SCSS/CSSでファイル名に「_」や「__」をつけるのはなぜ? プライベートメンバーの定義とメリット・デメリット
SCSS/CSS ファイル名に "_" または "__" を先頭につける理由
詳細な説明
- "__" で始まるメンバー
プライベートメンバーの中でもさらに 特別なプライベートメンバー を定義できます。 特別なプライベートメンバーは、そのファイルをインポートした他のファイル内でも 名前の衝突を起こさずに 使用できます。 ただし、意図せずに使用してしまう可能性が高いため、慎重に使用する必要があります。 - "_" で始まるメンバー
プライベートメンバーの中でさらに 非公開メンバー を定義できます。 非公開メンバーは、そのファイル内でも@import
ディレクティブを使用してインポートした場合でも参照できません。
例
// _private.scss
$_private-variable: 10px;
.private-class {
color: blue;
}
// main.scss
@import "_private.scss";
.public-class {
font-size: 16px;
}
// 非公開メンバーは main.scss から参照できません:
.private-class {
/* ... */
}
// 特別なプライベートメンバーは main.scss から参照できますが、意図せずに使用してしまう可能性があります:
.public-class {
width: $_private-variable;
}
- SCSS だけでなく、CSS でも "_" や "__" を使ってプライベートメンバーを定義できます。
@use
ディレクティブを使用する場合は、ファイル名の "_" や "__" は考慮されません。 メンバーがプライベートかどうかは、@use
ディレクティブ内でのみ定義されます。
メリット
- 意図しないスタイルの適用を防ぐことができます。
- コードをより読みやすく、理解しやすくすることができます。
- 名前空間の衝突を回避し、コードのモジュール性を向上させることができます。
- "_" や "__" の使い方を誤ると、予期しない動作を引き起こす可能性があります。
- プライベートメンバーは他のファイルからは参照できないため、コードの再利用が難しくなる場合があります。
// プライベート変数
$_private-variable: 10px;
// プライベートクラス
.private-class {
color: blue;
}
main.scss
// `_private.scss` をインポート
@import "_private.scss";
// 公開クラス
.public-class {
font-size: 16px;
}
// 非公開メンバーは参照できません
.private-class {
/* ... */
}
// 特別なプライベートメンバーは参照できますが、意図せずに使用してしまう可能性があります
.public-class {
width: $_private-variable;
}
説明
_private.scss
ファイルには、$_private-variable
というプライベート変数と、.private-class
というプライベートクラスが定義されています。main.scss
ファイルでは、@import
ディレクティブを使用して_private.scss
ファイルをインポートします。main.scss
ファイルには、.public-class
という公開クラスが定義されています。.private-class
はプライベートクラスなので、main.scss
ファイルからは直接参照できません。$_private-variable
はプライベート変数なので、main.scss
ファイルからは直接参照できません。 しかし、@import
ディレクティブを使用してインポートしたファイル内では使用できます。 ただし、意図せずに使用してしまう可能性が高いため、慎重に使用する必要があります。
ネストルールを使う
ネストルールを使用すると、プライベートメンバーを他のセレクタの中にカプセル化することができます。
.container {
/* 公開セレクタ */
.public-class {
color: red;
}
/* プライベートセレクタ */
&_private {
color: blue;
}
}
この例では、.container&_private
は .container
セレクタのプライベートメンバーとなります。 これは、.container
セレクタの子要素のみを対象とするため、他のセレクタから影響を受けません。
カスタムプロパティを使う
CSS カスタムプロパティを使用すると、プライベート変数を定義することができます。
:root {
--private-variable: 10px;
}
.container {
/* 公開クラス */
.public-class {
font-size: 16px;
}
/* プライベートクラス */
.private-class {
color: var(--private-variable);
}
}
この例では、--private-variable
は CSS カスタムプロパティであり、プライベート変数として使用できます。 .private-class
は var(--private-variable)
を使用してこの変数の値を参照します。
Sass ミックスインを使う
Sass ミックスインを使用すると、プライベートな CSS ルールセットを定義することができます。
// _private.scss
@mixin private-mixin {
color: blue;
}
// main.scss
.container {
/* 公開クラス */
.public-class {
font-size: 16px;
}
/* プライベートクラス */
.private-class {
@include private-mixin;
}
}
この例では、private-mixin
は Sass ミックスインであり、プライベートな CSS ルールセットを定義します。 .private-class
は @include private-mixin
を使用してこのミックスインを呼び出し、プライベートな CSS ルールを適用します。
どの方法を選択するべきか?
どの方法を選択するかは、状況によって異なります。
- より多くの制御が必要な場合は、ネストルール、カスタムプロパティ、または Sass ミックスインを使用する ことを検討してください。
- シンプルさを重視する場合は、ファイル名の "_" または "__" を使用する のがおすすめです。
css import sass