JSON で複雑オブジェクト配列 POST
JSON, jQuery を使って ASP.NET MVC コントローラーに複雑なオブジェクトの配列を POST する方法 (C#、JavaScript、jQuery)
クライアント側からサーバー側へ複雑なオブジェクトの配列を送信する際、よく利用されるのが JSON と jQuery による Ajax 通信です。ここでは、C# で作った ASP.NET MVC コントローラーに、JavaScript と jQuery を使って、複雑なオブジェクトの配列を JSON 形式で送信する方法を説明します。
手順
- C# でのオブジェクト定義 (Model)
まず、サーバー側で受け取るオブジェクトの構造を C# で定義します。例えば、以下のようなクラスを作成します。
public class MyObject
{
public int Id { get; set; }
public string Name { get; set; }
// ... 他のプロパティ
}
- JavaScript でのオブジェクト生成と配列作成
次に、クライアント側 (JavaScript) で送信するオブジェクトを作成します。それぞれのオブジェクトは上記で定義した MyObject
クラスに準拠します。
var object1 = {
id: 1,
name: "オブジェクト 1"
};
var object2 = {
id: 2,
name: "オブジェクト 2"
};
// オブジェクトの配列を作成
var objectArray = [object1, object2];
- JSON 文字列への変換
作成したオブジェクトの配列を、JSON 文字列に変換します。これには JSON.stringify
メソッドを使います。
var jsonData = JSON.stringify(objectArray);
- jQuery による Ajax 送信
$.ajax
メソッドを使って、サーバー側の ASP.NET MVC コントローラーへ Ajax 通信を行います。
$.ajax({
url: "/controller/action", // 送信先の URL
type: "POST", // 送信方式 (POST)
contentType: "application/json", // コンテンツタイプ (JSON)
data: jsonData, // 送信データ (JSON 文字列)
success: function(response) {
// 送信成功時の処理
console.log(response);
},
error: function(error) {
// 送信失敗時の処理
console.error(error);
}
});
- ASP.NET MVC コントローラーでの受け取り
サーバー側では、受け取った JSON 文字列を C# のオブジェクトの配列に変換します。ASP.NET MVC では、通常 [FromBody]
属性を利用して、自動的に変換してくれます。
public class MyController : Controller
{
public ActionResult MyAction([FromBody] List<MyObject> objects)
{
// オブジェクトの配列 (objects) を利用した処理
// ...
return Json(new { message = "成功" }); // レスポンスを返す
}
}
注意点
- エラーハンドリング (success, error コールバック) を忘れずに実装しましょう。
- 送信するオブジェクトの構造は、サーバー側で受け取る C# クラスと一致させる必要があります。
JSON、jQuery を使って ASP.NET MVC コントローラーに複雑なオブジェクト配列を POST する: コード例解説
C# (ASP.NET MVC) 側
public class MyObject
{
public int Id { get; set; }
public string Name { get; set; }
}
public class MyController : Controller
{
[HttpPost]
public ActionResult PostObjects([FromBody] List<MyObject> objects)
{
// 送信されたオブジェクトの配列 (objects) を処理
foreach (var obj in objects)
{
// 各オブジェクトの処理 (例: データベースへの保存)
Console.WriteLine($"Id: {obj.Id}, Name: {obj.Name}");
}
return Json(new { message = "オブジェクトを受信しました" });
}
}
- PostObjects アクション
[HttpPost]
属性で POST メソッドに対応させます。[FromBody]
属性で、リクエストボディから JSON データをList<MyObject>
型に自動でバインドします。- 送信されたオブジェクトの配列を
foreach
ループで処理します。 - 処理結果を JSON 形式で返します。
- MyObject クラス
送信されるオブジェクトの構造を定義します。
JavaScript (jQuery) 側
var objects = [
{ id: 1, name: "オブジェクト1" },
{ id: 2, name: "オブジェクト2" }
];
$.ajax({
url: "/MyController/PostObjects",
type: "POST",
contentType: "application/json",
data: JSON.stringify(objects),
success: function(response) {
console.log(response); // サーバーからの応答
},
error: function(error) {
console.error(error);
}
});
- $.ajax
url
: 送信先の URL を指定します。type
: HTTP メソッドを POST に設定します。contentType
: コンテンツタイプを application/json に設定します。data
: JSON 文字列に変換したオブジェクトの配列をデータとして送信します。success
: サーバーからの応答が成功した場合に実行される関数です。error
: エラーが発生した場合に実行される関数です。
- オブジェクトの配列
送信するオブジェクトのデータを配列形式で作成します。
コード解説
-
C# 側
MyObject
クラスは、JavaScript 側で作成するオブジェクトに対応する構造を定義しています。PostObjects
アクションは、リクエストボディから JSON データを受け取り、List<MyObject>
型に自動で変換します。- 変換されたオブジェクトの配列を
foreach
ループで処理し、それぞれのオブジェクトのId
とName
プロパティを表示しています。
-
JavaScript 側
- JavaScript の配列に、送信したいオブジェクトのデータを格納します。
$.ajax
メソッドを使って、サーバー側のPostObjects
アクションに POST リクエストを送信します。JSON.stringify
メソッドで、JavaScript のオブジェクトを JSON 文字列に変換します。- サーバーからの応答は、
success
コールバック関数で処理します。
ポイント
- contentType
リクエストのコンテンツタイプを指定し、サーバー側で適切な処理が行われるようにします。 - [FromBody] 属性
ASP.NET MVC で、リクエストボディから JSON データをモデルにバインドする際に使用します。
- セキュリティ
送信するデータに機密情報が含まれる場合は、適切なセキュリティ対策を施す必要があります。 - エラー処理
error
コールバック関数で、エラーが発生した場合の処理を実装する必要があります。 - 複雑なオブジェクト
MyObject
クラスにさらにプロパティを追加することで、より複雑なオブジェクトに対応できます。
- JSON.parse
サーバーから受け取った JSON 文字列を JavaScript のオブジェクトに変換する際に使用します。 - 非同期処理
Ajax を利用することで、ユーザーインターフェースをブロックせずに非同期に処理を実行できます。 - モデルバインディング
ASP.NET MVC のモデルバインディング機能は、JSON だけでなく、フォームデータなど、さまざまなデータ形式に対応しています。
より詳細な情報については、以下のキーワードで検索してみてください。
- C# オブジェクトシリアライゼーション
- JSON
- jQuery Ajax
- ASP.NET MVC モデルバインディング
Model Binding のカスタマイズ
- [FromBody] 属性のカスタマイズ
InputFormatter
を作成することで、[FromBody] 属性の動作をカスタマイズできます。- 特定の JSON ライブラリやシリアライザとの連携を強化したい場合に便利です。
- カスタムモデルバインダー
- 複雑なロジックを組み込む場合に有効です。
他の JavaScript ライブラリの利用
- Fetch API
- ブラウザの組み込み API で、Ajax 通信をよりシンプルに行うことができます。
- Service Worker との連携や、より低レベルな制御が可能ですが、ポリフィルが必要な場合があります。
- Axios
- Promise ベースの HTTP クライアントライブラリで、jQuery の $.ajax() と同様の機能を提供します。
- モダンな JavaScript のスタイルで記述でき、より柔軟な設定が可能です。
ASP.NET Core の機能
- Raw Body
HttpContext.Request.Body
プロパティから生のリクエストボディを取得し、独自に解析できます。- カスタムなデータ形式を使用する場合や、高度な制御が必要な場合に便利です。
- [FromForm] 属性
- フォームデータとして送信されたデータをモデルにバインドできます。
- JSON ではなく、フォーム形式でデータを送信したい場合に利用します。
SignalR
- リアルタイム通信
- サーバーとクライアント間の双方向通信を実現できます。
- リアルタイムなデータ更新や、チャットアプリケーションなど、リアルタイム性が求められるシナリオに適しています。
gRPC
- 高性能な RPC
- gRPC は、HTTP/2 をベースにした高性能な RPC フレームワークです。
- Protocol Buffers を使用することで、効率的なデータのシリアライズ/デシリアライズが可能になり、大規模なデータ転送に適しています。
選択する際のポイント
- 開発の効率性
jQuery や Axios などの既存のライブラリを利用することで、開発効率を向上できる。 - リアルタイム性
リアルタイムな更新が必要な場合は、SignalR を検討する。 - パフォーマンス
高性能な通信が必要な場合は、gRPC を検討する。 - データの複雑さ
非常に複雑なデータ構造の場合は、カスタムモデルバインダーや Raw Body を検討する。
JSON と jQuery の組み合わせは、一般的な方法ですが、アプリケーションの要件や規模によって、より適切な方法を選択することが重要です。各方法のメリットとデメリットを比較し、プロジェクトに最適な方法を選びましょう。
選択の際の考慮事項
- セキュリティ
データのセキュリティは確保されているか? - 開発環境
既存のライブラリとの連携は? - リアルタイム性
リアルタイムな通信が必要か? - パフォーマンス
高速なデータ転送が必要か? - データの形式
JSON 以外の形式が必要か?
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