ES8 async/awaitとストリームの連携

2024-10-21

JavaScriptにおけるES8 async/awaitとストリームの活用

ES8で導入されたasyncawaitキーワードは、非同期操作を同期的なコードのように記述できる便利な機能です。この機能をストリーム処理に活用することで、より直感的かつ効率的なコードを書くことができます。

ストリームとは?

ストリームは、データのシーケンスを逐次的に処理するための抽象化です。ファイルやネットワーク接続などのデータソースから読み込んだデータを、ブロック単位で処理することができます。

async/awaitとストリームの組み合わせ

  1. ストリームの読み込み

    • fs.createReadStream()などの関数を使用してストリームを作成します。
    const fs = require('fs');
    
    const readableStream = fs.createReadStream('myFile.txt');
    
  2. ストリームの処理

    • readableStream.on('data', chunk => { ... })などのイベントリスナーを使用して、ストリームからデータを読み込みます。
    • async関数内でawaitを使用して、非同期操作を同期的に処理します。
    const asyncProcessData = async (chunk) => {
        // ここに非同期処理を記述
        const result = await someAsyncOperation(chunk);
        return result;
    };
    
    readableStream.on('data', async (chunk) => {
        const result = await asyncProcessData(chunk);
        console.log(result);
    });
    

例: ストリームからファイルを圧縮する

const fs = require('fs');
const zlib = require('zlib');

const readableStream = fs.createReadStream('myFile.txt');
const gzip = zlib.createGzip();
const writableStream = fs.createWriteStream('myFile.txt.gz');

readableStream.pipe(gzip).pipe(writableStream);

ポイント

  • ストリームのパイプラインを活用することで、複数の処理を連結して効率的に実行できます。
  • ストリームは非同期操作であるため、async/awaitと組み合わせると自然な流れで処理できます。
  • async/awaitを使用することで、ストリームの処理をより読みやすく、理解しやすいコードにできます。

注意

  • ストリームのバックプレッシャーを考慮し、過負荷を防ぐための対策が必要です。
  • ストリームの処理は非同期であるため、適切なエラー処理が必要です。



ES8 async/awaitとストリームの連携:コード解説

コード例1:ファイルの読み込みと処理

const fs = require('fs');

const asyncProcessData = async (chunk) => {
    // ここに非同期処理を記述
    const result = await someAsyncOperation(chunk);
    return result;
};

const readableStream = fs.createReadStream('myFile.txt');

readableStream.on('data', async (chunk) => {
    const result = await asyncProcessData(chunk);
    console.log(result);
});

解説

  • asyncProcessData() を呼び出し、await で結果を待つ
    各チャンクに対して非同期処理を行い、その結果を console.log() で出力します。
  • readableStream.on('data', ...)
    ストリームからデータが読み込まれるたびに実行されるイベントリスナーです。
  • asyncProcessData()
    各チャンクに対して行う非同期処理を定義します。await キーワードを使って、someAsyncOperation() の結果を待ちます。
  • fs.createReadStream()
    ファイル myFile.txt から読み込むストリームを作成します。

コード例2:ファイルの圧縮

const fs = require('fs');
const zlib = require('zlib');

const readableStream = fs.createReadStream('myFile.txt');
const gzip = zlib.createGzip();
const writableStream = fs.createWriteStream('myFile.txt.gz');

readableStream.pipe(gzip).pipe(writableStream);
  • pipe() メソッド
    ストリームを連結し、データのフローを作成します。
  • fs.createWriteStream()
    圧縮後のファイルを書き込むストリームを作成します。
  • zlib.createGzip()
    Gzip 圧縮を行うストリームを作成します。

async/await を直接使用していない理由

この例では、async/await を明示的に使用していませんが、pipe() メソッドは内部的に非同期処理を行っています。pipe() は、データが読み込まれるたびに自動的に次のストリームに渡すため、on('data') イベントリスナーを個別に設定する必要がありません。

コード例1と2の違い

  • コード例2
    ストリームを連結し、一連の処理をパイプラインとして実行する。
  • コード例1
    各チャンクごとに非同期処理を行い、その結果を個別に処理する。

どちらのコードを使用するべきか

  • 複数の処理を連続して実行したい場合
    コード例2
  • 個々のチャンクに対して異なる処理を行いたい場合
    コード例1

async/await を使用することで、ストリーム処理をより同期的なコードのように記述でき、可読性を向上させることができます。また、pipe() メソッドを活用することで、複数のストリームを連結し、複雑な処理を簡潔に表現することができます。

  • pipe() メソッドは強力なツールですが、誤った使い方をすると予期せぬ結果になる可能性があります。
  • ストリームは非同期なため、エラー処理やバックプレッシャー対策を適切に行う必要があります。
  • async/await は Promise をベースとしているため、非同期処理を扱う際には Promise について理解しておくことが重要です。

これらのポイントを踏まえ、async/await とストリームを効果的に活用することで、より効率的で可読性の高い JavaScript コードを作成することができます。

さらに詳しく知りたい場合は、以下のキーワードで検索してみてください

  • Promise
  • バックプレッシャー
  • pipe
  • async/await
  • Node.js ストリーム



コールバック関数

async/awaitが登場する以前から使用されてきた伝統的な方法です。

readableStream.on('data', (chunk) => {
    // ここに処理を記述
    someAsyncOperation(chunk, (err, result) => {
        if (err) {
            // エラー処理
        } else {
            console.log(result);
        }
    });
});

メリット

  • 長く使われているため、多くのライブラリがコールバック方式に対応している
  • シンプルで理解しやすい
  • エラー処理が煩雑になる
  • ネストが深くなりやすく、コードが複雑になりがち

async/awaitの基盤となる技術です。

readableStream.on('data', (chunk) => {
    someAsyncOperation(chunk)
        .then(result => {
            console.log(result);
        })
        .catch(err => {
            // エラー処理
        });
});
  • コールバック関数よりも少し読みやすい
  • async/await の基礎となるため、理解しておくと良い
  • .then().catch() が連鎖すると、コードが長くなる場合がある

Generator関数

async/await と似たような非同期処理の書き方ができますが、少し複雑です。

function* processData() {
    const readableStream = fs.createReadStream('myFile.txt');
    for await (const chunk of readableStream) {
        const result = yield someAsyncOperation(chunk);
        console.log(result);
    }
}

const iterator = processData();
iterator.next();
  • より細かい制御が可能
  • async/await と似たような書き方ができる
  • async/await が主流のため、あまり使用されない
  • 理解が少し難しい

RxJS

リアクティブプログラミングのライブラリで、ストリーム処理を強力にサポートします。

const { from } = require('rxjs');
const { map } = require('rxjs/operators');

from(readableStream)
    .pipe(
        map(chunk => someAsyncOperation(chunk))
    )
    .subscribe(result => console.log(result));
  • 大規模なアプリケーションで威力を発揮する
  • 非同期処理を直感的に表現できる
  • ストリーム処理に特化しており、非常に強力な機能を提供する
  • 小規模なプロジェクトではオーバースペックになる場合がある
  • 学習コストが高い

どの方法を選ぶかは、プロジェクトの規模、チームのスキル、個人的な好みによって異なります。

  • 大規模で複雑なストリーム処理
    RxJS
  • より細かい制御が必要
    Generator関数
  • async/await の基礎を学びたい
    Promise
  • シンプルな処理
    コールバック関数

async/await は、現代のJavaScriptにおいて最も一般的な非同期処理の方法であり、ストリーム処理においても非常に強力なツールです。しかし、他の方法にもそれぞれメリットがありますので、状況に合わせて適切な方法を選択することが重要です。

重要なポイント

  • 可読性
    コードの可読性を高めるために、適切な命名規則やコメントを使用しましょう。
  • パフォーマンス
    大量のデータを処理する場合、パフォーマンスに影響が出る可能性があります。
  • エラー処理
    どの方法でも、エラー処理はしっかりと行う必要があります。

javascript node.js async-await



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