CSS フォントサイズ単位「em」の利点
具体的には、以下のような利点があります
継承性
- 子要素のフォントサイズは、親要素のフォントサイズを基準として計算されます。
- これにより、フォントサイズの階層的な構造を容易に構築できます。
レスポンシブデザイン
- ブラウザのウィンドウサイズやデバイスの解像度に応じて、フォントサイズが自動的に調整されます。
- 異なるデバイスや画面サイズに適応したレイアウトを構築する際に便利です。
読みやすさ
- 相対的なフォントサイズを使用することで、全体的なフォントサイズを調整する際に、個々の要素のフォントサイズを個別に調整する必要がありません。
- 読みやすさや視認性を維持しながら、レイアウトのバランスを調整できます。
例
body {
font-size: 16px;
}
h1 {
font-size: 2em; // 親要素のフォントサイズ (16px) の 2 倍になります
}
p {
font-size: 1.2em; // 親要素のフォントサイズ (16px) の 1.2 倍になります
}
この例では、body
要素のフォントサイズを16pxに設定しています。これにより、h1
要素のフォントサイズは32px、p
要素のフォントサイズは19.2pxになります。
CSSのフォントサイズ単位「em」の利点とコード例
なぜemをpxよりも使うのか?
CSSのフォントサイズを指定する際に、「em」単位を使うことのメリットを、具体的なコード例を交えて解説します。
emを使う利点
- 可読性の向上
ユーザーがブラウザのフォントサイズ設定を変更した場合でも、サイト全体のフォントサイズが比例して変化するため、可読性を維持できます。 - レスポンシブデザイン
ブラウザのウィンドウサイズやデバイスの解像度が変わっても、フォントサイズが相対的に変化するため、デザインが崩れにくくなります。 - 相対的な指定
親要素のフォントサイズを基準に、子要素のフォントサイズを調整できます。これにより、フォントサイズの階層構造を柔軟に構築できます。
pxとの違い
- em
相対的な単位であり、親要素のフォントサイズを基準に、その倍率でフォントサイズを指定します。 - px
絶対的な単位であり、固定のピクセル数でフォントサイズを指定します。ブラウザの設定やデバイスによってフォントサイズが変化しません。
コード例
/* 親要素 */
body {
font-size: 16px; /* 基準となるフォントサイズ */
}
/* 子要素 */
h1 {
font-size: 2em; /* 親要素の2倍のサイズ */
}
p {
font-size: 1.2em; /* 親要素の1.2倍のサイズ */
}
解説
p
要素のフォントサイズは、body
要素の1.2倍の19.2pxになります。body
要素のフォントサイズを16pxに設定しています。
emを使うメリットを活かした具体的な例
例1: レスポンシブデザイン
body {
font-size: 16px;
}
@media (min-width: 768px) {
body {
font-size: 18px;
}
}
- 子要素のフォントサイズは、親要素のフォントサイズに連動して変化するため、レイアウトが崩れることなく、フォントサイズを調整できます。
- 画面幅が768px以上の場合は、
body
要素のフォントサイズを18pxに拡大します。
例2: テーマ設定
body {
font-size: 16px;
}
.dark-theme {
body {
font-size: 14px;
}
}
- ダークテーマなど、テーマによってフォントサイズを調整したい場合に便利です。
.dark-theme
クラスが適用された場合、body
要素のフォントサイズを14pxに縮小します。
em単位を使用することで、フォントサイズの階層構造を柔軟に構築し、レスポンシブデザインやテーマ設定など、様々な場面で柔軟に対応できます。px単位と比較して、より可読性の高い、ユーザーフレンドリーなWebサイトを作成することができます。
- rem単位
ルート要素(通常はhtml要素)のフォントサイズを基準とする単位です。em単位と
CSSのフォントサイズ単位「em」以外の選択肢と比較
なぜemを使うのか?他の単位との比較
CSSのフォントサイズを指定する際に、「em」単位が用いられる理由を、他の単位との比較を通してより深く理解しましょう。
px単位
- デメリット
- レスポンシブデザインには不向き
- ユーザーがブラウザのフォントサイズを変更しても、フォントサイズが変わらない
- メリット
- 精度の高いレイアウトが可能
- ブラウザの設定に左右されない
- 絶対的な値
1pxは1ピクセルを表し、固定の大きさです。
rem単位
- デメリット
- メリット
- グローバルなフォントサイズの調整が可能
- em単位よりも柔軟なレイアウトが可能
- 相対的な値
ルート要素(通常はhtml要素)のフォントサイズを基準にします。
%単位
- メリット
- 相対的な値
親要素のフォントサイズに対する割合で指定します。
vw/vh単位
- デメリット
- メリット
- 相対的な値
ビューポートの幅または高さを基準にします。
各単位の使い分け
- vw/vh
画面サイズに合わせたレイアウトをしたい場合に適しています。 - %
親要素との相対的な関係を簡単に指定したい場合に適しています。 - rem
グローバルなフォントサイズを調整したい場合や、ネストが深い要素のフォントサイズを調整したい場合に適しています。 - px
精度の高いデザインや、固定のサイズが必要な要素に適しています。
どの単位を選ぶかは、デザインの意図や、作成するWebサイトの種類によって異なります。
- 画面サイズに合わせたレイアウト
vw/vh単位が適しています。 - 親要素との相対的な関係
emや%単位が適しています。 - グローバルなフォントサイズ調整
rem単位が適しています。 - レスポンシブデザイン
emやrem単位が適しています。
一般的に、em単位は親要素との相対的な関係を維持したい場合に最もよく使用されます。
- アクセシビリティ
ユーザーがブラウザのフォントサイズを変更できるようにするため、相対的な単位を使用することが推奨されます。 - ブラウザの互換性
古いブラウザでは、一部の単位がサポートされていない場合があります。 - 単位の組み合わせ
複数の単位を組み合わせて使用することも可能です。
具体的なコード例
/* px単位 */
body {
font-size: 16px;
}
/* em単位 */
h1 {
font-size: 2em; /* 親要素の2倍のサイズ */
}
/* rem単位 */
html {
font-size: 16px;
}
body {
font-size: 1.2rem; /* ルート要素の1.2倍のサイズ */
}
/* %単位 */
p {
font-size: 120%; /* 親要素の120%のサイズ */
}
/* vw単位 */
h2 {
font-size: 5vw; /* ビューポート幅の5%のサイズ */
}
CSSのフォントサイズ単位は、px、em、rem、%、vw/vhなど、様々な種類があります。それぞれの単位には特徴があり、使い分けることで、より柔軟で洗練されたデザインを実現できます。
どの単位を選ぶべきか迷った場合は、以下の点を考慮しましょう。
- アクセシビリティ
- ブラウザの互換性
- デザインの意図
css font-size