JavaScript/TypeScriptプログラミング:空のObservableを使いこなす

2024-04-02

この解説では、JavaScript、TypeScript、RxJSにおける「空のObservableを返す」プログラミングについて、以下の内容を分かりやすく日本語で説明します。

  • 空のObservableとは何か
  • 空のObservableを返す具体的な方法

Observableは、非同期処理を扱うための強力なツールです。Observableは、データストリームを表し、購読者がそのデータストリームを購読すると、データが発行されます。

空のObservableは、何もデータを発行しないObservableです。これは、いくつかのユースケースで役立ちます。

JavaScript、TypeScript、RxJSでは、いくつかの方法で空のObservableを返すことができます。

empty()メソッドを使用する

RxJSには、empty()というメソッドが用意されています。このメソッドは、何もデータを発行しないObservableを返します。

// JavaScript
const emptyObservable = Rx.Observable.empty();

// TypeScript
const emptyObservable: Observable<void> = Rx.Observable.empty();

of()メソッドは、可変長の引数をObservableに変換します。引数を指定せずにof()メソッドを呼び出すと、空のObservableが返されます。

// JavaScript
const emptyObservable = Rx.Observable.of();

// TypeScript
const emptyObservable: Observable<void> = Rx.Observable.of();

never()メソッドは、何もデータを発行せず、完了もエラーも通知しないObservableを返します。

// JavaScript
const neverObservable = Rx.Observable.never();

// TypeScript
const neverObservable: Observable<never> = Rx.Observable.never();
// JavaScript
const emptyErrorObservable = Rx.Observable.throwError();

// TypeScript
const emptyErrorObservable: Observable<any> = Rx.Observable.throwError();

空のObservableは、いくつかのユースケースで役立ちます。

  • エラー処理:エラーを通知するObservableの前に空のObservableを挿入することで、エラー処理を簡潔に記述できます。
  • シーケンスの区切り:複数のObservableを連結する際に、空のObservableを挿入することで、シーケンスを区切ることができます。
  • デフォルト値の提供:defaultIfEmpty()演算子と組み合わせて、Observableが何もデータを発行しなかった場合にデフォルト値を提供することができます。

補足

  • 上記のコードは、RxJS 6.x以降を対象としています。
  • RxJSの詳細については、公式ドキュメントを参照してください。



エラー処理

// JavaScript
const observable = Rx.Observable.ajax('/api/data')
  .pipe(
    catchError(err => Rx.Observable.empty()),
    // エラー処理
  );

// TypeScript
const observable: Observable<any> = Rx.Observable.ajax('/api/data')
  .pipe(
    catchError(err => Rx.Observable.empty()),
    // エラー処理
  );

シーケンスの区切り

// JavaScript
const observable = Rx.Observable.concat(
  Rx.Observable.of(1, 2, 3),
  Rx.Observable.empty(),
  Rx.Observable.of(4, 5, 6),
);

// TypeScript
const observable: Observable<number> = Rx.Observable.concat(
  Rx.Observable.of(1, 2, 3),
  Rx.Observable.empty(),
  Rx.Observable.of(4, 5, 6),
);

デフォルト値の提供

// JavaScript
const observable = Rx.Observable.ajax('/api/data')
  .pipe(
    defaultIfEmpty({}),
    // データ処理
  );

// TypeScript
const observable: Observable<any> = Rx.Observable.ajax('/api/data')
  .pipe(
    defaultIfEmpty({}),
    // データ処理
  );

その他

  • empty()メソッドは、complete()通知のみを送信するObservableを作成するためにも使用できます。
  • never()メソッドは、テストコードなどで、何も起こらないObservableを作成するためにも使用できます。
  • throwError()メソッドは、特定のエラーオブジェクトを持つObservableを作成するためにも使用できます。



空のObservableを作成する他の方法

from()メソッドは、配列やPromiseなどのオブジェクトをObservableに変換します。空の配列を渡すことで、空のObservableを作成できます。

// JavaScript
const emptyObservable = Rx.Observable.from([]);

// TypeScript
const emptyObservable: Observable<void> = Rx.Observable.from([]);

interval()メソッドは、一定の間隔で値を発行するObservableを作成します。interval()メソッドに負の値を渡すことで、何もデータを発行しないObservableを作成できます。

// JavaScript
const emptyObservable = Rx.Observable.interval(-1);

// TypeScript
const emptyObservable: Observable<never> = Rx.Observable.interval(-1);
// JavaScript
const emptyObservable = Rx.Observable.timer(0);

// TypeScript
const emptyObservable: Observable<void> = Rx.Observable.timer(0);

create()メソッドは、Observableを作成するための低レベルな方法です。create()メソッドを使用して、何もデータを発行しないObservableを作成できます。

// JavaScript
const emptyObservable = Rx.Observable.create(observer => {
  // 何もしない
});

// TypeScript
const emptyObservable: Observable<void> = Rx.Observable.create(observer => {
  // 何もしない
});

サブスクリプション内で何も行わない

Observableを作成する最も簡単な方法は、サブスクリプション内で何も行わないことです。

// JavaScript
const observable = new Rx.Observable(observer => {
  // 何もしない
});

observable.subscribe();

Subjectを使用する

Subjectは、複数の購読者がデータを購読できるオブジェクトです。Subjectを作成して、何も発行しないことで、空のObservableを作成できます。

// JavaScript
const subject = new Rx.Subject();

const emptyObservable = subject.asObservable();

// 何も発行しない

空のObservableを作成する方法はいくつかあります。どの方法を使用するかは、ユースケースによって異なります。


javascript typescript rxjs


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