emとpxの使い分け: レスポンシブデザインとアクセシビリティ

2024-04-02

CSSのフォントサイズ指定でemを使うべき理由

pxとemの違い

  • px: 絶対値 - デバイスのピクセル数に基づいてフォントサイズを固定します。画面サイズやブラウザ設定に関わらず、常に同じサイズで表示されます。
  • em: 相対値 - 親要素のフォントサイズを基準に、相対的にフォントサイズを指定します。親要素のフォントサイズが変化すると、それに応じて子要素のフォントサイズも変化します。

emを使うべき理由

レスポンシブデザインへの対応

近年、スマートフォンやタブレットなど、様々なデバイスでWebページが閲覧されるようになっています。それぞれのデバイスで最適なフォントサイズを提供するためには、レスポンシブデザインが重要です。

pxでフォントサイズを指定すると、デバイスによって文字サイズが大きすぎたり小さすぎたりする可能性があります。一方、emを使用すれば、親要素のフォントサイズに合わせて自動的に調整されるため、どのデバイスでも読みやすい文字サイズで表示することができます。

アクセシビリティの向上

視覚障碍者など、ユーザー補助機能を利用するユーザーにとって、フォントサイズの調整は重要です。emを使用すれば、ユーザー側でフォントサイズを調整しても、ページ全体のレイアウトが崩れることなく、読みやすいレイアウトを維持することができます。

デザインの統一

emを使用すれば、親要素のフォントサイズに基づいて子要素のフォントサイズを調整できるため、ページ全体のデザインを統一しやすくなります。

emを使う際の注意点

  • ベースとなるフォントサイズ: emは親要素のフォントサイズを基準にするため、ベースとなるフォントサイズを適切に設定する必要があります。一般的には、html要素にfont-sizeプロパティを設定します。
  • ネスト構造: 複数の要素がネストしている場合、emの値が累積的に加算されていくため、注意が必要です。
  • ブラウザの互換性: 古いブラウザでは、emの解釈が異なる場合があります。

まとめ

emは、レスポンシブデザイン、アクセシビリティ、デザインの統一など、様々なメリットがあります。ただし、注意点も理解した上で使用するようにしましょう。




<!DOCTYPE html>
<html lang="ja">
<head>
  <meta charset="UTF-8">
  <meta name="viewport" content="width=device-width, initial-scale=1.0">
  <title>emを使ったフォントサイズ指定</title>
  <style>
    html {
      font-size: 16px;
    }
    
    body {
      font-family: sans-serif;
    }
    
    h1 {
      font-size: 2em;
    }
    
    p {
      font-size: 1.5em;
    }
  </style>
</head>
<body>
  <h1>見出し</h1>
  <p>本文</p>
</body>
</html>
  • h1要素は親要素の2倍のサイズ (2em) で表示されます。

ブラウザのウィンドウサイズを変更すると、emによって指定されたフォントサイズも自動的に調整されます。

  • emは、文字サイズだけでなく、行間や余白などの他のプロパティにも使用できます。
  • remという単位も、emと同様に相対的なフォントサイズを指定できますが、html要素のフォントサイズを基準にする点が異なります。



CSSのフォントサイズ指定方法

  • %: 相対値 - 親要素の幅を基準に、相対的にフォントサイズを指定します。

それぞれの方法にはメリットとデメリットがあり、状況に応じて使い分ける必要があります。

それぞれの方法の詳細

%

  • 親要素の幅を基準にフォントサイズを指定するため、レスポンシブデザインに適しています。
  • ただし、親要素の幅が変化すると、それに応じてフォントサイズも変化するため、デザインの意図が崩れる可能性があります。

rem

  • html要素のフォントサイズを基準にフォントサイズを指定するため、ブラウザのデフォルトフォントサイズに影響を受けずに、一貫したデザインを実現できます。
  • ただし、emと同様に、ネスト構造の場合に注意が必要です。

vw

  • ビューポートの幅を基準にフォントサイズを指定するため、デバイスの幅に合わせたフォントサイズを提供できます。
  • ただし、縦長画面のデバイスでは、フォントサイズが大きくなりすぎてしまう可能性があります。

まとめ

CSSのフォントサイズ指定方法は、状況に応じて使い分けることが重要です。

  • レスポンシブデザインに適しているのは、%remです。
  • ブラウザのデフォルトフォントサイズに影響を受けずに、一貫したデザインを実現したい場合は、remを使用します。
  • デバイスの幅や高さに合わせたフォントサイズを提供したい場合は、vwvhを使用します。

それぞれの方法のメリットとデメリットを理解した上で、最適な方法を選びましょう。


css font-size


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