関数型プログラミング (FP) パラダイムによる不変性の高いコードの書き方

2024-07-27

JavaScriptにおける不変性の重要性

ここでは、JavaScriptにおける不変性の重要性について、以下の3つの観点から解説します。

コードの理解と保守性を向上させる

不変性の高いコードは、状態の変化が少なく、その結果、コードの流れを理解しやすくなります。また、意図しない変数変更によるバグを防ぐことができ、コードの保守性を向上させることができます。

パフォーマンスの向上

不変性の高いコードは、オブジェクトのコピーや更新を減らすことができるため、パフォーマンスの向上につながります。

テストの簡潔化

不変性の高いコードは、テストケースを簡潔にすることができます。なぜなら、入力パラメータが同じであれば、常に同じ出力結果が得られるからです。

ReactJSにおける不変性の重要性

ReactJSは、コンポーネントの状態を管理するために、propsstateという2つの概念を使用します。

  • propsは、親コンポーネントから子コンポーネントへと渡されるデータであり、不変である必要があります。
  • stateは、コンポーネント自身の状態を表すデータであり、変更可能です。

しかし、stateを頻繁に変更すると、コードが複雑になり、理解しにくくなります。そこで、ReactJSでは、stateの変更を最小限に抑えるために、不変性の高いコードを書くことを推奨しています。

不変性の高いコードを書くための方法

以下は、JavaScriptで不変性の高いコードを書くためのいくつかの方法です。

  • constキーワードを使って、定数を宣言する。
  • letキーワードを使って、ブロックスコープ変数を宣言する。
  • オブジェクトのコピーを作成する際には、Object.assignspread構文を使用する。
  • 配列のコピーを作成する際には、slicespread構文を使用する。
  • 関数は、副作用を起こさない純粋関数にする。



const PI = 3.14;

// PI の値を変更することはできない
PI = 3.15; // エラーが発生する
for (let i = 0; i < 10; i++) {
  console.log(i);
}

// ループの外側で i を使用することはできない
console.log(i); // エラーが発生する
const originalObject = {
  name: "John Doe",
  age: 30,
};

const copiedObject = Object.assign({}, originalObject);

// copiedObject は originalObject のコピーであり、独立したオブジェクトである
copiedObject.name = "Jane Doe";

console.log(originalObject.name); // "John Doe"
console.log(copiedObject.name); // "Jane Doe"
const originalArray = [1, 2, 3];

const copiedArray = originalArray.slice();

// copiedArray は originalArray のコピーであり、独立したオブジェクトである
copiedArray[0] = 4;

console.log(originalArray[0]); // 1
console.log(copiedArray[0]); // 4
function add(a, b) {
  return a + b;
}

// add 関数は副作用を起こさない
const result1 = add(1, 2);
const result2 = add(1, 2);

console.log(result1 === result2); // true



Immutable.jsは、JavaScriptで不変性の高いデータ構造を扱うためのライブラリです。Immutable.jsを使用することで、オブジェクトや配列のコピーを作成したり、不変性の高いデータ構造を操作したりすることが容易になります。

フリーズ (freeze) メソッドの使用

Object.freezeメソッドは、オブジェクトを不変にするためのメソッドです。Object.freezeメソッドでオブジェクトをフリーズすると、そのオブジェクトのプロパティを追加したり、変更したりすることができなくなります。


javascript reactjs functional-programming



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