jQuery AJAX リクエストのキャンセル
jQueryのAJAXリクエストのキャンセル/中止について
jQueryのAJAXリクエストは、$.ajax()
関数やショートカットメソッド($.get()
, $.post()
など)を使って非同期的に実行されます。これらのリクエストは、特定の条件下でキャンセルすることが可能です。
キャンセル方法
-
$.ajax()のabort()メソッド
$.ajax()
関数でリクエストを開始した後、返されるjQueryオブジェクトのabort()
メソッドを呼び出すことでリクエストをキャンセルできます。
var request = $.ajax({ url: "your_url", type: "GET", success: function(data) { // 成功時の処理 }, error: function(xhr, status, error) { // エラー時の処理 } }); // 後からリクエストをキャンセル request.abort();
-
グローバルイベントハンドラ
- jQueryのグローバルイベントハンドラである
$.ajaxStart()
,$.ajaxStop()
,$.ajaxComplete()
を使用して、すべてのAJAXリクエストの開始、終了、完了を監視し、必要に応じてキャンセルできます。
$(document).ajaxStart(function() { // AJAXリクエストが開始されたときに実行される }).ajaxStop(function() { // すべてのAJAXリクエストが終了したときに実行される }).ajaxComplete(function(event, xhr, settings) { // すべてのAJAXリクエストが完了したときに実行される if (/* キャンセル条件 */) { xhr.abort(); } });
- jQueryのグローバルイベントハンドラである
キャンセル条件の例
-
カスタム条件
-
ユーザーアクション
- ボタンクリックやフォーム送信などのユーザーアクションに応じて、リクエストをキャンセルできます。
$("#cancel-button").click(function() { request.abort(); });
-
タイムアウト
$.ajax()
のtimeout
オプションを使用して、リクエストのタイムアウトを設定し、タイムアウトが発生した場合にキャンセルできます。
$.ajax({ url: "your_url", timeout: 5000, // 5秒後にタイムアウト // ... });
注意
- キャンセルされたリクエストは、エラー処理のコールバック関数で処理されます。
- リクエストがすでに完了している場合、
abort()
メソッドは効果がありません。
$.ajax()のabort()メソッドによるキャンセル
var request = $.ajax({
url: "your_url",
type: "GET",
success: function(data) {
// 成功時の処理
},
error: function(xhr, status, error) {
// エラー時の処理
}
});
// 後からリクエストをキャンセル
request.abort();
- 解説
$.ajax()
でリクエストを開始し、その結果をrequest
変数に格納します。request.abort()
を呼び出すことで、いつでもリクエストをキャンセルできます。- キャンセルされた場合は、
error
コールバック関数が呼び出され、status
に"abort"が設定されます。
グローバルイベントハンドラによるキャンセル
$(document).ajaxStart(function() {
// AJAXリクエストが開始されたときに実行される
}).ajaxStop(function() {
// すべてのAJAXリクエストが終了したときに実行される
}).ajaxComplete(function(event, xhr, settings) {
// すべてのAJAXリクエストが完了したときに実行される
if (/* キャンセル条件 */) {
xhr.abort();
}
});
- 解説
ajaxStart
,ajaxStop
,ajaxComplete
は、すべてのAJAXリクエストの開始、終了、完了を監視するグローバルイベントハンドラです。ajaxComplete
内で、特定の条件(例えば、リクエストが長時間かかっているなど)を満たした場合にxhr.abort()
を呼び出してキャンセルします。
タイムアウトによるキャンセル
$.ajax({
url: "your_url",
timeout: 5000, // 5秒後にタイムアウト
// ...
});
- 解説
timeout
オプションで、リクエストのタイムアウト時間を設定します。- タイムアウトが発生すると、自動的にリクエストがキャンセルされ、
error
コールバック関数が呼び出されます。
ユーザーアクションによるキャンセル
$("#cancel-button").click(function() {
request.abort();
});
- 解説
- 複数のリクエスト
複数のリクエストを同時に実行している場合、それぞれのリクエストに対して個別にabort()
メソッドを呼び出す必要があります。 - エラー処理
キャンセルされたリクエストは、通常、エラーとして扱われます。error
コールバック関数で適切な処理を行うようにしましょう。 - リクエストの状態
abort()
メソッドは、リクエストがすでに送信されている場合でも呼び出すことができます。ただし、サーバー側で処理が開始されている場合は、キャンセルできてもすぐに処理が停止するとは限りません。
jQueryのAJAXリクエストは、abort()
メソッドやグローバルイベントハンドラを利用することで、さまざまな条件下でキャンセルすることができます。キャンセルするタイミングや条件は、アプリケーションの要件に合わせて適切に設定しましょう。
より詳細な解説
- XMLHttpRequest
jqXHRオブジェクトは、XMLHttpRequestオブジェクトをラップしています。XMLHttpRequestオブジェクトには、より低レベルなAPIが提供されています。 - readyState
jqXHRオブジェクトのreadyState
プロパティは、リクエストの状態を表します。0から4までの数値で、0は未送信、4は完了を表します。 - jqXHRオブジェクト
$.ajax()
は、jqXHRオブジェクトを返します。このオブジェクトには、リクエストの状態やヘッダー情報など、様々なプロパティとメソッドが含まれています。
より高度な使い方
- Fetch API
最新のブラウザでは、Fetch APIが利用できます。Fetch APIは、XMLHttpRequestよりも強力で柔軟なAPIです。 - Promise
jQuery 3以降では、$.ajax()
はPromiseを返すようになりました。Promiseを利用することで、非同期処理をより直感的に記述できます。
具体的なユースケース
- タイマー
一定時間内にレスポンスが返らない場合に、リクエストをキャンセルする場合。 - 検索
検索条件を変更した際に、前の検索リクエストをキャンセルし、新しい検索を実行する場合。 - ファイルアップロード
大量のファイルをアップロードしている途中で、ユーザーがキャンセルした場合。
jQuery以外の方法
jQuery以外にも、AJAXリクエストを扱うためのライブラリやAPIは多数存在します。これらのライブラリでは、jQueryと同様、または異なる方法でリクエストのキャンセルを行うことができます。
Fetch API
- AbortController
AbortControllerインターフェースを利用して、リクエストをキャンセルします。 - Promiseの利用
Promiseを返すため、非同期処理をより直感的に記述できます。 - ブラウザのネイティブAPI
XMLHttpRequestの代替として、よりモダンなブラウザでサポートされているAPIです。
const controller = new AbortController();
const signal = controller.signal;
fetch('your_url', { signal })
.then(response => response.json())
.then(data => {
// 成功時の処理
})
.catch(error => {
// エラー時の処理
});
// キャンセル
controller.abort();
Axios
- cancelToken
cancelTokenを利用して、リクエストをキャンセルします。 - interceptors
リクエストやレスポンスを拦截し、カスタム処理を行うことができます。 - Promiseベース
PromiseベースのHTTPクライアントです。
const source = axios.CancelToken.source();
axios.get('your_url', {
cancelToken: source.token
})
.then(response => {
// 成功時の処理
})
.catch(function (thrown) {
if (axios.isCancel(thrown)) {
console.log('Request canceled', thrown.message);
} else {
// handle error
}
});
// キャンセル
source.cancel('Operation canceled by the user.');
Deferredオブジェクト
- reject
Deferredオブジェクトのrejectメソッドを呼び出すことで、リクエストを人工的に失敗状態にし、キャンセルと同様の効果を得ることができます。 - jQueryのPromise
$.ajax()はDeferredオブジェクトを返します。Deferredオブジェクトは、Promiseの原型となるものです。
var deferred = $.ajax({
// ...
});
// キャンセル
deferred.reject();
- フラグ管理
グローバルなフラグ変数を用意し、そのフラグの状態に応じてリクエストをキャンセルする。 - カスタムイベント
自作のイベントを発火し、他の処理でリクエストをキャンセルする。
選択のポイント
- ブラウザのサポート
Fetch APIは比較的新しいAPIのため、古いブラウザではサポートされていない場合があります。 - チームのスキル
チームメンバーのスキルや経験に合わせて、適切なライブラリやAPIを選択する必要があります。 - プロジェクトの規模と複雑さ
小規模なプロジェクトであればjQueryのabort()
メソッドで十分ですが、大規模なプロジェクトや複雑な非同期処理の場合は、Fetch APIやAxiosなどのより強力なツールが適している場合があります。
jQueryのAJAXリクエストのキャンセルには、abort()
メソッド以外にも様々な方法があります。どの方法を選択するかは、プロジェクトの要件や開発者の好みによって異なります。それぞれの方法のメリット・デメリットを理解し、最適な方法を選択することが重要です。
- パフォーマンス
キャンセル処理がパフォーマンスに与える影響も考慮する必要があります。 - 複数のリクエストの管理
複数のリクエストを同時に実行している場合、それぞれのリクエストを個別に管理する必要があります。 - キャンセル後の処理
リクエストがキャンセルされた場合、エラー処理として適切な処理を行う必要があります。
- MDN Web Docs
Fetch API, AbortController
ajax jquery