変数の状態チェック: JavaScript/jQuery
JavaScript, jQuery での変数の「未定義」または「null」のチェック
JavaScript や jQuery では、変数が「未定義」または「null」であるかどうかをチェックすることが重要です。これらは異なる概念ですが、多くの場合、一緒に扱われます。
- null: 変数に意図的に値として
null
が割り当てられている状態です。 - 未定義 (undefined): 変数が宣言されているが、まだ値が割り当てられていない状態です。
チェック方法
typeof 演算子
undefined
をチェックするのに便利です。typeof
演算子を使って、変数のデータ型を確認します。
let x; // 未定義の変数
if (typeof x === 'undefined') {
console.log('x は未定義です');
}
null チェック
===
演算子を使って、厳密にnull
と比較します。
let y = null;
if (y === null) {
console.log('y は null です');
}
== 演算子
==
演算子を使うと、null
とundefined
を同じとみなします。
let z; // 未定義の変数
if (z == null) {
console.log('z は null または undefined です');
}
オプショナルチェイニング (Optional Chaining)
- ES2020 から導入されたオプショナルチェイニングを使うと、プロパティアクセス時に変数が
null
またはundefined
の場合にエラーを防げます。
let person = { name: '太郎' };
let address = person?.address?.street; // address または street が null または undefined の場合、undefined を返す
jQuery のチェック (一般的には必要ない)
- 特定のケースで jQuery のメソッドが必要な場合は、その状況に合わせて判断してください。
- jQuery は主に DOM 操作用なので、変数のチェックは通常 JavaScript の方法で行います。
重要なポイント
- オプショナルチェイニングは、プロパティアクセス時のエラー防止に便利です。
==
演算子は型変換を行うため、注意が必要です。===
演算子は厳密な比較を行うため、型も一致する必要があります。typeof
演算子はnull
の場合、"object" を返します。
適切な方法の選択
- オブジェクトのプロパティにアクセスする場合は、オプショナルチェイニングを考慮します。
null
またはundefined
のどちらかをチェックする場合は、==
演算子を使用できますが、厳密なチェックが必要な場合は避けます。null
を厳密にチェックする場合は、===
演算子を使用します。undefined
をチェックする場合は、typeof
演算子を使用します。
これらの方法を適切に使い分けることで、JavaScript や jQuery のコードの信頼性を向上させることができます。
JavaScript/jQuery での変数の状態チェック: コード例
未定義 (undefined) と null のチェック
typeof 演算子による未定義チェック
let x; // 未定義の変数
if (typeof x === 'undefined') {
console.log('x は未定義です');
}
typeof x
は'undefined'
を返すため、条件が真となり、メッセージが出力されます。
let y = null;
if (y === null) {
console.log('y は null です');
}
y
が厳密にnull
と等しいため、条件が真となり、メッセージが出力されます。
== 演算子による null または undefined チェック
let z; // 未定義の変数
if (z == null) {
console.log('z は null または undefined です');
}
==
演算子は型変換を行うため、undefined
もnull
と等しいとみなされます。
オプショナルチェイニング
let person = { name: '太郎' };
let address = person?.address?.street; // address または street が null または undefined の場合、undefined を返す
person.address
またはperson.address.street
が存在しない場合、address
にundefined
が代入されます。
typeof null
は "object" を返すため、typeof
演算子でnull
をチェックすることはできません。
代替方法
論理否定演算子 (!)
- 簡潔な書き方ですが、他の値 (0, 空文字列など) も
false
と評価されるため、注意が必要です。 - 変数が
null
またはundefined
の場合、false
と評価されます。
let x; // 未定義の変数
if (!x) {
console.log('x は null または undefined です');
}
OR 演算子 (||)
- デフォルト値の設定に便利です。
let name = person.name || '無名';
カスタム関数
- 複雑な条件や複数のチェックが必要な場合に有用です。
function isNullOrUndefined(value) {
return value === null || typeof value === 'undefined';
}
Lodash/Underscore の isNil 関数
- ライブラリを使用する場合、これらの関数を利用できます。
const _ = require('lodash');
if (_.isNil(value)) {
// value は null または undefined
}
- カスタム関数やライブラリ関数は、複雑な条件や再利用性を考慮する場合に有効です。
- OR 演算子 (
||
) はデフォルト値の設定に便利です。 - 論理否定演算子 (
!
) は簡潔ですが、他の値もfalse
と評価されるため、注意が必要です。
- 複雑なロジックや再利用性を重視する場合は、カスタム関数やライブラリ関数を利用します。
- デフォルト値の設定には、OR 演算子 (
||
) が便利です。 - 厳密なチェックや複数の条件が必要な場合は、
typeof
演算子やnull
チェックを使用します。 - シンプルなチェックの場合は、論理否定演算子 (
!
) や OR 演算子 (||
) が使いやすいです。
javascript jquery variables