CSSネイティブ変数とメディアクエリ:詳細ガイド

2024-04-29

CSSネイティブ変数がメディアクエリで動作しない問題とその解決策

CSSネイティブ変数は、CSSコードをより簡潔で柔軟に記述するために導入された機能です。しかし、メディアクエリ内ではネイティブ変数が正しく動作しない場合があることが知られています。

問題点

メディアクエリ内でネイティブ変数を用いると、以下の問題が発生する可能性があります。

  • 変数の値が反映されない: メディアクエリ切り替え時に、変数の値が更新されないことがあります。
  • 予期せぬ動作: 一部のブラウザでは、ネイティブ変数がメディアクエリ内で予期せぬ動作を引き起こすことがあります。

解決策

この問題を解決するには、以下の方法があります。

calc()関数を使用する

ネイティブ変数をメディアクエリ内で使用する場合は、calc()関数を使用して、変数の値を計算式に含めることができます。

/* 通常のスタイル */
.element {
  width: var(--width);
}

/* メディアクエリ */
@media (max-width: 768px) {
  .element {
    width: calc(var(--width) / 2);
  }
}

メディアクエリごとに異なる変数を定義することで、各メディアクエリで適切な値を使用することができます。

/* 通常のスタイル */
.element {
  width: var(--width-default);
}

/* メディアクエリ (小画面) */
@media (max-width: 768px) {
  .element {
    width: var(--width-small);
  }
}

/* メディアクエリ (大画面) */
@media (min-width: 769px) {
  .element {
    width: var(--width-large);
  }
}

JavaScriptを使用して、メディアクエリ切り替え時にネイティブ変数の値を動的に更新することができます。

const element = document.querySelector('.element');
const widthVar = getComputedStyle(element).getPropertyValue('--width');

window.addEventListener('resize', () => {
  if (window.matchMedia('(max-width: 768px)').matches) {
    element.style.width = widthVar / 2 + 'px';
  } else {
    element.style.width = widthVar + 'px';
  }
});

注意点

  • 上記の解決策は、すべてのブラウザで完全に互換性があるとは限りません。
  • メディアクエリ内でネイティブ変数をを使用する場合は、十分なテストを行うことが重要です。



CSSネイティブ変数とメディアクエリ:サンプルコード

calc()関数を使用する

この例では、calc()関数を使用して、メディアクエリでネイティブ変数の値を半分の値に更新します。

/* 通常のスタイル */
.element {
  width: var(--width); /* 変数を使用する */
  height: 50px;
}

/* メディアクエリ (小画面) */
@media (max-width: 768px) {
  .element {
    width: calc(var(--width) / 2); /* calc()関数で変数の値を計算 */
  }
}

説明:

  • var(--width): CSSネイティブ変数を使用します。
  • calc(): 数式を計算するために使用されます。この例では、変数の値を2で割ります。

メディアクエリごとに変数を定義する

この例では、メディアクエリごとに異なる変数を定義し、それぞれ異なる値を設定します。

/* 通常のスタイル */
.element {
  width: var(--width-default); /* デフォルトの変数を使用 */
  height: 50px;
}

/* メディアクエリ (小画面) */
@media (max-width: 768px) {
  .element {
    width: var(--width-small); /* 小画面用の変数を使用 */
  }
}

/* メディアクエリ (大画面) */
@media (min-width: 769px) {
  .element {
    width: var(--width-large); /* 大画面用の変数を使用 */
  }
}
  • --width-default, --width-small, --width-large: それぞれ異なる値を持つ3つのCSSネイティブ変数を定義します。
  • メディアクエリごとに、適切な変数が使用されます。

JavaScriptを使用する

<!DOCTYPE html>
<html>
<head>
  <title>CSS Native Variables and Media Queries</title>
  <style>
    .element {
      width: var(--width);
      height: 50px;
    }
  </style>
</head>
<body>
  <div class="element"></div>

  <script>
    const element = document.querySelector('.element');
    const widthVar = getComputedStyle(element).getPropertyValue('--width');

    window.addEventListener('resize', () => {
      if (window.matchMedia('(max-width: 768px)').matches) {
        element.style.width = widthVar / 2 + 'px';
      } else {
        element.style.width = widthVar + 'px';
      }
    });
  </script>
</body>
</html>
  • getComputedStyle()関数を使用して、要素のスタイルを取得します。
  • getPropertyValue()関数を使用して、CSSネイティブ変数の値を取得します。
  • window.addEventListener()関数を使用して、ウィンドウのサイズ変更イベントを検出します。
  • メディアクエリが一致する場合、変数の値を半分の値に更新します。

補足:

  • 上記はあくまで一例です。状況に合わせて、自由にコードを変更してください。



CSSネイティブ変数とメディアクエリ:その他の方法

前述の解決策に加えて、CSSネイティブ変数とメディアクエリを組み合わせるには、以下の方法も検討できます。

CSSプリプロセッサを使用する

SassやLessなどのCSSプリプロセッサを使用すると、メディアクエリ内でネイティブ変数をより簡単に操作することができます。これらのプリプロセッサは、変数や関数などの機能を提供し、メディアクエリ内で動的に値を生成することができます。

例:Sass

$width: 100px;

.element {
  width: $width;
}

@media (max-width: 768px) {
  .element {
    width: calc($width / 2);
  }
}

CSSフレームワークを使用する

BootstrapやFoundationなどのCSSフレームワークは、メディアクエリを扱うためのユーティリティやミックスインを提供している場合があります。これらのフレームワークを使用すると、ネイティブ変数をメディアクエリ内で簡単に操作することができます。

例:Bootstrap

.element {
  width: var(--width);
}

@media (max-width: 768px) {
  .element {
    @media (max-width: 768px) {
      width: calc(var(--width) / 2);
    }
  }
}

カスタムメディアクエリを使用する

CSS Custom Properties Modules Level 4では、カスタムメディアクエリが導入されました。これは、メディアクエリで使用できる独自の条件を定義できる機能です。カスタムメディアクエリを使用して、ネイティブ変数の値をメディアクエリに基づいて動的に更新することができます。

例:カスタムメディアクエリ

:root {
  --is-small-screen: not (min-width: 769px);
}

.element {
  width: var(--width);
}

@media (--is-small-screen) {
  .element {
    width: calc(var(--width) / 2);
  }
}

これらの方法は、状況に応じて使い分けることができます。それぞれの方法の利点と欠点を理解し、プロジェクトに最適な方法を選択することが重要です。


css media-queries css-variables


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