JavaScriptのprototypeの仕組みを理解して、より深いレベルでプログラミングをしよう!

2024-04-02

JavaScriptにおける.prototypeの仕組み

プロトタイプチェーン

JavaScriptのオブジェクトには .prototype というプロパティがあり、これは別のオブジェクトへの参照です。このオブジェクトは "プロトタイプ" と呼ばれ、継承されるプロパティやメソッドを定義します。

例えば、以下のような Person コンストラクタがあるとします。

function Person(name) {
  this.name = name;
}

このコンストラクタを使って person オブジェクトを作成すると、.prototype プロパティを通じて Person.prototype オブジェクトにアクセスできます。

const person = new Person("John Doe");

console.log(person.prototype); // Person.prototype {}

Person.prototype オブジェクトには、Person コンストラクタによって作成されたすべてのオブジェクトに継承されるプロパティやメソッドを定義できます。

例えば、greet メソッドを Person.prototype に追加すると、person オブジェクトを含むすべての Person オブジェクトがこのメソッドを使用できます。

Person.prototype.greet = function() {
  console.log(`Hello, my name is ${this.name}`);
};

person.greet(); // Hello, my name is John Doe

このように、.prototype プロパティは、オブジェクト間のプロパティやメソッドの共有を可能にする強力なメカニズムです。

プロトタイプチェーンの検索

オブジェクトがプロパティやメソッドを持っているかどうかを確認するには、まずそのオブジェクト自身のプロパティを調べます。そのプロパティが存在しない場合は、.prototype プロパティを参照し、そのオブジェクトのプロパティを調べます。

このプロセスは、プロトタイプチェーンと呼ばれる一連のオブジェクトをたどっていくまで続きます。プロトタイプチェーンの終点は Object.prototype オブジェクトであり、すべての JavaScript オブジェクトの祖先です。

例えば、person オブジェクトに age プロパティがない場合、Person.prototype オブジェクトを調べます。Person.prototype オブジェクトにも age プロパティがない場合は、Object.prototype オブジェクトを調べます。

console.log(person.age); // undefined

console.log(Person.prototype.age); // undefined

console.log(Object.prototype.age); // undefined

プロトタイプを使うと、コードをより簡潔に記述できます。すべてのオブジェクトに個別にプロパティやメソッドを定義する必要がなく、共通のものはプロトタイプに定義できます。

また、プロトタイプを使うと、コードの再利用性を高めることができます。既存のプロトタイプを拡張して、新しいオブジェクトを作成できます。

まとめ

.prototype は、JavaScriptにおける重要な概念です。オブジェクト間のプロパティやメソッドの共有を可能にする強力なメカニズムです。

プロトタイプチェーンを理解することで、JavaScriptコードの仕組みをより深く理解することができます。

補足

  • オブジェクトは .prototype プロパティだけでなく、独自のプロパティを持つこともできます。
  • .prototype プロパティは、オブジェクトリテラルを使って直接設定することもできます。
  • Object.create() メソッドを使って、プロトタイプを指定してオブジェクトを作成することもできます。



// Person コンストラクタ
function Person(name) {
  this.name = name;
}

// Person.prototype プロパティに greet メソッドを追加
Person.prototype.greet = function() {
  console.log(`Hello, my name is ${this.name}`);
};

// Person コンストラクタを使ってオブジェクトを作成
const person1 = new Person("John Doe");
const person2 = new Person("Jane Doe");

// greet メソッドを呼び出す
person1.greet(); // Hello, my name is John Doe
person2.greet(); // Hello, my name is Jane Doe

// person1 オブジェクトに age プロパティを追加
person1.age = 30;

// person2 オブジェクトには age プロパティがない
console.log(person2.age); // undefined

// Person.prototype オブジェクトに age プロパティを追加
Person.prototype.age = 40;

// person2 オブジェクトの age プロパティは Person.prototype から継承される
console.log(person2.age); // 40

このコードを実行すると、以下の出力が得られます。

Hello, my name is John Doe
Hello, my name is Jane Doe
undefined
40

このサンプルコードは、.prototype プロパティを使って、オブジェクト間のプロパティやメソッドを共有する方法を示しています。




オブジェクト間のプロパティやメソッドを共有する他の方法

オブジェクトリテラルを使って、プロパティやメソッドを直接定義できます。

const person = {
  name: "John Doe",
  greet() {
    console.log(`Hello, my name is ${this.name}`);
  },
};

person.greet(); // Hello, my name is John Doe

この方法は、シンプルなオブジェクトを作成する場合に便利です。

クラス

ES6 では、クラスを使ってオブジェクト指向プログラミングを行うことができます。

class Person {
  constructor(name) {
    this.name = name;
  }

  greet() {
    console.log(`Hello, my name is ${this.name}`);
  }
}

const person = new Person("John Doe");

person.greet(); // Hello, my name is John Doe

クラスを使うと、より複雑なオブジェクトを作成できます。

モジュールを使って、コードを分割して再利用することができます。

// person.js

export function greet(name) {
  console.log(`Hello, my name is ${name}`);
}

// main.js

import { greet } from "./person.js";

greet("John Doe"); // Hello, my name is John Doe

モジュールを使うと、コードをより整理しやすくなります。

まとめ

オブジェクト間のプロパティやメソッドを共有するには、いくつかの方法があります。

それぞれの方法にはメリットとデメリットがあり、状況に応じて使い分ける必要があります。

方法メリットデメリット
.prototypeコードを簡潔に記述できるプロトタイプチェーンを理解する必要がある
オブジェクトリテラルシンプルなオブジェクトを作成しやすいコードの再利用性が低い
クラス複雑なオブジェクトを作成しやすいコードが複雑になる
モジュールコードを分割して再利用できる設定が複雑になる

javascript dynamic-languages prototype-oriented


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