Node.jsでCPU集約型リクエストを高速化!ワーカープロセス、非同期処理、ネイティブモジュールを使いこなす

2024-07-27

Node.jsとCPU集約型リクエストに関するプログラミング解説

Node.jsは、JavaScriptを使用してサーバーサイドアプリケーションを開発するためのオープンソースランタイム環境です。非同期入出力モデルを採用しているため、大量の同時接続を効率的に処理し、スケーラブルなアプリケーションを構築することができます。しかし、CPU集約型のリクエストを処理する場合は、パフォーマンスを向上させるためにいくつかの考慮事項があります。

CPU集約型リクエストとは

CPU集約型リクエストとは、CPU処理を大量に必要とするリクエストを指します。具体的には、数学計算、画像処理、データ分析などのタスクが含まれます。このようなリクエストは、Node.jsの非同期モデルによって処理されると、パフォーマンスボトルネックになる可能性があります。

Node.jsはシングルスレッドで実行されるため、CPU集約型リクエストを処理すると、他のリクエストの処理がブロックされてしまいます。これは、アプリケーションのパフォーマンス低下や応答時間の遅延につながる可能性があります。

パフォーマンス向上のための対策

Node.jsでCPU集約型リクエストのパフォーマンスを向上させるには、いくつかの対策があります。

  • クラスタリングを使用する
    複数のNode.jsインスタンスを起動して、リクエストを分散処理することで、パフォーマンスを向上させることができます。
  • ネイティブモジュールを使用する
    CPU集約型タスクを処理するために、C++などのネイティブ言語で記述されたネイティブモジュールを使用することができます。ネイティブモジュールは、JavaScriptよりも高速に処理することができます。
  • 非同期処理を使用する
    CPU集約型タスクを非同期的に処理することで、メインスレッドをブロックせずに処理を進めることができます。Node.jsには、setTimeout()setInterval()Promiseなどの非同期処理機能が用意されています。
  • ワーカープロセスを使用する
    Node.jsは、ワーカープロセスと呼ばれる複数のプロセスを生成して、リクエストを処理することができます。ワーカープロセスを使用すると、CPU集約型リクエストを別のプロセスで処理し、他のリクエストの処理をブロックせずに済むようになります。



const cluster = require('cluster');
const http = require('http');

if (cluster.isMaster) {
  // ワーカープロセスを生成
  for (let i = 0; i < os.cpus().length; i++) {
    cluster.fork();
  }

  // リクエストをワーカープロセスに送信
  http.createServer((req, res) => {
    const worker = cluster.workers[Math.random() * Math.floor(cluster.workers.length)];
    worker.send({ number: parseInt(req.url.slice(1)) });

    worker.on('message', (result) => {
      res.end(result.toString());
    });
  }).listen(3000);
} else {
  // ワーカープロセスでフィボナッチ数列を計算
  process.on('message', (data) => {
    const result = fibonacci(data.number);
    process.send({ result });
  });

  function fibonacci(n) {
    if (n <= 1) {
      return n;
    } else {
      return fibonacci(n - 1) + fibonacci(n - 2);
    }
  }
}

説明

  • メインスレッドは、計算結果をクライアントに返します。
  • ワーカープロセスは、計算結果をメインスレッドに送信します。
  • ワーカープロセスは、fibonacci()関数を使用してフィボナッチ数列を計算します。
  • メインスレッドは、HTTPリクエストを処理し、ワーカープロセスにフィボナッチ数列の計算を依頼します。




const fibonacci = (n) => {
  if (n <= 1) {
    return n;
  } else {
    return new Promise((resolve, reject) => {
      setTimeout(() => {
        resolve(fibonacci(n - 1) + fibonacci(n - 2));
      }, 0);
    });
  }
};

app.get('/fibonacci/:n', async (req, res) => {
  const n = parseInt(req.params.n);
  const result = await fibonacci(n);
  res.send(result.toString());
});

ネイティブモジュール

const addon = require('./fibonacci');

app.get('/fibonacci/:n', (req, res) => {
  const n = parseInt(req.params.n);
  const result = addon.fibonacci(n);
  res.send(result.toString());
});

クラスタリング

const cluster = require('cluster');
const http = require('http');

if (cluster.isMaster) {
  // ワーカープロセスを生成
  for (let i = 0; i < os.cpus().length; i++) {
    cluster.fork();
  }

  // リクエストをワーカープロセスに割り当て
  cluster.on('listening', (worker) => {
    worker.on('message', (msg) => {
      if (msg.cmd === 'register') {
        cluster.workers[msg.id].send({ cmd: 'assign', port: 3000 + msg.id });
      }
    });
  });
} else {
  // ワーカープロセスでリクエストを処理
  http.createServer((req, res) => {
    // CPU集約型タスクを実行
    // ...

    // 結果をクライアントに返
    res.end('result');
  }).listen(worker.process.pid);

  worker.send({ cmd: 'register', id: worker.process.pid });
}

Node.jsには、CPU集約型タスク処理に役立つライブラリがいくつかあります。


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