Reactで状態を管理する:RxJS、Redux、Context、MobX、Zustand、Recoil、カスタムフックの比較

2024-05-23

React における RxJS と Redux/Context の比較:コンポーネントとハンドラメソッドにおける状態管理とアクセス

Reactアプリケーションにおいて、コンポーネント間で状態を共有し、ハンドラメソッドから状態にアクセスすることは重要な課題です。状態管理には様々なアプローチがありますが、RxJSとRedux/Contextはよく利用される2つの選択肢です。この記事では、それぞれの仕組みと利点・欠点、そして使い分けについて分かりやすく解説します。

RxJSはReactiveXと呼ばれるライブラリに基づいた、非同期データストリーム処理のためのライブラリです。状態管理においては、Observableと呼ばれるデータストリームを用いて状態の変化を通知します。コンポーネントはObserverと呼ばれる購読者としてObservableを購読し、状態の変化を監視することができます。

利点

  • シンプルで理解しやすい
  • 非同期処理に適している
  • 柔軟性が高い

欠点

  • 複雑な状態管理には向いていない
  • デバッグが難しい

Reduxは単一方向データフローアーキテクチャに基づいた、集中型状態管理ライブラリです。Storeと呼ばれる中央ストアに状態を保持し、Actionと呼ばれるイベントによって状態を更新します。コンポーネントはStoreに接続することで状態にアクセスし、Dispatchと呼ばれる関数を用いてActionを発行することができます。

  • 予測可能な状態変化
  • タイムトラベル機能
  • 複雑で習得に時間がかかる
  • 過剰な設定が必要になる場合がある

ContextはReact v16.8で導入された、コンポーネント間で共有変数を簡単に共有するためのAPIです。Providerと呼ばれるコンポーネントで共有変数を定義し、Consumerと呼ばれるコンポーネントで共有変数にアクセスすることができます。

  • シンプルで軽量
  • 導入が簡単
  • グローバルスコープのため、誤って状態を書き換えてしまう可能性がある
  • テストが難しい

使い分け

  • シンプルで非同期処理が多い場合はRxJS
  • 複雑な状態管理が必要で、予測可能性とデバッグ性を重視する場合はRedux
  • 軽微な共有変数の共有にはContext

RxJS、Redux、Contextはそれぞれ異なる利点と欠点を持つため、状況に合わせて適切なものを選択することが重要です。それぞれの仕組みを理解し、アプリケーションの要件に合わせて最適なツールを選びましょう。

    上記に加え、MobXや Zustand などの他の状態管理ライブラリも検討することができます。それぞれのライブラリの特徴を比較し、最適なものを選択しましょう。




    RxJS を使用した状態管理

    import React, { useState, useEffect } from 'react';
    import { Observable, of } from 'rxjs';
    import { map } from 'rxjs/operators';
    
    const initialState = { count: 0 };
    
    const store = Observable.of(initialState);
    
    const Counter = () => {
      const [count, setCount] = useState(0);
    
      useEffect(() => {
        const subscription = store.subscribe((state) => setCount(state.count));
        return () => subscription.unsubscribe();
      }, []);
    
      const increment = () => {
        store.next({ count: count + 1 });
      };
    
      return (
        <div>
          <p>Count: {count}</p>
          <button onClick={increment}>Increment</button>
        </div>
      );
    };
    
    export default Counter;
    

    Redux を使用した状態管理

    import React from 'react';
    import { createStore } from 'redux';
    
    const initialState = { count: 0 };
    
    const reducer = (state = initialState, action) => {
      switch (action.type) {
        case 'INCREMENT':
          return { count: state.count + 1 };
        default:
          return state;
      }
    };
    
    const store = createStore(reducer);
    
    const Counter = () => {
      const count = useSelector((state) => state.count);
      const dispatch = useDispatch();
    
      const increment = () => {
        dispatch({ type: 'INCREMENT' });
      };
    
      return (
        <div>
          <p>Count: {count}</p>
          <button onClick={increment}>Increment</button>
        </div>
      );
    };
    
    export default Counter;
    

    Context を使用した状態管理

    import React, { useState, createContext } from 'react';
    
    const CountContext = createContext({ count: 0, increment: () => {} });
    
    const CounterProvider = ({ children }) => {
      const [count, setCount] = useState(0);
    
      const increment = () => {
        setCount(count + 1);
      };
    
      return (
        <CountContext.Provider value={{ count, increment }}>
          {children}
        </CountContext.Provider>
      );
    };
    
    const Counter = () => {
      const { count, increment } = useContext(CountContext);
    
      return (
        <div>
          <p>Count: {count}</p>
          <button onClick={increment}>Increment</button>
        </div>
      );
    };
    
    export default function App() {
      return (
        <CounterProvider>
          <Counter />
        </CounterProvider>
      );
    }
    

    上記のサンプルコードは、それぞれ異なる方法でコンポーネント間で状態を共有する方法を示しています。

    • RxJS: Observableを使用して状態をストリームとして公開し、コンポーネントはObserverとして購読して状態の変化を監視します。

    これらのサンプルコードはあくまで基本的な例であり、実際のアプリケーションではより複雑な状態管理を行う必要が生じる可能性があります。

    補足

    • 実際のアプリケーションでは、コンポーネントの再レンダリングを最適化するために、React Hooks (useState, useSelector, useDispatch) や Redux Thunks などのツールを使用することがあります。
    • 状態管理ライブラリの選択は、アプリケーションの要件や開発者の好みによって異なります。



    Reactにおける状態管理:その他の方法

    MobXは、状態管理を簡素化するためのライブラリです。オブザーバブルベースのアプローチを採用しており、自動的に状態の変化を検出してコンポーネントを更新します。MobXは、特に複雑な状態管理が必要な場合に役立ちます。

    例:

    import React from 'react';
    import { observable, action } from 'mobx';
    
    class CounterStore {
      @observable count = 0;
    
      @action increment() {
        this.count++;
      }
    }
    
    const store = new CounterStore();
    
    const Counter = () => {
      return (
        <div>
          <p>Count: {store.count}</p>
          <button onClick={store.increment}>Increment</button>
        </div>
      );
    };
    
    export default Counter;
    

    Zustandは、MobXと同様のオブザーバブルベースのアプローチを採用した、軽量な状態管理ライブラリです。MobXよりもシンプルで使いやすいのが特徴です。

    import React from 'react';
    import { createStore, useStore } from 'zustand';
    
    const store = createStore(set => ({
      count: 0,
      increment: () => set(state => ({ count: state.count + 1 })),
    }));
    
    const Counter = () => {
      const { count, increment } = useStore(store);
    
      return (
        <div>
          <p>Count: {count}</p>
          <button onClick={increment}>Increment</button>
        </div>
      );
    };
    
    export default Counter;
    

    Recoilは、Facebookが開発した、Reactにおける状態管理のための公式ライブラリです。原子と呼ばれる小さな状態単位を管理し、それらを組み合わせることで複雑な状態を表現することができます。Recoilは、学習曲線が少し険しいですが、強力で柔軟な状態管理を実現できます。

    import React from 'react';
    import { atom, useRecoilState } from 'recoil';
    
    const countState = atom({
      key: 'count',
      default: 0,
    });
    
    const Counter = () => {
      const [count, setCount] = useRecoilState(countState);
    
      return (
        <div>
          <p>Count: {count}</p>
          <button onClick={() => setCount(count + 1)}>Increment</button>
        </div>
      );
    };
    
    export default Counter;
    

    カスタムフック

    React Hooksを使用して、独自の状態管理ロジックを実装することもできます。これは、シンプルな状態管理であれば有効な方法ですが、複雑な状態管理になると難しくなる可能性があります。

    import React, { useState } from 'react';
    
    const useCounter = () => {
      const [count, setCount] = useState(0);
    
      const increment = () => {
        setCount(count + 1);
      };
    
      return { count, increment };
    };
    
    const Counter = () => {
      const { count, increment } = useCounter();
    
      return (
        <div>
          <p>Count: {count}</p>
          <button onClick={increment}>Increment</button>
        </div>
      );
    };
    
    export default Counter;
    

    Reactアプリケーションで状態を管理するには、様々な方法があります。それぞれの方法には長所と短所があるため、アプリケーションの要件や開発者の好みによって最適な方法を選択することが重要です。

    その他の考慮事項

    • パフォーマンス: 状態管理ライブラリによっては、パフォーマンスに影響を与える可能性があります。特に、複雑なアプリケーションの場合は、パフォーマンスを考慮してライブラリを選択する必要があります。
    • チームコラボレーション: チームで開発を行う場合は、チームメンバーがどの状態管理ライブラリに慣れているかを考慮する必要があります。
    • テスト: 状態管理ライブラリによっては、テストが難しい場合があります。テストのしやすさも、ライブラリを選択する際の考慮事項の一つです。

    これらの点を踏まえ、それぞれの方法を理解し、状況に合わせて適切な状態管理方法


    javascript reactjs redux


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