ES6 クラス プライベートプロパティ 解説

2024-09-22

JavaScript ES6 クラスにおけるプライベートプロパティ

JavaScript ES6 では、クラスのメンバーとして プライベートプロパティ を定義することができるようになりました。これにより、クラス内部でのみアクセス可能な変数を確保し、カプセル化を強化することができます。

構文

class MyClass {
  #privateProperty = 'private value';

  publicMethod() {
    console.log(this.#privateProperty); // アクセス可能
  }
}

重要なポイント

  • 継承: プライベートプロパティは、クラスを継承しても子クラスからアクセスできません。
  • メソッドからのアクセス: プライベートプロパティにアクセスするには、クラスのメソッド内から参照する必要があります。
  • アクセス制限: プライベートプロパティは、クラスの内部からしかアクセスできません。クラスの外からは直接参照することができません。
  • ハッシュタグ (#): プライベートプロパティを識別するために、プロパティ名の前にハッシュタグを使用します。

class Person {
  #name;
  #age;

  constructor(name, age) {
    this.#name = name;
    this.#age = age;
  }

  getName() {
    return this.#name;
  }

  getAge() {
    return this.#age;
  }
}

c   onst john = new Person('John Doe', 30);
console.log(john.getName()); // John Doe
console.log(john.#name); // Error: Cannot access private member '#name'

利点

  • セキュリティ: プライベートプロパティを外部からアクセスできないようにすることで、セキュリティリスクを軽減することができます。
  • 保守性: プライベートプロパティの変更がクラスの外部に影響を与えないため、コードの変更や修正が容易になります。
  • カプセル化: プライベートプロパティを使用することで、クラスの内部状態を外部から直接変更されることを防ぎ、コードの信頼性を向上させることができます。



JavaScript ES6 クラスのプライベートプロパティ: コード例と解説

プライベートプロパティとは?

JavaScript ES6で導入されたプライベートプロパティは、クラス内部でのみアクセス可能な変数です。クラスの外部から直接アクセスすることはできず、カプセル化を強化する上で非常に重要な概念です。

コード例とその解説

class Person {
  #name; // プライベートプロパティ
  #age;

  constructor(name, age) {
    this.#name = name;
    this.#age = age;
  }

  // パブリックなメソッド (外部からアクセス可能)
  greet() {
    console.log(`こんにちは、私は${this.#name}です。${this.#age}歳です。`);
  }
}

// Personクラスのインスタンスを作成
const taro = new Person('太郎', 30);

// パブリックなメソッドを使ってプライベートプロパティにアクセス
taro.greet(); // 出力: こんにちは、私は太郎です。30歳です。

// プライベートプロパティに直接アクセスしようとするとエラーになる
console.log(taro.#name); // Error: Cannot access private member '#name'

コードの解説

  1. クラスの定義
    Personというクラスを定義します。
  2. プライベートプロパティの宣言
    #name#ageがプライベートプロパティです。ハッシュ記号(#)で始まるのが特徴です。
  3. コンストラクタ
    インスタンスが作成されるときに呼ばれるメソッドです。引数で受け取ったnameageをプライベートプロパティに代入します。
  4. パブリックなメソッド
    greet()メソッドは外部からアクセスできるメソッドです。内部でプライベートプロパティ#name#ageを使って挨拶文を出力します。
  5. インスタンスの作成
    new Person('太郎', 30)Personクラスのインスタンスtaroを作成します。
  6. パブリックメソッドの呼び出し
    taro.greet()greet()メソッドを呼び出し、プライベートプロパティにアクセスして挨拶文を出力します。
  7. プライベートプロパティへの直接アクセス
    taro.#nameのようにプライベートプロパティに直接アクセスしようとするとエラーになります。

プライベートプロパティのメリット

  • 保守性の向上
    プライベートプロパティを変更しても、外部のコードに影響を与えにくいので、コードの変更が容易になります。
  • カプセル化
    クラスの内部状態を外部から隠蔽し、意図しない変更を防ぎます。

JavaScript ES6のプライベートプロパティは、クラスの内部状態を安全に管理するための重要な機能です。この機能を効果的に活用することで、より堅牢で保守性の高いコードを作成することができます。

  • 継承
    プライベートプロパティは、子クラスから継承できません。
  • アクセサー
    プライベートプロパティへのアクセスを制御するために、getterとsetterを使用できます。
  • プライベートメソッド
    プライベートプロパティと同様に、クラス内部でのみ使用できるメソッドを定義できます。

さらに詳しく知りたい方へ

MDN Web Docsの「プライベートプロパティ」のページが詳しいです。

  • プライベートプロパティは、JavaScriptのオブジェクト指向プログラミングにおいて、カプセル化を実現するための重要な要素です。
  • 上記のコード例は、プライベートプロパティの基本的な使い方を示したものです。実際の開発では、より複雑なクラス設計やアクセサーの利用など、様々なパターンが考えられます。



アンダースコア(_)を先頭に付ける

  • 強制力がない:リンターやIDEの警告で抑止することはできますが、厳密には外部からアクセスを禁止することはできません。
  • 非公式な慣習:変数名にアンダースコアを付けることで、"プライベート"であることを示すという暗黙の了解に基づいています。
  • 最もシンプルな方法
class Person {
  _name; // プライベートな名前を示す
  constructor(name) {
    this._name = name;
  }
}

クロージャを利用する

  • 外部からアクセスできない:変数を関数の内部で定義することで、外部から直接アクセスできないようにします。
  • 関数スコープを利用
function createPerson(name) {
  let _name = name; // プライベート変数

  return {
    getName: function() {
      return _name;
    }
  };
}

const person = createPerson('太郎');
console.log(person.getName()); // 太郎

Symbolを利用する

  • 外部からアクセスしにくい:Symbolはユニークな値であり、外部から意図的にアクセスするのは困難です。
  • ユニークなキー
const _nameSymbol = Symbol('name');

class Person {
  constructor(name) {
    this[_nameSymbol] = name;
  }

  getName() {
    return this[_nameSymbol];
  }
}

WeakMapを利用する

  • ガベージコレクション:WeakMapはキーがオブジェクトの場合、そのオブジェクトが参照されなくなると自動的に削除されます。
  • オブジェクトとの関連付け
const _privateData = new WeakMap();

class Person {
  constructor(name) {
    _privateData.set(this, { name });
  }

  getName() {
    return _privateData.get(this).name   ;
  }
}

各方法の比較

方法メリットデメリット備考
アンダースコアシンプル強制力がない非公式な慣習
クロージャ強力なカプセル化コードが冗長になる場合がある関数スコープを利用
Symbolユニークなキー外部からアクセスは困難だが、完全に防ぐことはできないES6で導入された新しい機能
WeakMapガベージコレクションコードがやや複雑になるオブジェクトとの関連付けに特化

ES6のプライベートプロパティとの比較

  • 構文が直感的であり、言語レベルでサポートされているため、より自然な形でプライベート変数を扱うことができます。
  • ES6のプライベートプロパティは、上記の方法よりも簡潔かつ安全にプライベートな変数を定義できます。

ES6のプライベートプロパティが導入される前は、様々な方法でプライベート変数を表現していました。しかし、ES6のプライベートプロパティは、これらの方法よりも安全かつ簡潔にプライベート変数を定義できるため、現代のJavaScript開発では、ES6のプライベートプロパティが推奨されます。

どの方法を選ぶべきかは、プロジェクトの規模、チームの規約、そして個人の好みによって異なります。ES6のプライベートプロパティが利用できる環境であれば、積極的に活用することをおすすめします。

  • TypeScriptなど、JavaScriptのスーパーセットでは、より厳密なプライベート変数のサポートを提供しているものもあります。
  • 上記以外にも、プロパティ記述子やProxyを使ってプライベート変数を模倣する方法もありますが、より複雑な実装になります。

javascript class ecmascript-6



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