JavaScriptのprototype解説

2024-09-15

JavaScriptの.prototypeについて

JavaScriptにおいて、.prototypeはオブジェクトのプロトタイプチェーンを定義するための重要な要素です。プロトタイプチェーンは、オブジェクトが継承するプロパティやメソッドを決定する階層的な構造です。

.prototypeの役割

  • 新しいオブジェクトの作成
    オブジェクトコンストラクタは、新しいオブジェクトを作成し、そのプロトタイプをコンストラクタの.prototypeプロパティに設定します。これにより、新しいオブジェクトはコンストラクタの.prototypeに定義されたプロパティやメソッドを継承します。
  • プロトタイプチェーンの形成
    各オブジェクトは自身のプロトタイプを指す__proto__プロパティを持ち、これによりプロトタイプチェーンが形成されます。オブジェクトがプロパティやメソッドにアクセスすると、そのオブジェクトのプロトタイプ、そのプロトタイプのプロトタイプ、と順に検索されます。
  • プロパティやメソッドの継承
    オブジェクトは自身のプロトタイプからプロパティやメソッドを継承できます。つまり、オブジェクトが直接持たないプロパティやメソッドにアクセスすると、そのプロトタイプが検索され、そこで見つかった場合は使用されます。

function Person(name, age) {
  this.name = name;
  this.age = age;
}

Person.prototype.greet = function() {
  console.log("Hello, my name is " + this.name);
};

const john = new Person("John   ", 30);
john.greet(); // Output: Hello, my name is John

この例では、Personコンストラクタの.prototypegreetメソッドが定義されています。johnオブジェクトはPersonコンストラクタを使用して作成されるため、johnのプロトタイプはPerson.prototypeになります。そのため、john.greet()を実行すると、Person.prototype.greetメソッドが呼び出され、"Hello, my name is John"が出力されます。

.prototypeを活用する利点

  • 動的なプロパティ追加
    JavaScriptは動的な言語であるため、実行時にプロトタイプに新しいプロパティやメソッドを追加することができます。これにより、柔軟なオブジェクトの設計が可能になります。
  • コードの再利用性
    プロトタイプチェーンを利用することで、共通のプロパティやメソッドを複数のオブジェクト間で共有することができ、コードの再利用性を向上させることができます。



プロトタイプチェーンの理解

function Person(name) {
  this.name = name;
}

Person.prototype.greet = function() {
  console.log("Hello, my name is " + this.name);
};

const john = new Person("   John");
const jane = new Person("Jane");

john.greet(); // Output: Hello, my name is John
jane.greet(); // Output: Hello, my name is Ja   ne

このコードでは、Personコンストラクタが定義され、その.prototypegreetメソッドが追加されています。johnjaneという2つのオブジェクトが作成され、どちらもPerson.prototypeをプロトタイプとして継承します。そのため、両方のオブジェクトでgreetメソッドを呼び出すことができます。

function Employee(name, salary) {
  this.name = name;
  this.salary = salary;
}

Employee.prototype = Object.create(Person.prototype);
Employee.prototype.constructor = Employee;

const bob = new Employee("Bob", 50000);
bob.greet(); // Output: Hello, my name is Bob
console.log(bob.salary); // Output: 50000

このコードでは、Employeeコンストラクタが定義され、その.prototypePerson.prototypeから継承しています。これにより、EmployeeオブジェクトはPersonオブジェクトのプロパティやメソッドを継承することができます。bobオブジェクトはEmployeeコンストラクタを使用して作成されるため、PersongreetメソッドとEmployee独自のsalaryプロパティを継承します。

Person.prototype.sayHello = function() {
  console.log("Hi there!");
};

john.sayHello(); // Output: Hi there!
jane.sayHello(); // Output: Hi there!

このコードでは、Person.prototypeに新しいメソッドsayHelloを追加しています。この変更は、Person.prototypeをプロトタイプとして継承するすべてのオブジェクトに影響を与えます。そのため、johnjaneオブジェクトでもsayHelloメソッドを呼び出すことができます。




クラスの利用

JavaScriptのES6以降では、クラス構文が導入されました。クラスは、オブジェクトのテンプレートであり、プロパティやメソッドの定義をカプセル化することができます。クラスを使用してオブジェクトを作成すると、そのオブジェクトはクラスのプロトタイプを継承します。

class Person {
  constructor(name) {
    this.name = name;
  }

  greet() {
    console.log("Hello, my name is " + this.name);
  }
}

const john = new Person("John");
john.greet(); // Output: Hello, my name is Joh   n

このコードでは、Personクラスが定義され、greetメソッドが定義されています。johnオブジェクトはPersonクラスを使用して作成され、クラスのプロトタイプを継承します。

オブジェクトリテラルの直接定義

シンプルなオブジェクトを作成する場合は、オブジェクトリテラルを使用することもできます。オブジェクトリテラルは、プロパティと値を直接定義する構文です。

const person = {
  name: "John",
  greet() {
    console.log("Hello, my name is " + this.name);
  }
};

person.greet(); // Output: Hello, my name is John   

このコードでは、personオブジェクトが直接定義され、nameプロパティとgreetメソッドが定義されています。

どちらの方法を選ぶべきか

  • シンプルなオブジェクト
    シンプルなオブジェクトを作成する場合は、オブジェクトリテラルを使用して直接定義することもできます。これは簡潔で読みやすいコードになります。
  • 複雑なオブジェクト
    クラスは、複数のプロパティやメソッドを持つ複雑なオブジェクトを定義する際に便利です。クラスを使用することで、コードの構造化と再利用性を向上させることができます。

どちらの方法を使用するかは、プロジェクトの要件や開発者の好みによって異なります。クラスを使用する場合は、クラスの構文と継承の仕組みを理解する必要があります。一方、オブジェクトリテラルを使用する場合は、プロパティとメソッドの直接定義が可能です。


javascript dynamic-languages prototype-oriented



テキストエリア自動サイズ調整 (Prototype.js)

Prototype. js を使用してテキストエリアのサイズを自動調整する方法について説明します。Prototype. js を読み込みます。window. onload イベントを使用して、ページの読み込み後にスクリプトを実行します。$('myTextarea') でテキストエリアの要素を取得します。...


JavaScript数値検証 IsNumeric() 解説

JavaScriptでは、入力された値が数値であるかどうかを検証する際に、isNaN()関数やNumber. isInteger()関数などを利用することが一般的です。しかし、これらの関数では小数点を含む数値を適切に検出できない場合があります。そこで、小数点を含む数値も正しく検証するために、IsNumeric()関数を実装することが有効です。...


jQueryによるHTMLエスケープ解説

JavaScriptやjQueryでHTMLページに動的にコンテンツを追加する際、HTMLの特殊文字(<, >, &, など)をそのまま使用すると、意図しないHTML要素が生成される可能性があります。これを防ぐために、HTML文字列をエスケープする必要があります。...


JavaScriptフレームワーク:React vs Vue.js

JavaScriptは、Webページに動的な機能を追加するために使用されるプログラミング言語です。一方、jQueryはJavaScriptライブラリであり、JavaScriptでよく行う操作を簡略化するためのツールを提供します。jQueryを学ぶ場所...


JavaScriptオブジェクトプロパティの未定義検出方法

JavaScriptでは、オブジェクトのプロパティが定義されていない場合、そのプロパティへのアクセスはundefinedを返します。この現象を検出して適切な処理を行うことが重要です。最も単純な方法は、プロパティの値を直接undefinedと比較することです。...



SQL SQL SQL SQL Amazon で見る



JavaScript、HTML、CSSでWebフォントを検出する方法

CSS font-family プロパティを使用するCSS font-family プロパティは、要素に適用されるフォントファミリーを指定するために使用されます。このプロパティを使用して、Webページで使用されているフォントのリストを取得できます。


ポップアップブロック検知とJavaScript

ポップアップブロックを検知する目的ポップアップブロックはユーザーのプライバシーやセキュリティを保護するためにブラウザに組み込まれている機能です。そのため、ポップアップブロックが有効になっている場合、ポップアップを表示することができません。この状況を検知し、適切な対策を講じるために、JavaScriptを使用することができます。


HTML要素の背景色をJavaScriptでCSSプロパティを使用して設定する方法

JavaScriptを使用すると、CSSプロパティを動的に変更して、HTML要素の背景色を制御できます。この方法により、ユーザーの入力やページの状況に応じて、背景色をカスタマイズすることができます。HTML要素の参照を取得HTML要素の参照を取得


JavaScript オブジェクトの長さについて

JavaScriptにおけるオブジェクトは、プロパティとメソッドを持つデータ構造です。プロパティはデータの値を保持し、メソッドはオブジェクトに対して実行できる関数です。JavaScriptの標準的なオブジェクトには、一般的に「長さ」という概念はありません。これは、配列のようなインデックスベースのデータ構造ではないためです。


JavaScriptグラフ可視化ライブラリ解説

JavaScriptは、ウェブブラウザ上で動作するプログラミング言語です。その中で、グラフの可視化を行うためのライブラリが数多く存在します。これらのライブラリは、データ構造やアルゴリズムを視覚的に表現することで、理解を深める助けとなります。