【初心者向け】JavaScript ES6でクラス内部を隠蔽!プライベートプロパティの使い方

2024-06-25

JavaScript ES6 クラスにおけるプライベートプロパティ

ES6 から、クラス内部でのみアクセス可能な プライベートプロパティ を定義できるようになりました。これは、カプセル化を強化し、コードの読みやすさと保守性を向上させるのに役立ちます。

記法

プライベートプロパティは、ハッシュ記号 (#) を接頭辞として名前を付けて宣言します。

class Person {
  #name; // プライベートプロパティ

  constructor(name) {
    this.#name = name;
  }

  getName() {
    return this.#name;
  }
}

注意点

  • プライベートプロパティは、クラス内部からのみアクセス可能です。外部からは一切アクセスできません。
  • プライベートプロパティは、サブクラスからも継承されません
  • プライベートプロパティは、動的に生成することはできません。クラス定義時にのみ宣言する必要があります。

利点

  • コードのカプセル化を強化し、内部実装の詳細を隠すことができます。
  • コードの読みやすさと保守性を向上させることができます。
  • 意図せぬプロパティの書き換えを防ぎ、プログラムの安定性を向上させることができます。

以下の例では、Person クラスの #name プロパティはプライベートプロパティとして宣言されています。このプロパティは、getName メソッドからのみアクセスできます。

class Person {
  #name;

  constructor(name) {
    this.#name = name;
  }

  getName() {
    return this.#name;
  }
}

const person = new Person('田中');
console.log(person.getName()); // 田中
console.log(person.#name); // エラー: #name はプライベートです

代替手段

プライベートプロパティがサポートされていない環境では、以下の代替手段を使用できます。

  • アンダースコア記法 : 非公式な慣習として、プライベートプロパティにはアンダースコア (_) を接頭辞として付けることがあります。ただし、これは単なる規約であり、厳格な区別ではありません。
  • シンボル : シンボルを使用して、プライベートプロパティを一意に識別できます。ただし、シンボルは、古いブラウザではサポートされていない場合があります。

ES6 のプライベートプロパティは、コードのカプセル化を強化し、コードの読みやすさと保守性を向上させる強力なツールです。新しいプロジェクトでは積極的に活用することを検討しましょう。




    サンプルコード:プライベートプロパティとgetter/setter

    class Person {
      #name;
    
      constructor(name) {
        this.#name = name;
      }
    
      getName() {
        return this.#name;
      }
    
      setName(newName) {
        this.#name = newName;
      }
    }
    
    const person = new Person('田中');
    console.log(person.getName()); // 田中
    
    person.setName('佐藤');
    console.log(person.getName()); // 佐藤
    

    解説

    • #name プロパティはプライベートプロパティとして宣言されています。
    • getName メソッドは、#name プロパティの値を取得します。
    • メソッドを使用して、プライベートプロパティへのアクセスと変更をカプセル化することで、コードの可読性と保守性を向上させることができます。

    getter/setterの利点

    • プロパティのアクセスと変更を制御できます。
    • プロパティの値に検証処理を施すことができます。
    • プロパティの変更をログ記録するなどの処理を実行できます。

    この例は、プライベートプロパティとgetter/setterを使用して、コードのカプセル化と可読性を向上させる方法を示しています。

    • パスワードの保存: パスワードを安全に保存するために、プライベートプロパティとgetter/setterを使用できます。getter メソッドはパスワードを返しますが、setter メソッドはパスワードをハッシュ化してから保存します。
    • データの検証: プロパティの値が有効な範囲内にあることを確認するために、setter メソッドで検証処理を実行できます。
    • イベントのトリガー: プロパティの値が変更されたときにイベントをトリガーするために、setter メソッドでイベントリスナーを呼び出すことができます。

    プライベートプロパティとgetter/setterは、JavaScript で強力なカプセル化とデータアクセス制御を実現するための強力なツールです。これらの機能を積極的に活用することで、コードの読みやすさ、保守性、セキュリティを向上させることができます。




    JavaScript ES6 クラスでプライベートプロパティを定義する代替方法

    代替方法

    1. アンダースコア記法

    非公式な慣習として、プライベートプロパティにはアンダースコア (_) を接頭辞として付けることがあります。これは、シンプルで分かりやすい方法ですが、厳密な区別ではなく、規約に依存するという点に注意が必要です。

    class Person {
      _name; // プライベートプロパティを想定
    
      constructor(name) {
        this._name = name;
      }
    
      getName() {
        return this._name;
      }
    }
    
    1. シンボル
    const _name = Symbol(); // プライベートプロパティを表すシンボル
    
    class Person {
      constructor(name) {
        this[_name] = name;
      }
    
      getName() {
        return this[_name];
      }
    }
    
    1. WeakMap

    WeakMapを使用して、プライベートプロパティをインスタンスごとに保持できます。WeakMapは、ガベージコレクションの対象となるため、注意が必要です。

    const privatePropertyMap = new WeakMap();
    
    class Person {
      constructor(name) {
        privatePropertyMap.set(this, { name });
      }
    
      getName() {
        return privatePropertyMap.get(this).name;
      }
    }
    

    それぞれの方法の比較

    方法長所短所
    アンダースコア記法シンプルで分かりやすい厳密な区別ではない、規約に依存する
    シンボルプライベートプロパティを一意に識別できる古いブラウザではサポートされていない
    WeakMapインスタンスごとにプライベートプロパティを保持できるガベージコレクションの対象となる

    ES6の公式な記法が最も推奨されますが、状況によっては上記の代替方法も検討することができます。いずれの方法を選択する場合も、それぞれの長所と短所を理解し、適切に使用するようにしましょう。


      javascript class ecmascript-6


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