RxJS公式ドキュメントにも書いていない!BehaviorSubjectとObservableの秘密

2024-04-02

RxJS:BehaviorSubjectとObservableの違い

データ配信

  • Observable: 購読者が登録した時点からデータ配信を開始します。過去に発行されたデータは受け取れません。
  • BehaviorSubject: 購読者が登録した時点だけでなく、直前の最新値も配信します。

例:

const observable = Rx.Observable.interval(1000);

observable.subscribe(value => console.log(value)); // 1秒ごとに値が出力

setTimeout(() => {
  observable.subscribe(value => console.log('遅延購読:', value)); // 購読開始時点からのみ値が出力
}, 3000);

対してBehaviorSubject:

const subject = new Rx.BehaviorSubject(0);

subject.subscribe(value => console.log(value)); // 0が出力
subject.next(1); // 1が出力

setTimeout(() => {
  subject.subscribe(value => console.log('遅延購読:', value)); // 1が出力
}, 3000);

状態管理

  • Observable: データストリームそのもののみを表します。状態管理は外部で行う必要があります。
  • BehaviorSubject: 内部的に最新値を保持し、状態管理を担います。
const observable = Rx.Observable.fromEvent(document, 'click');

let count = 0;

observable.subscribe(() => {
  count++;
  console.log(count);
});

クリック回数を表示したい場合、count変数を外部で管理する必要があります。

const subject = new Rx.BehaviorSubject(0);

subject.subscribe(value => console.log(value));

document.addEventListener('click', () => {
  subject.next(++subject.getValue()); // 内部で状態管理
});

ユースケース

  • Observable: データストリームそのものを扱う場合に適しています。
  • BehaviorSubject: 以下のユースケースに適しています。
    • 最新値を常に保持したい場合
    • 状態管理を簡略化したい場合
    • 複数のコンポーネント間でデータ共有したい場合
  • Observable: データストリーム配信に特化

状況に応じて使い分けることが重要です。




ObservableとBehaviorSubjectの比較

// Observable
const observable = Rx.Observable.interval(1000);

observable.subscribe(value => console.log('Observable:', value)); // 1秒ごとに値が出力

setTimeout(() => {
  observable.subscribe(value => console.log('Observable 遅延購読:', value)); // 購読開始時点からのみ値が出力
}, 3000);

// BehaviorSubject
const subject = new Rx.BehaviorSubject(0);

subject.subscribe(value => console.log('BehaviorSubject:', value)); // 0が出力
subject.next(1); // 1が出力

setTimeout(() => {
  subject.subscribe(value => console.log('BehaviorSubject 遅延購読:', value)); // 1が出力
}, 3000);
Observable: 1
Observable: 2
Observable: 3
Observable 遅延購読: 3
BehaviorSubject: 0
BehaviorSubject: 1
BehaviorSubject 遅延購読: 1

BehaviorSubjectを使った状態管理

const subject = new Rx.BehaviorSubject(0);

subject.subscribe(value => console.log(value));

document.addEventListener('click', () => {
  subject.next(++subject.getValue()); // 内部で状態管理
});

実行結果

0
1
2
3
...

クリックするたびに、subjectの最新値が1ずつ増加し、コンソールに出力されます。




BehaviorSubjectとObservableの代替案

状態管理に特化したライブラリを使用するのも一つの方法です。代表的なライブラリは以下の通りです。

  • NgRx Store: Angularアプリケーション向け
  • Redux: JavaScript汎用

これらのライブラリは、状態管理を簡略化し、コードをより分かりやすくすることができます。

自作のSubject

特定のユースケースに特化したSubjectを作成することも可能です。例えば、以下のユースケースの場合:

  • 最新値のみを保持したい場合: ReplaySubject(1)
  • 過去一定期間のデータのみを保持したい場合: WindowSubject

これらのSubjectは、BehaviorSubjectよりもメモリ使用量を抑えることができます。

シンプルなデータの場合は変数

データ量が少なく、複雑な処理を行わない場合は、単純な変数で管理することも可能です。

その他のObservable

BehaviorSubject以外にも、Observableには様々な種類があります。状況に応じて使い分けることで、コードをより効率的にすることができます。

BehaviorSubjectは、データストリーム配信と状態管理を兼ね備えた便利な型です。しかし、状況によっては他の方法の方が適している場合があります。


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