CSSで画像のアスペクト比を維持する
CSSにおけるアスペクト比を維持した100%幅または高さ
CSSで画像の幅または高さを100%に設定しながら、そのアスペクト比(縦横比)を維持する方法について説明します。
object-fitプロパティの使用
最も一般的な方法は、object-fit
プロパティを使うことです。これにより、画像のサイズ調整方法を指定できます。
img {
width: 100%; /* または height: 100%; */
object-fit: contain; /* 画像全体を表示し、アスペクト比を維持 */
}
scale-down
:画像を縮小する必要があれば、アスペクト比を維持して縮小します。cover
:画像全体をコンテナに収め、余白をトリミングします。contain
:画像全体を表示し、余白が生まれる場合はそれを埋めます。
padding-topまたはpadding-bottomの使用
画像の幅を100%に設定し、アスペクト比を維持したい場合、padding-top
またはpadding-bottom
を使って、適切な高さを計算することができます。
img {
width: 100%;
height: 0;
padding-top: 56.25%; /* 16:9のアスペクト比の場合 */
}
- パディングのパーセンテージは、希望するアスペクト比に基づいて計算されます。
max-widthとmax-heightの使用
画像の最大幅と最大高を設定し、object-fit
を組み合わせることで、アスペクト比を維持しながら、画像がコンテナのサイズを超えないようにすることができます。
img {
max-width: 100%;
max-height: 100%;
object-fit: contain;
}
CSSで画像のアスペクト比を維持しながら幅または高さを100%にする方法のコード例解説
img {
width: 100%; /* または height: 100%; */
object-fit: contain; /* 画像全体を表示し、アスペクト比を維持 */
}
- object-fitの他の値
- object-fit: contain
画像全体を表示し、アスペクト比を維持します。画像がコンテナより小さい場合は、画像全体が表示され、余白が生まれます。 - width: 100%
画像の幅を親要素の幅に合わせます。height: 100%
にすると高さを合わせます。
例
<div style="width: 400px;">
<img src="image.jpg" alt="説明文" style="width: 100%; object-fit: contain;">
</div>
この例では、幅400pxのコンテナ内に画像を配置し、画像の幅をコンテナの幅に合わせ、アスペクト比を維持して表示します。
img {
width: 100%;
height: 0;
padding-top: 56.25%; /* 16:9のアスペクト比の場合 */
}
- padding-top
パディングのパーセンテージを調整することで、任意のアスペクト比を維持できます。 - height: 0
高さを0に設定し、パディングで高さを調整します。 - width: 100%
画像の幅を親要素の幅に合わせます。
<div style="width: 300px;">
<img src="image.jpg" alt="説明文" style="width: 100%; height: 0; padding-top: 75%;">
</div>
img {
max-width: 100%;
max-height: 100%;
object-fit: contain;
}
- object-fit: contain
画像全体を表示し、アスペクト比を維持します。 - max-height: 100%
画像の高さが親要素の高さを超えないようにします。
<div style="width: 400px; height: 300px;">
<img src="image.jpg" alt="説明文" style="max-width: 100%; max-height: 100%; object-fit: contain;">
</div>
この例では、幅400px、高さ300pxのコンテナ内に画像を配置し、画像がコンテナからはみ出ないようにし、アスペクト比を維持して表示します。
どの方法を選ぶべきか?
- max-width/max-height
画像がコンテナからはみ出ないようにしたい場合に有効です。 - padding-top/bottom
アスペクト比を厳密に制御したい場合に有効です。 - object-fit
最もシンプルで、さまざまなケースに対応できます。
どの方法を選ぶかは、デザインやレイアウトの要件によって異なります。 それぞれの方法のメリット・デメリットを理解し、適切な方法を選択してください。
- レスポンシブデザイン
異なる画面サイズに対応するために、メディアクエリと組み合わせることで、より柔軟なレイアウトを実現できます。 - aspect-ratioプロパティ
CSSの新しいプロパティで、より直感的にアスペクト比を指定できます。ただし、ブラウザのサポート状況に注意が必要です。
aspect-ratioプロパティを使う(ブラウザ対応に注意)
aspect-ratio
プロパティは、要素のアスペクト比を直接指定できる便利なプロパティです。
img {
width: 100%;
aspect-ratio: 16 / 9; /* 16:9のアスペクト比 */
}
- デメリット
- メリット
- アスペクト比の指定が直感的
- 計算が不要
height: autoを使う(シンプルなケースに有効)
画像タグのheight
属性をauto
にすることで、画像の元の縦横比を維持できます。
img {
width: 100%;
height: auto;
}
- デメリット
- メリット
- シンプルで使いやすい
FlexboxやGridレイアウトを使う
FlexboxやGridレイアウトを使えば、コンテナ内の要素の配置を柔軟に制御できます。aspect-ratio
プロパティと組み合わせることで、より複雑なレイアウトを実現できます。
.container {
display: flex;
aspect-ratio: 16 / 9;
}
img {
flex: 1;
}
- デメリット
- メリット
SVGを利用する
画像をSVG形式で用意することで、CSSで自由に形状やサイズを調整できます。
svg {
width: 100%;
height: auto;
}
- デメリット
- SVGの作成に手間がかかる
- メリット
- ベクター画像なので、拡大縮小しても画質が劣化しない
- CSSで詳細な制御が可能
- ベクター画像が必要
SVGを利用する。 - 複雑なレイアウト
FlexboxやGridレイアウトが適している。 - アスペクト比を正確に制御したい
aspect-ratio
やpadding
が有効。 - シンプルなレイアウト
object-fit
やheight: auto
が使いやすい。
それぞれの方法のメリット・デメリットを理解し、プロジェクトの要件に合わせて最適な方法を選択してください。
CSSで画像のアスペクト比を維持する方法として、object-fit
、padding
、aspect-ratio
、height: auto
、Flexbox、Gridレイアウト、SVGなど、様々な方法があります。これらの方法を組み合わせることで、より柔軟なレイアウトを実現できます。
ご自身のプロジェクトに合わせて、最適な方法を見つけてみてください。
- FlexboxやGridレイアウトは、CSSのレイアウトに関する知識が必要です。
aspect-ratio
プロパティは、まだ全てのブラウザでサポートされていないため、ポリフィルを使用する必要がある場合があります。
css image height