Google Chrome デベロッパーツールにおける打ち消しスタイルプロパティの意味
Google Chrome デベロッパーツールでは、スタイルプロパティが打ち消し線で表示されることがあります。これは、そのプロパティが他の要素によって上書きされていることを意味します。
詳細
スタイルプロパティが打ち消し線で表示されると、以下のいずれかの状況が考えられます。
- 他の要素によって上書きされている:
- 同じ要素に対して、より具体的なセレクタでスタイルが設定されている場合
- 親要素または祖先要素によってスタイルが設定されている場合
- 無効化されている:
- 継承されていない:
- プロパティが継承されない属性である場合
例
以下の例では、h1
要素の font-size
プロパティが 16px
に設定されていますが、#main
要素の子要素であるため、14px
に上書きされています。
<style>
h1 {
font-size: 16px;
}
#main h1 {
font-size: 14px;
}
</style>
<div id="main">
<h1>タイトル</h1>
</div>
この場合、デベロッパーツールで h1
要素を選択すると、font-size
プロパティが 16px
と表示されますが、打ち消し線が付きます。これは、#main
要素の子要素であるため、14px
に上書きされていることを意味します。
打ち消しスタイルプロパティを確認する利点
打ち消しスタイルプロパティを確認することで、以下のことが分かります。
- どの要素によってスタイルが上書きされているのか
- 無効化されているプロパティはどれなのか
これらの情報は、スタイルシートのデバッグや、意図したとおりにスタイルが適用されていることを確認するのに役立ちます。
- 打ち消しスタイルプロパティは、Chrome デベロッパーツール以外にも、Firefox や Safari などのブラウザでも表示されます。
- 打ち消しスタイルプロパティが表示されない場合、Chrome デベロッパーツールの設定を確認する必要があります。
<!DOCTYPE html>
<html lang="ja">
<head>
<meta charset="UTF-8">
<meta name="viewport" content="width=device-width, initial-scale=1.0">
<title>CSS打ち消しスタイル</title>
<style>
body {
font-family: Arial, sans-serif;
font-size: 16px;
}
h1 {
font-size: 24px;
color: red;
}
#main h1 {
font-size: 18px;
color: blue;
}
</style>
</head>
<body>
<div id="main">
<h1>タイトル</h1>
</div>
</body>
</html>
説明
このコード例では、以下の要素とスタイルが定義されています。
body
要素: すべてのページ要素の基となる要素です。フォントファミリーとフォントサイズを指定します。h1
要素: 見出し1要素です。フォントサイズと色を指定します。#main h1
要素:#main
要素の子要素であるh1
要素です。フォントサイズと色を上書きします。
デベロッパーツールでの表示
Chrome デベロッパーツールで h1
要素を選択すると、以下のようになります。
color
プロパティ:red
と表示されます。これは、#main
要素の子要素であっても、上書きされていないためです。
実行結果
ブラウザでこのコードを実行すると、以下のようになります。
タイトル
CSSセレクタには、特異度と呼ばれる値が割り当てられています。特異度が高いセレクタほど、スタイルが優先的に適用されます。
セレクタの特異度は、以下の要素によって決まります。
- IDセレクタ: 特異度が最も高い
- クラスセレクタ: 特異度が2番目に高い
セレクタの特異度を確認することで、どのセレクタによってスタイルが上書きされているのかを判断することができます。
"!important" 宣言を使用する
!important
宣言を使用すると、そのプロパティを他のすべてのプロパティよりも優先的に適用することができます。
h1 {
font-size: 16px !important;
}
この例では、h1
要素の font-size
プロパティに !important
宣言が使用されているため、たとえ他の要素によって上書きされていても、16px のフォントサイズが適用されます。
ブラウザ拡張機能を使用する
CSS打ち消しスタイルプロパティをより簡単に確認できるブラウザ拡張機能がいくつかあります。
これらの拡張機能を使用すると、打ち消しスタイルプロパティを色分けしたり、簡単にハイライトしたりすることができます。
- 上記以外にも、CSSのデバッグツールやオンラインツールを使用して、打ち消しスタイルプロパティを確認することができます。
- どの方法を使用するかは、個人の好みや状況によって異なります。
css google-chrome google-chrome-devtools