ReactJSにおけるサーバーサイドレンダリング(SSR)とクライアントサイドレンダリング(CSR)の徹底比較

2024-05-01

ReactJSにおけるサーバーサイドレンダリング(SSR)とクライアントサイドレンダリング(CSR)の比較:詳細解説

ReactJSは、シングルページアプリケーション(SPA)を構築するためのJavaScriptライブラリです。SPAは、ユーザーがページ遷移することなく、アプリケーション全体を動的に操作できるウェブアプリケーションの一種です。

ReactJSアプリケーションを構築する際、レンダリング方法として2つの主要な選択肢があります。

サーバーサイドレンダリング(SSR)

SSRでは、レンダリング処理をサーバー側で行います。具体的には、ユーザーがリクエストを送信すると、サーバーはReactコンポーネントをHTMLに変換し、完全にレンダリングされたページを返します。

利点:

  • SEOに最適: 検索エンジンは、レンダリングされたHTMLを直接認識できるため、SEOに有利です。
  • 初回読み込み速度の向上: ブラウザはJavaScriptをダウンロードして実行する必要がないため、初回読み込み速度が向上します。
  • ユーザーエクスペリエンスの向上: アプリケーションの読み込みが速く、スムーズなユーザーエクスペリエンスを提供できます。
  • サーバー負荷の増加: レンダリング処理をサーバー側で行うため、サーバー負荷が増加します。
  • 複雑性の増加: SSRを実装するには、追加のサーバー側ロジックと設定が必要となります。

CSRでは、レンダリング処理をクライアント側(ブラウザ)で行います。具体的には、ユーザーがリクエストを送信すると、サーバーは最小限のHTMLを送信し、ブラウザはJavaScriptをダウンロードして実行し、Reactコンポーネントをレンダリングします。

  • 開発の容易性: CSRは、SSRよりもシンプルな実装で済みます。
  • SEOへの影響: 検索エンジンはJavaScriptを直接認識できないため、SEOに不利となります。
  • ユーザーエクスペリエンスへの影響: 初回のレンダリングに時間がかかる場合、ユーザーエクスペリエンスが低下する可能性があります。

SSRとCSRはそれぞれ異なる利点と欠点があります。どちらを選択するかは、アプリケーションの要件と優先順位によって異なります。

以下は、それぞれのレンダリング方式が適している場合の例です。

  • SSR:
    • SEOが重要なアプリケーション
    • 初回読み込み速度が重要なアプリケーション
    • ユーザーエクスペリエンスが重要なアプリケーション
  • CSR:
    • サーバー負荷を軽減する必要があるアプリケーション
    • 開発の容易性を優先するアプリケーション
    • 複雑なインタラクティブ機能を備えたアプリケーション

補足:

  • React Routerなどのライブラリは、SSRとCSRの両方のシナリオで役立ちます。
  • Next.jsなどのフレームワークは、SSRとCSRを容易に実装できるようにします。
  • Node.jsは、SSRとCSRの両方で使用できるサーバーサイドランタイム環境です。



ReactJSにおけるサーバーサイドレンダリング(SSR)とクライアントサイドレンダリング(CSR)のサンプルコード

このセクションでは、SSRとCSRをそれぞれ実装する簡単なReactJSアプリケーションのサンプルコードを紹介します。

この例では、expressreact-dom/serverを使用して、SSRを実装する簡単なアプリケーションを作成します。

const express = require('express');
const React = require('react');
const ReactDOMServer = require('react-dom/server');

const app = express();

app.get('/', (req, res) => {
  const App = require('./App');
  const html = ReactDOMServer.renderToString(<App />);

  res.send(`
    <!DOCTYPE html>
    <html>
      <head>
        <title>SSR Example</title>
      </head>
      <body>
        <div id="root">${html}</div>
        <script src="/bundle.js"></script>
      </body>
    </html>
  `);
});

app.listen(3000, () => console.log('Server listening on port 3000'));

このコードは、以下のことを行います。

  1. expressreact-dom/server を必要なライブラリとしてインポートします。
  2. express アプリケーションを作成します。
  3. / ルートパスへの GET リクエストを処理します。
  4. App コンポーネントをインポートし、ReactDOMServer.renderToString を使用してHTMLに変換します。
  5. HTMLを埋め込んだ完全なHTMLページをレスポンスとして送信します。
  6. アプリケーションをポート 3000 で起動します。
// App.js
import React from 'react';

const App = () => {
  return (
    <div>
      <h1>CSR Example</h1>
      <p>This is a simple React application rendered on the client-side.</p>
    </div>
  );
};

export default App;
// index.js
import React from 'react';
import ReactDOM from 'react-dom';
import App from './App';

ReactDOM.render(<App />, document.getElementById('root'));
  1. App コンポーネントを作成します。
  2. App コンポーネントを index.js でレンダリングします。

この例では、create-react-app のデフォルト設定を使用しています。ビルドプロセス中に、JavaScriptコードはバンドルされ、ブラウザに送信されます。ブラウザはJavaScriptをダウンロードして実行し、Reactコンポーネントをレンダリングします。

  • これらのサンプルコードはほんの一例であり、SSRとCSRを実装する方法は他にもたくさんあります。
  • アプリケーションの要件に応じて、適切なライブラリやフレームワークを選択する必要があります。



ReactJSにおけるサーバーサイドレンダリング(SSR)とクライアントサイドレンダリング(CSR)のその他の方法

Gatsbyは、静的サイトジェネレーター(SSG)と呼ばれるReactフレームワークです。SSGは、ビルド時にすべてのページをレンダリングし、静的HTMLファイルとして生成します。これにより、初回読み込み速度が非常に速くなり、SEOにも有利となります。

Gatsbyは、SSRもサポートしており、動的なコンテンツやユーザー認証が必要な場合に使用できます。

  • 初回読み込み速度が非常に速い
  • SEOに最適
  • セキュリティが向上
  • オフラインで利用可能
  • 動的なコンテンツやユーザー認証が必要な場合、SSRを使用する必要がある
  • ビルドプロセスが遅い

Remixは、フルスタックReactフレームワークです。SSRとCSRの両方の機能を備えており、サーバー側とクライアント側でコードを共有できます。

Remixは、データフェッチング、ルーティング、認証などの機能を自動的に処理するため、開発者がアプリケーションロジックに集中できるように設計されています。

  • SSRとCSRの両方の機能を備えている
  • 開発者がアプリケーションロジックに集中できるように設計されている
  • データフェッチング、ルーティング、認証などの機能を自動的に処理する
  • 比較的新しいフレームワークであるため、コミュニティが小さい
  • Gatsbyほど成熟していない

Razzleは、SSRとCSRをサポートするWebpackビルドツールです。

Razzleは、Webpackの設定を簡素化し、SSRとCSRに必要な機能を提供します。

  • Webpackの設定を簡素化する
  • SSRとCSRに必要な機能を提供する
  • GatsbyやRemixほど機能が豊富ではない

Next.jsは、SSRとCSRをサポートするReactフレームワークです。

Next.jsは、ファイルベースのルーティング、自動コード分割、サーバサイドのプレレンダリングなどの機能を提供します。

  • SSRとCSRをサポートする
  • ファイルベースのルーティングを提供する
  • 自動コード分割を提供する
  • サーバサイドのプレレンダリングを提供する
  • Gatsby:
    • 初回読み込み速度が非常に速く、SEOに最適なアプリケーション
    • 静的なコンテンツが中心のアプリケーション
  • Remix:
    • SSRとCSRの両方の機能が必要なアプリケーション
  • Razzle:
    • Webpackの設定を簡素化したいアプリケーション

javascript node.js client-server


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