React: 関数イベント、カスタムイベント、Contextを用いた、スマートなイベント伝達制御

2024-06-13

Reactにおける子コンポーネントから親コンポーネントへのイベント伝達制御

問題点:意図しないイベントトリガー

例えば、以下のような状況を想定します。

  • 親コンポーネント App は、子コンポーネント InputButton を持つ。
  • Input コンポーネントは、テキスト入力時に onChange イベントを親に伝達する。

この場合、Input コンポーネントでテキスト入力をした後、Button コンポーネントをクリックすると、以下の問題が発生する可能性があります。

  1. Input コンポーネントの onChange イベントが再度トリガーされる。
  2. 親コンポーネントで予期せぬ処理が実行される。

これは、Button クリックイベントが Input コンポーネントのフォーカスを変更し、入力値変更イベントを発生させてしまうためです。

解決策:イベント伝達制御

この問題を解決するには、以下の方法でイベント伝達を制御することができます。

関数イベントの引数チェック:

  • Input コンポーネントの onChange イベントハンドラーに、イベントオブジェクトを引数として渡します。
  • 親コンポーネントでイベントオブジェクトを受け取り、イベントターゲットが Input コンポーネントであるかどうかを確認します。
  • ターゲットが Input コンポーネントでない場合は、イベント処理をスキップします。
// Input コンポーネント
const Input = ({ onChange }) => {
  return <input type="text" onChange={onChange} />;
};

// 親コンポーネント
const App = () => {
  const handleChange = (event) => {
    if (event.target === inputRef.current) {
      // 処理を実行
    }
  };

  const inputRef = useRef(null);

  return (
    <div>
      <Input onChange={handleChange} ref={inputRef} />
      <Button onClick={() => { /* ボタンクリック処理 */ }} />
    </div>
  );
};

カスタムイベントを使用:

  • Input コンポーネントで、onChange ではなく、独自のイベント(例:onInputValueChange)を定義します。
  • 親コンポーネントで、onInputValueChange イベントをリスナーとして登録します。
  • Button コンポーネントは、親コンポーネントに影響を与えない別のイベント(例:onClickButton)を伝達します。
// Input コンポーネント
const Input = ({ onInputValueChange }) => {
  const handleChange = (event) => {
    onInputValueChange(event.target.value);
  };

  return <input type="text" onChange={handleChange} />;
};

// 親コンポーネント
const App = () => {
  const handleInputValueChange = (newValue) => {
    // 処理を実行
  };

  return (
    <div>
      <Input onInputValueChange={handleInputValueChange} />
      <Button onClick={() => { /* ボタンクリック処理 */ }} />
    </div>
  );
};

React Contextを使用:

  • 親コンポーネントで React.createContext を使用してコンテキストを作成します。
  • 子コンポーネントは、コンテキストプロバイダを通じてコンテキストにアクセスできます。
// 親コンポーネント
const InputContext = React.createContext();

const App = () => {
  const [inputValue, setInputValue] = useState('');

  return (
    <InputContext.Provider value={{ inputValue, setInputValue }}>
      <div>
        <Input />
        <Button />
      </div>
    </InputContext.Provider>
  );
};

// Input コンポーネント
const Input = () => {
  const { input



Reactにおける子コンポーネントから親コンポーネントへのイベント伝達制御:サンプルコード

// ファイル: App.js

import React, { useRef } from 'react';

// Input コンポーネント
const Input = ({ onChange }) => {
  return <input type="text" onChange={onChange} />;
};

// 親コンポーネント
const App = () => {
  const inputRef = useRef(null);

  const handleChange = (event) => {
    if (event.target === inputRef.current) {
      console.log('入力値が変更されました:', event.target.value);
    }
  };

  return (
    <div>
      <Input onChange={handleChange} ref={inputRef} />
      <button onClick={() => console.log('ボタンがクリックされました')}>ボタン</button>
    </div>
  );
};

export default App;

この例では、Input コンポーネントの onChange イベントハンドラーに event オブジェクトが渡されます。App コンポーネントの handleChange 関数は、イベントオブジェクトのターゲットが Input コンポーネントであるかどうかを確認し、一致する場合のみ処理を実行します。

// ファイル: App.js

import React, { useState } from 'react';

// Input コンポーネント
const Input = ({ onInputValueChange }) => {
  const handleChange = (event) => {
    onInputValueChange(event.target.value);
  };

  return <input type="text" onChange={handleChange} />;
};

// 親コンポーネント
const App = () => {
  const [inputValue, setInputValue] = useState('');

  const handleInputValueChange = (newValue) => {
    setInputValue(newValue);
    console.log('入力値が変更されました:', newValue);
  };

  return (
    <div>
      <Input onInputValueChange={handleInputValueChange} />
      <button onClick={() => console.log('ボタンがクリックされました')}>ボタン</button>
    </div>
  );
};

export default App;

この例では、Input コンポーネントは onChange イベントではなく、onInputValueChange という独自のイベントを定義します。App コンポーネントは onInputValueChange イベントをリスナーとして登録し、入力値が変更された際に handleInputValueChange 関数を呼び出します。Button コンポーネントは onClick イベントのみを伝達し、Input コンポーネントに影響を与えません。

// ファイル: App.js

import React, { useState } from 'react';

// InputContext
const InputContext = React.createContext();

// Input コンポーネント
const Input = () => {
  const { inputValue, setInputValue } = React.useContext(InputContext);

  const handleChange = (event) => {
    setInputValue(event.target.value);
  };

  return <input type="text" onChange={handleChange} />;
};

// 親コンポーネント
const App = () => {
  const [inputValue, setInputValue] = useState('');

  return (
    <InputContext.Provider value={{ inputValue, setInputValue }}>
      <div>
        <Input />
        <button onClick={() => console.log('ボタンがクリックされました')}>ボタン</button>
      </div>
    </InputContext.Provider>
  );
};

export default App;

この例では、App コンポーネントは React.createContext を使用して InputContext というコンテキストを作成します。Input コンポーネントは React.useContext フックを使用して、コンテキスト内の inputValuesetInputValue にアクセスできます。Input コンポーネントは setInputValue を使って入力値を更新し、親コンポーネントで共有します。Button コンポーネントはコンテキストにアクセスせず、独立して動作します。

これらのサンプルコードは、状況に応じて使い分けることができます。いずれの方法も、子コンポーネントから親コンポーネントへの不要なイベント伝達を防止し、アプリケーションの制御性を向上させるのに役立ちます。




Reactにおける子コンポーネントから親コンポーネントへのイベント伝達制御:その他の方法

イベントバブリングの阻止:

  • stopPropagation メソッドを使用して、イベントバブリングを特定のレベルで阻止します。
  • ただし、この方法は、イベントが伝達されるべき他のコンポーネントへの影響を考慮する必要があります。
// Input コンポーネント
const Input = ({ onChange }) => {
  const handleChange = (event) => {
    onChange(event);
    event.stopPropagation(); // イベントバブリングを阻止
  };

  return <input type="text" onChange={handleChange} />;
};

合成イベントの使用:

  • SyntheticEvent オブジェクトのプロパティを使用して、イベントの伝達を制御します。
  • より詳細な制御が可能ですが、コードが複雑になる可能性があります。
// Input コンポーネント
const Input = ({ onChange }) => {
  const handleChange = (event) => {
    const syntheticEvent = new SyntheticEvent(event);
    syntheticEvent.cancelBubble = true; // イベントバブリングをキャンセル
    onChange(syntheticEvent);
  };

  return <input type="text" onChange={handleChange} />;
};

DOMイベントリスナーの使用:

  • addEventListenerremoveEventListener を使用して、DOM レベルでイベントリスナーを登録および解除します。
  • 低レベルな操作であり、React のコンポーネントモデルから逸脱する可能性があります。
// Input コンポーネント
const Input = ({ onChange }) => {
  const inputRef = useRef(null);

  useEffect(() => {
    const input = inputRef.current;
    input.addEventListener('change', onChange);
    return () => input.removeEventListener('change', onChange);
  }, [onChange]);

  return <input type="text" ref={inputRef} />;
};

これらの方法は、状況に応じて選択できます。関数イベントの引数チェックカスタムイベントを使用React Contextを使用 が最も一般的で、多くの場合、イベントバブリングの阻止合成イベントの使用DOMイベントリスナーの使用 よりも推奨されます。

具体的な方法は、アプリケーションの要件と開発者の好みによって異なります。それぞれの方法の利点と欠点を比較検討し、適切な方法を選択することが重要です。


javascript css reactjs


印刷時にテーブルヘッダーを繰り返す方法

このチュートリアルでは、CSSとCSSテーブルを使用して、印刷モードでテーブルヘッダーを繰り返す方法を説明します。方法以下の2つの方法があります。thead 要素の display プロパティを table-header-group に設定する...


【CSSチュートリアル】font-synthesisでフォントのウェイトを合成する方法

初心者でもYouTubeで成功するためには、いくつかの重要なポイントがあります。自分のニッチを見つけるまず、自分が何について話したいのか、どんな動画を作りたいのかを明確にすることが重要です。世の中にはたくさんの動画があるので、埋もれないためには自分のニッチを見つけることが重要です。自分の興味や得意分野を活かせるテーマを選びましょう。...


【初心者向け】jQueryとBootstrapでボタンとリンクを無効化/有効化

jQueryとBootstrapを使用して、ボタンやリンクを簡単に無効化/有効化する方法を紹介します。この方法は、Webフォームの送信ボタンを無効化したり、特定の条件が満たされるまでリンクを非アクティブにしたりするのに役立ちます。必要なもの...


Map vs Object in JavaScript:完全ガイド(ECMAScript 6以降)

JavaScriptには、オブジェクトを格納するための2つの主要なデータ構造があります。ObjectとMapです。一見似ていますが、重要な違いがいくつかあります。このガイドでは、ECMAScript 6以降で導入されたMapと従来のObjectを比較し、それぞれの特徴、ユースケース、適切な使い分けについて詳しく解説します。...


【初心者でも安心】Angular アプリケーションで発生する"Cannot Get /"エラーを解決しよう

Angular アプリケーションで "/"" にアクセスしようとすると、"Cannot Get /" エラーが発生することがあります。このエラーは、さまざまな原因によって発生する可能性があり、それぞれ異なる解決策が必要です。原因このエラーの一般的な原因は以下の通りです。...


SQL SQL SQL SQL Amazon で見る



JavaScriptのpreventDefault()メソッドを使ってボタンの送信を阻止する方法

HTMLのbutton要素には、type属性があります。この属性の値をsubmit以外に設定することで、ボタンのデフォルト動作を変更できます。type="button": ボタンをクリックしても何も起こりません。type="reset": フォーム内のすべてのフィールドを初期値に戻します。


イベントリスナーの登録からdispatchEventまで!JavaScriptイベントトリガーの基礎固め

一般的に、JavaScript でイベントをトリガーするには、以下の 2 つの方法があります。イベントリスナーは、特定のイベントが発生した際に実行される関数です。イベントリスナーを登録するには、以下の構文を使用します。element: イベントを発生させる要素


jQueryで複数のイベントから同じ関数を呼び出す方法

on() メソッドは、イベントハンドラーを要素に割り当てるために使用されます。複数のイベントをカンマ区切りで指定することで、複数のイベントから同じ関数を呼び出すことができます。例えば、以下のコードは、ボタンのクリックイベントとキーダウンイベントから myFunction() 関数を呼び出します。


【初心者向け】JavaScript、jQuery、CSSで擬似要素のクリックイベントを検出する3つの方法

ここでは、JavaScript、jQuery、CSSを使用して擬似要素のクリックイベントのみを検出する方法を解説します。JavaScriptを使用して擬似要素のクリックイベントを検出するには、event. targetプロパティを使用します。このプロパティは、クリックイベントが発生した要素を参照します。擬似要素は直接クリックできないため、event


ストレスフリーな操作を実現! ドロップダウンメニューの内部クリック問題を解決して快適なWebページに

解決策: この問題を解決するには、いくつかの方法があります。JavaScript を使用以下の JavaScript コードを追加することで、メニュー内の項目をクリックしても、メニューが閉じないようにすることができます。このコードは、以下の処理を行います。


ReactJSで子要素のメソッドを呼び出す方法

子要素のメソッドを呼び出すには、まずその子要素への参照を取得する必要があります。これは、ref属性を使用して行います。この例では、Childコンポーネントにref属性を追加し、childRef変数にその参照を格納しています。その後、useEffectフックを使用して、ref