ReactJSアプリケーションにおける状態管理:Redux vs Flux

2024-04-02

ReactJSアプリケーションにおけるReduxとFluxの比較

アーキテクチャと実装

  • Flux:

    • アーキテクチャパターンであり、具体的な実装方法を定義していない。
    • 複数個のストアを持ち、それぞれが特定の部分状態を管理する。
    • Dispatcherと呼ばれるコンポーネントが、アクションを各ストアに伝達する。
    • 状態の変更はイベントとしてブロードキャストされ、コンポーネントはイベントを購読して更新を反映する。
  • Redux:

    • Fluxの思想に基づいたライブラリであり、具体的な実装を提供する。
    • 一つのストアを持ち、アプリケーション全体の状態を管理する。
    • Reducerと呼ばれる関数が、アクションに応じて状態を更新する。
    • 状態の変更はコンポーネントに直接通知され、コンポーネントは必要に応じて再レンダリングを行う。

主な違い

項目FluxRedux
アーキテクチャパターンライブラリ
ストア複数1つ
状態更新DispatcherReducer
状態通知イベント直接通知
デバッグツール独自開発Redux DevTools

どちらを選ぶべきか

    • 柔軟性が高く、複雑なアプリケーションに適している。
    • 学習曲線が比較的 steep で、実装に時間がかかる。
    • シンプルで理解しやすい。
    • 状態管理が容易で、デバッグがしやすい。
    • Redux DevToolsなどの強力なデバッグツールが利用可能。

まとめ

ReduxはFluxよりも簡潔で使いやすく、多くのReactJSアプリケーションで採用されています。しかし、複雑なアプリケーションではFluxの方が柔軟性が高く適している場合があります。どちらを選択するかは、アプリケーションの規模や複雑性、開発チームの経験などを考慮して決定する必要があります。




Flux

// Store
const TodoStore = {
  todos: [],

  addTodo(text) {
    this.todos.push({
      text,
      completed: false,
    });

    // 状態変更を通知
    this.emitChange();
  },

  toggleTodo(id) {
    this.todos[id].completed = !this.todos[id].completed;

    // 状態変更を通知
    this.emitChange();
  },

  // イベントリスナーの登録・解除
  ...EventEmitter.prototype,
};

// Action
const TodoActions = {
  addTodo(text) {
    Dispatcher.dispatch({
      type: 'ADD_TODO',
      text,
    });
  },

  toggleTodo(id) {
    Dispatcher.dispatch({
      type: 'TOGGLE_TODO',
      id,
    });
  },
};

// View
const TodoApp = React.createClass({
  getInitialState() {
    return {
      todos: TodoStore.todos,
    };
  },

  componentDidMount() {
    // 状態変更イベントのリスナー登録
    TodoStore.on('change', this.onChange);
  },

  componentWillUnmount() {
    // 状態変更イベントのリスナー解除
    TodoStore.removeListener('change', this.onChange);
  },

  onChange() {
    this.setState({
      todos: TodoStore.todos,
    });
  },

  render() {
    return (
      <div>
        <input type="text" ref="newTodo" />
        <button onClick={this.handleAddTodo}>Add Todo</button>
        <ul>
          {this.state.todos.map((todo, id) => (
            <li key={id}>
              {todo.text}
              <input type="checkbox" checked={todo.completed} onChange={this.handleToggleTodo.bind(this, id)} />
            </li>
          ))}
        </ul>
      </div>
    );
  },

  handleAddTodo() {
    const text = this.refs.newTodo.value;
    TodoActions.addTodo(text);
  },

  handleToggleTodo(id) {
    TodoActions.toggleTodo(id);
  },
});

// アプリケーションの起動
ReactDOM.render(<TodoApp />, document.getElementById('app'));

Redux

// Store
const store = createStore(reducer);

// Action
const actions = {
  addTodo(text) {
    return {
      type: 'ADD_TODO',
      text,
    };
  },

  toggleTodo(id) {
    return {
      type: 'TOGGLE_TODO',
      id,
    };
  },
};

// Reducer
function reducer(state = [], action) {
  switch (action.type) {
    case 'ADD_TODO':
      return [
        ...state,
        {
          text: action.text,
          completed: false,
        },
      ];
    case 'TOGGLE_TODO':
      return state.map((todo, id) => {
        if (id === action.id) {
          return {
            ...todo,
            completed: !todo.completed,
          };
        }
        return todo;
      });
    default:
      return state;
  }
}

// View
const TodoApp = React.createClass({
  render() {
    const todos = store.getState().todos;
    return (
      <div>
        <input type="text" ref="newTodo" />
        <button onClick={this.handleAddTodo}>Add Todo</button>
        <ul>
          {todos.map((todo, id) => (
            <li key={id}>
              {todo.text}
              <input type="checkbox" checked={todo.completed} onChange={this.handleToggleTodo.bind(this, id)} />
            </li>
          ))}
        </ul>
      </div>
    );
  },

  handleAddTodo() {
    const text = this.refs.newTodo.value;
    store.dispatch(actions.addTodo(text));
  },

  handleToggleTodo(id) {
    store.dispatch(actions.toggleTodo(id));
  },
});

// アプリケーションの起動
ReactDOM.render(<TodoApp />, document.getElementById('app'));

// Redux DevTools



他の方法

Flux

Alt

RefluxはFluxをベースにしたライブラリで、Reactとの統合に特化しています。コンポーネントとStore間のデータの流れを簡潔に記述することができます。

Redux

MobXは状態管理のためのライブラリで、Reduxと同様に一方向データフローを採用しています。しかし、Reduxとは異なり、状態を直接変更することができ、より直感的な操作が可能です。

ZustandはReduxと同様の機能を持つ軽量なライブラリです。ReduxよりもシンプルなAPIを持ち、小規模なアプリケーションに適しています。

Elmは関数型プログラミング言語で、副作用のない純粋なコードを書くことができます。状態管理はElm自身が行うため、複雑なアプリケーションでも簡単に状態管理を行うことができます。

Cycle.jsはReactと同様のUI構築ライブラリと、Elmのような関数型プログラミングを組み合わせたフレームワークです。状態管理はElmと同様にフレームワークが行うため、シンプルで分かりやすいコードを書くことができます。

どの方法を選ぶべきかは、アプリケーションの規模や複雑性、開発チームの経験などを考慮して決定する必要があります。

  • Alt: Fluxよりも軽量で使いやすい。
  • Reflux: Reactとの統合に特化している。
  • MobX: 状態を直接変更することができ、直感的な操作が可能。
  • Zustand: Reduxよりも軽量でシンプルなAPIを持つ。
  • Elm: 関数型プログラミングによる副作用のないコードを書くことができる。
  • Cycle.js: ElmとReactを組み合わせたフレームワーク。

ReactJSアプリケーションにおける状態管理には、様々な方法があります。それぞれの特徴を理解して、アプリケーションに合った方法を選択することが重要です。


javascript reactjs reactjs-flux


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