RxJSにおけるBehaviorSubjectとObservableの違い

2024-09-09

BehaviorSubjectとObservableの違い (JavaScript, Angular, RxJS)

BehaviorSubjectObservable はどちらも RxJS で扱うデータストリームを表しますが、重要な違いがあります。

Observable

  • 新しい値が発行されるたびに購読者に通知
    Observable は新しい値が発行されるたびに、全ての購読者にその値を通知します。
  • 購読時に最新の値を発行
    購読者が購読すると、その時点での最新の値が発行されます。
  • 初期値を持たない
    Observable は購読されるまで値を保持しません。

BehaviorSubject

  • 購読時に最新の値を発行
    Observable と同様に、購読時に最新の値を発行します。
  • 初期値を持つ
    BehaviorSubject は初期値を保持します。

要約

  • 購読時の値
    BehaviorSubject は購読時に初期値を発行し、Observable は最新の値を発行します。
  • 初期値
    BehaviorSubject は初期値を持ち、Observable は持ちません。

Angularでの使用例

import { BehaviorSubject, Observable } from 'rxjs';

// BehaviorSubjectの例
const subject = new BehaviorSubject<number>(0);
subject.next(1); // 値を更新
subject.subscribe(value => console.log(value)); // 購読すると初期値0と更新された値1が出力されます

// Observableの例
const observable = new Observable<number>(observer => {
  observer.next(2);
  observer.next(3);
});
observable.subscribe(value => console.log(value)); // 購読すると値2と3が出力されます



BehaviorSubjectとObservableの例 (RxJS)

import { BehaviorSubject } from 'rxjs';

// 初期値として10を指定したBehaviorSubjectを作成
const subject = new BehaviorSubject<number>(10);

// 購読する
subject.subscribe(value => {
  console.log('BehaviorSubject:', value);
});

// 値を更新する
subject.next(20);
subject.next(30);

出力

BehaviorSubject: 10
BehaviorSubject: 20
BehaviorSubject: 30
import { Observable } from 'rxjs';

// Observableを作成
const observable = new Observable<number>(observer => {
  observer.next(100);
  observer.next(200);
  observer.complete();
});

// 購読する
observable.subscribe(value => {
  console.log('Observable:', value);
}, error => {
  console.error('Error:', error);
}, () => {
  console.log('Completed');
});
Observable: 100
Observable: 200
Completed

比較

  • Observable
    • 初期値を持たない。
    • 購読時に最新の値を発行する。
    • 値が発行されるたびに、全ての購読者に通知される。
  • BehaviorSubject
    • 初期値を持つ。

ポイント

  • Observableは、値が発行されるタイミングを制御したい場合や、エラー処理や完了処理が必要な場合に適している。
  • BehaviorSubjectは、初期値が必要な場合や、購読者が購読する前に値を発行したい場合に適している。



ReplaySubject

  • 購読時に過去の値を発行
    購読者が購読すると、過去の値を全て発行します。
  • 過去の値を保持
    ReplaySubjectは、指定されたバッファサイズに基づいて過去の値を保持します。

AsyncSubject

  • 購読者が購読する前に完了した場合
    購読者が購読する前にObservableが完了した場合、購読者は何も受け取りません。
  • 完了時に最後の値を発行
    Observableが完了すると、最後の値を発行します。
  • 最後の値のみを発行
    AsyncSubjectは、最後の値のみを発行します。

Subject

  • 初期値を持たない
    Subjectは初期値を持ちません。
  • 最も基本的なSubject
    Subjectは、BehaviorSubjectとObservableの両方の特性を備えています。

使用例

import { BehaviorSubject, Observable, ReplaySubject, AsyncSubject, Subject } from 'rxjs';

// ReplaySubjectの例
const replaySubject = new ReplaySubject<number>(2); // バッファサイズを2に設定
replaySubject.next(1);
replaySubject.next(2);
replaySubject.next(3);

replaySubject.subscribe(value => console.log('ReplaySubject:', value)); // 出力: ReplaySubject: 2, ReplaySubject: 3

// AsyncSubjectの例
const asyncSubject = new AsyncSubject<number>();
asyncSubject.next(10);
asyncSubject.next(20);
asyncSubject.complete();

asyncSubject.subscribe(value => console.log('AsyncSubject:', value)); // 出力: AsyncSubject: 20

// Subjectの例
const subject = new Subject<number>();
subject.next(100);
subject.next(200);

subject.subscribe(value => console.log('Subject:', value)); // 出力: Subject: 200

選択基準

  • 基本的なSubjectが必要か
    Subjectを使用。
  • 最後の値のみを発行したいか
    AsyncSubjectを使用。
  • 過去の値を保持したいか
    ReplaySubjectを使用。
  • 初期値が必要か
    BehaviorSubjectを使用。

javascript angular rxjs



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