JavaScript、Node.js、Promiseにおける「.then(success, fail)」のアンチパターンについて

2024-07-27

JavaScript、Node.js、Promiseにおける.then(success, fail)は、非同期処理の処理結果を受け取るための一般的な方法です。しかし、状況によっては、.then(success, fail)の使用がアンチパターンと見なされる場合があります。

アンチパターンとなるケース

以下のようなケースにおいて、.then(success, fail)の使用はアンチパターンと見なされます。

  • エラー処理の複雑化: failコールバック関数を使用すると、エラー処理コードが複雑になり、読みづらくなる可能性があります。
  • エラー伝播の阻害: failコールバック関数内でエラーを再スローしないと、エラーが上位のコードまで伝播されず、問題の特定が難しくなります。
  • 非同期処理のネスト: 複数の非同期処理を連鎖的に実行する場合、.then(success, fail)をネストさせるとコードが冗長になり、可読性が低下します。

代替手段

.then(success, fail)の使用を避けるためには、以下の代替手段を検討することができます。

  • catchブロックの使用: エラー処理はcatchブロックで行うことで、コードをよりシンプルに保ち、エラー伝播を確実にすることができます。
  • Promiseチェーンの使用: 複数の非同期処理を連鎖的に実行する場合、Promiseチェーンを使用することで、コードをより簡潔に記述することができます。
  • 非同期処理の抽象化: 非同期処理を関数やクラスに抽象化することで、コードをよりモジュール化し、テストしやすくなります。

以下のコードは、.then(success, fail)の使用を避けたエラー処理の例です。

async function fetchData() {
  try {
    const response = await fetch('https://example.com/data');
    const data = await response.json();
    return data;
  } catch (error) {
    console.error(error);
    throw error; // エラーを上位のコードまで伝播
  }
}

fetchData().then(data => {
  console.log(data);
}).catch(error => {
  console.error(error);
});



function loadUserData(userId) {
  return new Promise((resolve, reject) => {
    // 非同期処理を行う
    setTimeout(() => {
      if (userId === 1) {
        const userData = {
          name: 'Taro Yamada',
          email: '[email protected]'
        };
        resolve(userData);
      } else {
        reject(new Error('Invalid user ID'));
      }
    }, 1000);
  });
}

loadUserData(1)
  .then(userData => {
    console.log(userData.name); // Taro Yamada
  }, error => {
    console.error(error); // Error: Invalid user ID
  });

問題点:

  • エラー処理がfailコールバック関数内に記述されており、コードが冗長で読みづらい。
  • エラーが発生した場合、エラーメッセージのみが出力され、原因の特定が困難。

改善案:

async function loadUserData(userId) {
  try {
    const response = await fetch(`https://api.example.com/users/${userId}`);
    if (!response.ok) {
      throw new Error(`Failed to load user data: ${response.status}`);
    }
    const userData = await response.json();
    return userData;
  } catch (error) {
    console.error(error);
    throw error; // エラーを上位のコードまで伝播
  }
}

loadUserData(1)
  .then(userData => {
    console.log(userData.name); // Taro Yamada
  })
  .catch(error => {
    console.error(error.message); // Failed to load user data: 404
  });
  • エラー処理をcatchブロックで行うことで、コードをよりシンプルに保ち、エラー伝播を確実にする。
  • エラーメッセージに加え、ステータスコードも出力することで、問題の特定を容易にする。

Promiseチェーンの例

async function loadUserAndGreeting(userId) {
  const userData = await loadUserData(userId);
  const greeting = await generateGreeting(userData.name);
  return {
    userData,
    greeting
  };
}

loadUserAndGreeting(1)
  .then(result => {
    console.log(result.userData.name); // Taro Yamada
    console.log(result.greeting); // こんにちは、Taro Yamadaさん!
  })
  .catch(error => {
    console.error(error);
  });

説明:

  • loadUserAndGreeting関数は、非同期処理を2つ連鎖的に実行します。
  • Promiseチェーンを使用することで、コードをより簡潔に記述することができます。

非同期処理の抽象化の例

class UserService {
  async loadUser(userId) {
    const response = await fetch(`https://api.example.com/users/${userId}`);
    if (!response.ok) {
      throw new Error(`Failed to load user data: ${response.status}`);
    }
    const userData = await response.json();
    return userData;
  }
}

const userService = new UserService();

userService.loadUser(1)
  .then(userData => {
    console.log(userData.name); // Taro Yamada
  })
  .catch(error => {
    console.error(error);
  });
  • UserServiceクラスは、ユーザーデータの読み込みに関する非同期処理を抽象化します。
  • コードをモジュール化し、テストしやすくなります。



catchブロックの使用

catchブロックは、非同期処理中に発生したエラーを処理するために使用されます。.then(success, fail)failコールバック関数と同様の機能を提供しますが、以下の利点があります。

  • コードの簡潔化: エラー処理コードをthenブロックとは独立して記述できるため、コード全体の可読性が向上します。
  • エラー伝播の確実化: エラーが発生した場合、catchブロック内で再スローしないと、エラーが上位のコードまで伝播されず、問題の特定が難しくなります。
async function fetchData() {
  try {
    const response = await fetch('https://example.com/data');
    const data = await response.json();
    return data;
  } catch (error) {
    console.error(error);
    throw error; // エラーを上位のコードまで伝播
  }
}

fetchData().then(data => {
  console.log(data);
}).catch(error => {
  console.error(error);
});
  • 上記のコードは、.then(success, fail)を使用せずにcatchブロックでエラー処理を行っています。
  • エラーが発生した場合、console.errorでエラーメッセージを出力し、throw errorでエラーを上位のコードまで伝播させています。

利点:

  • コードが簡潔で読みやすい。
  • エラー伝播が確実化される。

Promiseチェーンは、複数の非同期処理を連鎖的に実行するために使用されます。.then(success, fail)をネストさせる代わりに、Promiseチェーンを使用することで、以下の利点があります。

  • コードの簡潔化: ネスト構造を解消することで、コードがより読みやすく、理解しやすくなります。
  • エラー処理の明確化: 各非同期処理におけるエラー処理を個別に記述できるため、エラー処理の流れが明確になります。
async function loadUserAndGreeting(userId) {
  try {
    const userData = await loadUserData(userId);
    const greeting = await generateGreeting(userData.name);
    return {
      userData,
      greeting
    };
  } catch (error) {
    console.error(error);
    throw error; // エラーを上位のコードまで伝播
  }
}

loadUserAndGreeting(1)
  .then(result => {
    console.log(result.userData.name); // Taro Yamada
    console.log(result.greeting); // こんにちは、Taro Yamadaさん!
  })
  .catch(error => {
    console.error(error);
  });
  • 上記のコードは、Promiseチェーンを使用して、ユーザーデータの読み込みと挨拶の生成という2つの非同期処理を連鎖的に実行しています。
  • 各非同期処理におけるエラー処理は、catchブロックで個別に記述されています。
  • エラー処理の流れが明確。

非同期処理の抽象化

非同期処理を関数やクラスに抽象化することで、以下の利点があります。

  • コードのモジュール化: 非同期処理を独立したモジュールとして記述することで、コード全体の構造が明確になり、保守性が高まります。
  • テストの容易化: 抽象化された非同期処理を個別にテストしやすくなります。
class UserService {
  async loadUser(userId) {
    const response = await fetch(`https://api.example.com/users/${userId}`);
    if (!response.ok) {
      throw new Error(`Failed to load user data: ${response.status}`);
    }
    const userData = await response.json();
    return userData;
  }
}

const userService = new UserService();

userService.loadUser(1)
  .then(userData => {
    console.log(userData.name); // Taro Yamada
  })
  .catch(error => {
    console.error(error);
  });
  • 上記のコードは、UserServiceクラスを使用して、ユーザーデータの読み込みという非同期処理を抽象化しています。

javascript node.js promise



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