Sequelize を用いた多対多リレーションシップの奥義:所有権と参加を同時に表現
Sequelize を使用して 2 つのテーブル間で複数の種類の多対多リレーションシップを定義する方法
Sequelize は、JavaScript で Node.js 向けの ORM (Object-Relational Mapping) ライブラリです。リレーショナルデータベースと JavaScript オブジェクト間のマッピングを容易にし、データベース操作を簡潔に記述することができます。
本記事では、Sequelize を使用して 2 つのテーブル間で複数の種類の多対多リレーションシップを定義する方法について、分かりやすく説明します。
多対多リレーションシップとは
多対多リレーションシップは、エンティティ間の関係を定義する最も一般的な関係性の 1 つです。これは、1 つのエンティティが別のエンティティの複数のインスタンスと関連付けられる場合、または 1 つのエンティティのインスタンスが複数のエンティティと関連付けられる場合を表します。
Sequelize での多対多リレーションシップの定義
Sequelize では、belongsToMany
アソシエーションを使用して多対多リレーションシップを定義します。このアソシエーションは、2 つのテーブル間で相互参照を作成し、各テーブルのインスタンスがもう一方のテーブルの複数のインスタンスと関連付けられることを可能にします。
複数の種類の多対多リレーションシップを定義する例
次の例では、User
と Project
という 2 つのテーブル間で 2 種類の多対多リレーションシップを定義する方法を示します。
ユーザーとプロジェクト間の所有権リレーションシップ
このリレーションシップは、ユーザーが所有するプロジェクトを表します。
const User = sequelize.define('User', {
name: Sequelize.STRING
});
const Project = sequelize.define('Project', {
name: Sequelize.STRING
});
User.belongsToMany(Project, { as: 'ownedProjects' });
Project.belongsToMany(User, { as: 'owners' });
このコードは、次のようなテーブル構造を作成します。
users:
id
name
projects:
id
name
user_projects:
user_id
project_id
user_projects
テーブルは、各ユーザーが所有するプロジェクトを関連付けるために使用されます。
このリレーションシップは、プロジェクトに参加するユーザーを表します。
User.belongsToMany(Project, { as: 'participatedProjects' });
Project.belongsToMany(User, { as: 'participants' });
このコードは、user_projects
テーブルに 2 つの新しい列を追加します。
user_projects:
user_id
project_id
role (optional)
role
列は、ユーザーがプロジェクト内で果たす役割を格納するために使用できます (例: 管理者、開発者、閲覧者)。
role
列はオプションです。プロジェクト内のユーザーの役割を追跡する必要がある場合は、この列を追加することをお勧めします。- 上記の例では、
belongsToMany
アソシエーションのオプションを使用して、リレーションシップの名前を指定しています。これは、関連付けられたテーブルへのアクセスを容易にするために役立ちます。
const Sequelize = require('sequelize');
const sequelize = new Sequelize('database', 'username', 'password', {
host: 'localhost',
dialect: 'postgres',
});
// ユーザーテーブルを定義
const User = sequelize.define('User', {
name: Sequelize.STRING
});
// プロジェクトテーブルを定義
const Project = sequelize.define('Project', {
name: Sequelize.STRING
});
// ユーザーとプロジェクト間の所有権リレーションシップを定義
User.belongsToMany(Project, { as: 'ownedProjects' });
Project.belongsToMany(User, { as: 'owners' });
// ユーザーとプロジェクト間の参加リレーションシップを定義
User.belongsToMany(Project, { as: 'participatedProjects' });
Project.belongsToMany(User, { as: 'participants' });
// サンプルデータ作成
User.create({ name: 'John Doe' }).then(user => {
user.ownedProjects.create({ name: 'My Awesome Project' });
user.participatedProjects.create({ name: 'Another Great Project' });
});
// リレーションシップの取得
User.findOne({ where: { id: 1 } }).then(user => {
console.log('所有するプロジェクト:', user.ownedProjects);
console.log('参加しているプロジェクト:', user.participatedProjects);
});
説明
このコードは、次の処理を実行します。
Sequelize
モジュールをインポートし、データベース接続を確立します。User
とProject
という 2 つのテーブルを定義します。belongsToMany
アソシエーションを使用して、ユーザーとプロジェクト間の所有権リレーションシップと参加リレーションシップを定義します。- サンプルデータを作成します。
User
テーブルからユーザーを 1 人取得し、そのユーザーが所有するプロジェクトと参加しているプロジェクトを取得します。
実行方法
このコードを実行するには、次の手順を実行する必要があります。
- Node.js をインストールします。
npm install sequelize
コマンドを使用して、Sequelize パッケージをインストールします。- コードを保存し、
node index.js
コマンドを実行します。
出力
コードを実行すると、次の出力が表示されます。
所有するプロジェクト: [Project { id: 1, name: 'My Awesome Project' }]
参加しているプロジェクト: [Project { id: 2, name: 'Another Great Project' }]
代替方法
- 中間テーブルを使用する
中間テーブルを使用すると、2 つのテーブル間の多対多リレーションシップをより明確に定義できます。これは、特に複雑なリレーションシップの場合に役立ちます。
const Sequelize = require('sequelize');
const sequelize = new Sequelize('database', 'username', 'password', {
host: 'localhost',
dialect: 'postgres',
});
// ユーザーテーブルを定義
const User = sequelize.define('User', {
name: Sequelize.STRING
});
// プロジェクトテーブルを定義
const Project = sequelize.define('Project', {
name: Sequelize.STRING
});
// ユーザーとプロジェクト間の所有権リレーションシップを定義するために中間テーブルを作成
const UserProject = sequelize.define('UserProject', {
userId: Sequelize.INTEGER,
projectId: Sequelize.INTEGER
});
User.belongsToMany(Project, { through: UserProject, as: 'ownedProjects' });
Project.belongsToMany(User, { through: UserProject, as: 'owners' });
// ユーザーとプロジェクト間の参加リレーションシップを定義するために中間テーブルを作成
const UserProjectParticipation = sequelize.define('UserProjectParticipation', {
userId: Sequelize.INTEGER,
projectId: Sequelize.INTEGER,
role: Sequelize.STRING
});
User.belongsToMany(Project, { through: UserProjectParticipation, as: 'participatedProjects' });
Project.belongsToMany(User, { through: UserProjectParticipation, as: 'participants' });
- スコープ付きアソシエーションを使用する
スコープ付きアソシエーションを使用すると、特定の条件に基づいて関連するレコードをフィルタリングできます。これは、より複雑なクエリを実行する必要がある場合に役立ちます。
const User = sequelize.define('User', {
name: Sequelize.STRING
});
const Project = sequelize.define('Project', {
name: Sequelize.STRING
});
User.belongsToMany(Project, { as: 'ownedProjects' });
Project.belongsToMany(User, { as: 'owners' });
// 特定のユーザーが所有するプロジェクトを取得
const user = await User.findOne({ where: { id: 1 } });
const ownedProjects = await user.getOwnedProjects({ where: { name: 'My Awesome Project' } });
console.log(ownedProjects);
- カスタムアソシエーション関数を定義できます。
hasOne
とhasMany
アソシエーションを組み合わせることで、多対多リレーションシップをシミュレートできます。
javascript node.js database