`pointer-events`と`cursor`の組み合わせについて
pointer-events: none
とは
pointer-events: none
は、CSSのプロパティで、指定した要素に対してマウスやタッチイベントを無効にするものです。つまり、その要素をクリックしたり、ドラッグしたりすることができなくなります。
なぜcursor
プロパティが必要なのか
しかし、pointer-events: none
を適用した要素にマウスカーソルを合わせると、通常はデフォルトのカーソルが表示されます。これは、ユーザーにとって直感的ではなく、混乱を招く可能性があります。
そこで、cursor
プロパティを使って、カーソルの形状やスタイルを指定することで、ユーザーに適切なフィードバックを提供することができます。
どのように使うのか
-
親要素にcursorプロパティを適用する
pointer-events: none
を適用した要素の親要素にcursor
プロパティを適用します。これにより、子要素がイベントを受け付けなくても、マウスカーソルが親要素に合わせたスタイルになります。.parent-element { cursor: not-allowed; /* または他のカーソルスタイル */ } .child-element { pointer-events: none; }
-
子要素を別の要素でラップする
pointer-events: none
を適用した要素を別の要素でラップし、そのラップ要素にcursor
プロパティを適用します。.wrapper { cursor: not-allowed; } .child-element { pointer-events: none; }
.parent-element {
cursor: not-allowed; /* または他のカーソルスタイル */
}
.child-element {
pointer-events: none;
}
この例では、child-element
はクリックやドラッグなどのイベントを受け付けませんが、マウスカーソルがその上に移動すると、親要素のcursor
プロパティが適用され、カーソルが「禁止」のアイコンに変わります。
例2: 子要素を別の要素でラップ
.wrapper {
cursor: not-allowed;
}
.child-element {
pointer-events: none;
}
この例では、child-element
をwrapper
要素でラップしています。wrapper
要素にcursor: not-allowed
を適用することで、マウスカーソルがその上に移動したときに「禁止」のアイコンが表示されます。child-element
自体はイベントを受け付けませんが、その上にマウスカーソルが移動しても、親要素のcursor
スタイルが反映されます。
ポイント
- 適切なカーソルの選択は、ユーザー体験の向上に役立ちます。
cursor
プロパティにはさまざまな値があり、カーソルの形状やスタイルをカスタマイズできます。- 親要素やラップ要素に
cursor
プロパティを適用することで、ユーザーに適切な視覚的フィードバックを提供できます。 pointer-events: none
を適用した要素に直接cursor
プロパティを適用しても効果はありません。
JavaScriptによるイベントリスナーの制御
- CSSによるスタイルの変更
追加または削除したクラスに、必要なcursor
スタイルを定義しておきます。 - クラスの動的な追加/削除
イベントが発生したときに、JavaScriptを使用して、その要素または親要素にクラスを追加または削除します。 - イベントリスナーの追加
特定の要素にイベントリスナーを追加し、マウスオーバーやマウスアウトなどのイベントを検知します。
const element = document.getElementById('myElement');
element.addEventListener('mouseover', () => {
element.classList.add('hover');
});
element.addEventListener('mouseout', () => {
element.classList.remove('hover');
});
.hover {
cursor: pointer;
}
CSS-onlyのアプローチ (制限あり)
- :hover擬似クラスの活用
一部のブラウザでは、:hover
擬似クラスを直接pointer-events: none
の要素に適用できる場合があります。ただし、ブラウザの互換性や特定の条件下での動作に注意が必要です。
.disabled-element:hover {
cursor: not-allowed;
}
SVGの活用
- インタラクティブな要素の表現
SVGの要素に直接イベントリスナーを追加し、マウスオーバーやクリックなどのイベントを処理することができます。 - カスタムカーソルの作成
SVGを使用して、独自のカーソルを作成し、CSSのcursor
プロパティで指定することができます。
選択のポイント
- 高度なカスタマイズ
SVGの活用が強力です。 - シンプルなスタイル変更
CSS-onlyのアプローチが簡潔です。 - 複雑なインタラクション
JavaScriptによるイベントリスナーの制御が適しています。
css