スプレッド構文とnew Set()を用いたJavaScript/TypeScript/EcmaScript 6における効率的なプログラミング

2024-07-27

JavaScript、TypeScript、EcmaScript 6におけるスプレッド構文と new Set() の使い方

このチュートリアルでは、JavaScript、TypeScript、EcmaScript 6におけるスプレッド構文と new Set() 関数の使用方法について解説します。スプレッド構文は、イテラブルオブジェクトを展開して、関数引数や配列リテラルの要素として使用できるようにする構文です。一方、new Set() 関数は、重複のない値のコレクションを表す Set オブジェクトを作成します。

スプレッド構文

スプレッド構文は、カンマ区切りの値リストを展開する演算子です。具体的には、以下の用途で使用できます。

  • オブジェクトリテラルとして使用して、複数のプロパティを一度に追加する
  • 配列リテラルとして使用して、複数の要素を一度に追加する
  • 関数引数として使用して、複数の引数を個別に渡す

例:

// 関数引数
function sum(x, y, z) {
  return x + y + z;
}

const numbers = [1, 2, 3];
console.log(sum(...numbers)); // 6 を出力

// 配列リテラル
const arr1 = [0, 1, 2];
const arr2 = [3, 4, 5];
const combined = [...arr1, ...arr2];
console.log(combined); // [0, 1, 2, 3, 4, 5] を出力

// オブジェクトリテラル
const user = {
  name: 'Taro',
  age: 30
};

const address = {
  city: 'Tokyo',
  country: 'Japan'
};

const profile = { ...user, ...address };
console.log(profile); // { name: 'Taro', age: 30, city: 'Tokyo', country: 'Japan' } を出力

new Set() 関数

new Set() 関数は、重複のない値のコレクションを表す Set オブジェクトを作成します。Set オブジェクトは、以下の操作に使用できます。

  • セット内のすべての値を反復処理する (forEach メソッド)
  • 値が存在するかどうかを確認する (has メソッド)
  • 値を削除する (delete メソッド)
  • 値を追加する (add メソッド)
const mySet = new Set([1, 2, 3, 1]);
console.log(mySet.size); // 3 を出力 (重複は除外される)

mySet.add(4);
console.log(mySet.size); // 4 を出力

mySet.delete(2);
console.log(mySet.size); // 3 を出力

console.log(mySet.has(1)); // true を出力
console.log(mySet.has(5)); // false を出力

mySet.forEach(value => console.log(value)); // 1, 3, 4 を出力

スプレッド構文と new Set() の組み合わせ

スプレッド構文と new Set() を組み合わせることで、イテラブルオブジェクトから重複のない値のコレクションを簡単に作成できます。

const numbers = [1, 3, 2, 1, 4, 5];
const uniqueNumbers = new Set(numbers);
console.log(uniqueNumbers); // {1, 3, 2, 4, 5} を出力

この例では、スプレッド構文を使用して numbers 配列の要素を new Set() コンストラクタに渡しています。これにより、重複のない値のコレクションである uniqueNumbers Set オブジェクトが作成されます。

スプレッド構文と new Set() 関数は、JavaScript、TypeScript、EcmaScript 6における強力なツールです。これらのツールを組み合わせることで、イテラブルオブジェクトを操作し、重複のない値のコレクションを効率的に作成することができます。

  • TypeScript では、Set オブジェクトの型を指定することができます。
  • スプレッド構文と new Set() 関数は、ES6以降で使用できます。



この例では、2つの配列を結合し、重複する要素を削除する方法を示します。

const numbers1 = [1, 2, 3, 1];
const numbers2 = [4, 3, 5, 6];

const combinedNumbers = [...new Set(numbers1.concat(numbers2))];
console.log(combinedNumbers); // [1, 2, 3, 4, 5, 6] を出力

例 2: オブジェクトからプロパティを抽出して新しいオブジェクトを作成する

この例では、オブジェクトからプロパティを抽出して、新しいオブジェクトを作成する方法を示します。

const user = {
  name: 'Taro',
  age: 30,
  city: 'Tokyo'
};

const job = {
  title: 'Software Engineer',
  company: 'Google'
};

const profile = { ...user, ...job, skills: ['JavaScript', 'TypeScript'] };
console.log(profile); 
// { name: 'Taro', age: 30, city: 'Tokyo', title: 'Software Engineer', company: 'Google', skills: ['JavaScript', 'TypeScript'] }

例 3: 文字列から重複する文字を削除する

この例では、文字列から重複する文字を削除する方法を示します。

const str = 'Hello,JavaScript!';

const uniqueChars = [...new Set(str)];
console.log(uniqueChars.join('')); // 'HeloJaScrpt!' を出力

例 4: 配列の要素を Set に変換して、特定の値が存在するかどうかを確認する

const numbers = [1, 2, 3, 4, 5];

const numberSet = new Set(numbers);
console.log(numberSet.has(3)); // true を出力
console.log(numberSet.has(6)); // false を出力

例 5: 2つの Set オブジェクトを結合して、新しい Set オブジェクトを作成する

const set1 = new Set([1, 2, 3]);
const set2 = new Set([4, 5, 6]);

const combinedSet = new Set([...set1, ...set2]);
console.log(combinedSet); // {1, 2, 3, 4, 5, 6} を出力



スプレッド構文と new Set() を使用しない代替方法

スプレッド構文と new Set() は、JavaScript、TypeScript、EcmaScript 6における便利なツールですが、常に最適な方法とは限りません。状況によっては、以下の代替方法の方が適切な場合があります。

for ループ

重複を削除して配列を結合するには、for ループを使用して各要素を個別に処理することができます。

const numbers1 = [1, 2, 3, 1];
const numbers2 = [4, 3, 5, 6];

const combinedNumbers = [];
for (const number of numbers1.concat(numbers2)) {
  if (!combinedNumbers.includes(number)) {
    combinedNumbers.push(number);
  }
}
console.log(combinedNumbers); // [1, 2, 3, 4, 5, 6] を出力

オブジェクトのキーと値のペアを処理する

オブジェクトからプロパティを抽出して新しいオブジェクトを作成するには、オブジェクトのキーと値のペアを処理する従来のループを使用することができます。

const user = {
  name: 'Taro',
  age: 30,
  city: 'Tokyo'
};

const job = {
  title: 'Software Engineer',
  company: 'Google'
};

const profile = {};
for (const key in user) {
  profile[key] = user[key];
}
for (const key in job) {
  if (!profile.hasOwnProperty(key)) {
    profile[key] = job[key];
  }
}
profile.skills = ['JavaScript', 'TypeScript'];
console.log(profile); 
// { name: 'Taro', age: 30, city: 'Tokyo', title: 'Software Engineer', company: 'Google', skills: ['JavaScript', 'TypeScript'] }

正規表現

文字列から重複する文字を削除するには、正規表現を使用して一致する文字を置き換えることができます。

const str = 'Hello,JavaScript!';

const uniqueChars = str.replace(/(\w)\重复/g, '$1');
console.log(uniqueChars); // 'HeloJaScrpt!' を出力

Array.prototype.filter() メソッド

配列の要素を Set に変換して、特定の値が存在するかどうかを確認するには、Array.prototype.filter() メソッドを使用して、条件に一致する要素を新しい配列に抽出することができます。

const numbers = [1, 2, 3, 4, 5];

const numberSet = numbers.filter(value => numbers.indexOf(value) === numbers.lastIndexOf(value));
console.log(numberSet); // [1, 2, 3, 4, 5] を出力

2つの Set オブジェクトを結合して新しい Set オブジェクトを作成するには、Array.prototype.reduce() メソッドを使用して、各 Set の要素を新しい Set に追加することができます。

const set1 = new Set([1, 2, 3]);
const set2 = new Set([4, 5, 6]);

const combinedSet = [...set1, ...set2].reduce((acc, value) => {
  acc.add(value);
  return acc;
}, new Set());
console.log(combinedSet); // {1, 2, 3, 4, 5, 6} を出力

これらの代替方法は、必ずしもスプレッド構文と new Set() 関数よりも優れているわけではありません。状況に応じて、最適な方法を選択することが重要です。

  • 読みやすさ: コードの読みやすさは、特に他の開発者がコードを理解する必要がある場合に重要です。スプレッド構文と new Set() 関数は、簡潔で分かりやすいコードを作成できる場合がありますが、常にそうとは限りません。
  • パフォーマンス: スプレッド構文と new Set() 関数は、比較的新しい機能であり、古いブラウザではサポートされていない場合があります。パフォーマンスが重要な場合は、代替方法の方が効率的な場合があります。

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