの方法の簡単な例を示します。

    const target = { a: 1, b: 2 };
    const source = { b: 3, c: 4 };
    
    // 浅い結合
    Object.assign(target, source);
    console.log(target); // { a: 1, b: 3, c: 4 }
    
    // 深い結合
    const merge = (target, source) => {
      for (const key of Object.keys(source)) {
        if (typeof source[key] === 'object' && source[key] !== null) {
          if (!target[key]) {
            target[key] = {};
          }
          merge(target[key], source[key]);
        } else {
          target[key] = source[key];
        }
      }
    };
    
    merge(target, source);
    console.log(target); // { a: 1, b: 3, c: 4 }
    
    const R = require('ramda');
    
    const target = { a: 1, b: 2 };
    const source = { b: 3, c: 4 };
    
    // 浅い結合
    const merged = R.merge(target, source);
    console.log(merged); // { a: 1, b: 3, c: 4 }
    
    // 深い結合
    const deepMerge = (target, source) => {
      return R.mergeDeepRight(target, R.isNil(source) ? {} : source);
    };
    
    const deepMerged = deepMerge(target, source);
    console.log(deepMerged); // { a: 1, b: 3, c: 4 }
    
    const target = { a: 1, b: 2 };
    const source = { b: 3, c: 4 };
    
    for (const key in source) {
      if (source.hasOwnProperty(key)) {
        if (typeof source[key] === 'object' && source[key] !== null) {
          if (!target[key]) {
            target[key] = {};
          }
          merge(target[key], source[key]);
        } else {
          target[key] = source[key];
        }
      }
    }
    
    console.log(target); // { a: 1, b: 3, c: 4 }
    

    オブジェクトを結合する方法はいくつかあります。それぞれの方法には長所と短所があるので、状況に応じて最適な方法を選択することが重要です。


    javascript lodash


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