MouseEvent.composedPath()でイベント発生元の親要素を取得
子要素によるマウスアウトイベントを無効にする方法
JavaScript、jQuery、イベントの知識を用いて、子要素によって発生するマウスアウトイベントを無効にする方法について解説します。
目次
- マウスアウトイベントとは
- 子要素によるマウスアウトイベントの問題
- 解決策 3.1 JavaScriptによるイベントリスナーの削除 3.2 jQueryによるイベントの無効化
- 注意事項
マウスアウトイベントとは、マウスポインターが要素から離れた際に発生するイベントです。多くの場合、要素のスタイル変更やツールチップの非表示などに使用されます。
親要素内に子要素が複数存在する場合、子要素からマウスアウトしても、親要素のマウスアウトイベントが発生する可能性があります。これは、マウスポインターが親要素領域内にあるためです。
解決策
1 JavaScriptによるイベントリスナーの削除
JavaScriptの addEventListener()
メソッドを用いて、親要素のマウスアウトイベントリスナーを削除することで、子要素によるイベント発生を抑制できます。
const parentElement = document.querySelector('.parent');
// マウスアウトイベントリスナーを削除
parentElement.removeEventListener('mouseout', () => {
// イベント処理
});
2 jQueryによるイベントの無効化
jQueryの off()
メソッドを用いて、親要素のマウスアウトイベントを無効化できます。
$('.parent').off('mouseout');
注意事項
上記の方法でイベントを無効化すると、子要素からマウスアウトしても、親要素のイベント処理が実行されなくなります。イベント処理が必要な場合は、別の方法で実装する必要があります。
<div class="parent">
<p>親要素</p>
<div class="child">
<p>子要素</p>
</div>
</div>
CSS
.parent {
width: 200px;
height: 200px;
border: 1px solid red;
}
.child {
width: 100px;
height: 100px;
border: 1px solid blue;
}
JavaScript
const parentElement = document.querySelector('.parent');
// マウスアウトイベントリスナーを追加
parentElement.addEventListener('mouseout', () => {
console.log('親要素からマウスアウトしました');
});
// 子要素からマウスアウトしてもイベントが発生しないことを確認
document.querySelector('.child').addEventListener('mouseout', () => {
console.log('子要素からマウスアウトしました');
});
// 5秒後に親要素のマウスアウトイベントリスナーを削除
setTimeout(() => {
parentElement.removeEventListener('mouseout', () => {
console.log('親要素からマウスアウトしました');
});
}, 5000);
動作説明
- 上記コードをHTMLファイルに保存し、ブラウザで開きます。
- 親要素または子要素にマウスオーバーします。
- コンソールを確認すると、マウスオーバーした要素に応じてメッセージが表示されます。
- 5秒後に、親要素からマウスアウトしても、コンソールにメッセージが表示されなくなります。
document.querySelector('.child').addEventListener('mouseout', (event) => {
// イベントの伝播を止める
event.stopPropagation();
});
e.target を用いてイベント発生元を確認する
イベントリスナー内で e.target
プロパティを用いて、イベント発生元を確認し、子要素によるイベントの場合は処理をスキップできます。
parentElement.addEventListener('mouseout', (event) => {
// イベント発生元が子要素の場合は処理をスキップ
if (event.target === document.querySelector('.child')) {
return;
}
// イベント処理
});
CSSの pointer-events プロパティを用いて子要素のイベント無効化
子要素に pointer-events: none
を設定することで、子要素に対するマウスイベントを無効化できます。ただし、子要素のクリックイベントなども無効化されるため、注意が必要です。
.child {
pointer-events: none;
}
MouseEvent.composedPath() を用いてイベント発生元の親要素を取得
MouseEvent.composedPath()
メソッドを用いて、イベント発生元の親要素を取得し、親要素のみイベント処理を行う方法です。
parentElement.addEventListener('mouseout', (event) => {
// イベント発生元の親要素を取得
const parentElement = event.composedPath()[1];
// 親要素のみイベント処理
if (parentElement === document.querySelector('.parent')) {
// イベント処理
}
});
マウスイベントの種類を区別する
mouseout
イベントではなく、mouseleave
イベントを使用することで、子要素からマウスアウトしても発生しないイベントにすることができます。
parentElement.addEventListener('mouseleave', () => {
// イベント処理
});
ライブラリの利用
jQueryなどのライブラリを用いて、より簡単にイベント処理を実装できます。
$('.parent').on('mouseleave', () => {
// イベント処理
});
javascript jquery events