TypeScript開発の新たな武器:カスタムエラークラスでエラーを制圧

2024-05-11

TypeScript でエラークラスを拡張する方法

JavaScript には、例外を処理するための組み込みの Error クラスがあります。しかし、アプリケーションが大きくなるにつれて、より具体的なエラー情報を提供できるカスタム エラー クラスを作成することが重要になります。TypeScript では、Error クラスを拡張して独自のエラー クラスを作成することができます。

カスタム エラー クラスを作成する利点

  • より具体的なエラー情報を提供できます。
  • エラー処理をより容易にすることができます。
  • コードをより保守しやすくなります。

カスタム エラー クラスを作成するには、次の手順を実行します。

  1. Error クラスを継承する新しいクラスを作成します。
  2. コンストラクタを定義します。コンストラクタは、エラー メッセージやその他の関連情報を受け取る必要があります。
  3. 必要に応じて、プロパティやメソッドを定義します。
  4. エラーが発生したときに、新しいエラー クラスのインスタンスをスローします。

以下の例では、ValidationError という新しいエラー クラスを作成します。このエラー クラスは、フォーム検証エラーを表すために使用されます。

class ValidationError extends Error {
  constructor(message: string) {
    super(message);
  }
}

このエラー クラスは次のように使用できます。

try {
  validateForm(data);
} catch (error) {
  if (error instanceof ValidationError) {
    console.error(error.message);
  } else {
    console.error(error);
  }
}

追加のヒント

  • さまざまな種類のエラーを表すために、複数のカスタム エラー クラスを作成できます。
  • エラー コードを定義して、エラーをより簡単に識別できるようにすることができます。
  • スタック トレースを保存して、エラーの発生場所を追跡できるようにすることができます。



TypeScript でエラークラスを拡張する:サンプルコード

以下の例は、TypeScript で Error クラスを拡張してカスタム エラー クラスを作成する方法を示しています。

class ValidationError extends Error {
  constructor(message: string) {
    super(message);
    this.name = 'ValidationError'; // エラーの名前を定義
  }
}

この例では、ValidationError という名前のカスタム エラー クラスを作成しています。このクラスは Error クラスを継承しており、コンストラクタはエラー メッセージを受け取ります。コンストラクタ内では、super() メソッドを使用して基底クラスのコンストラクタを呼び出し、エラー メッセージを message プロパティに設定します。さらに、name プロパティにエラーの名前を設定しています。

エラーが発生したときにカスタム エラー クラスをスローする

function validateForm(data: any): void {
  if (!data.name) {
    throw new ValidationError('名前は必須です'); // カスタムエラーをスロー
  }

  if (!data.email || !/@.*\./.test(data.email)) {
    throw new ValidationError('有効なメールアドレスを入力してください'); // カスタムエラーをスロー
  }
}

この例では、validateForm 関数を使用してフォーム データを検証しています。データが無効な場合、ValidationError インスタンスを作成してスローします。エラー メッセージはコンストラクタで設定されます。

エラーをキャッチして処理する

try {
  validateForm({
    name: 'John Doe',
    email: '[email protected]'
  });
} catch (error) {
  if (error instanceof ValidationError) {
    console.error('エラー:', error.message);
  } else {
    console.error('予期せぬエラーが発生しました。', error);
  }
}

この例では、try...catch ブロックを使用して、validateForm 関数からのエラーをキャッチしています。error 変数には、スローされたエラー インスタンスが格納されます。error instanceof ValidationError を使用して、エラーが ValidationError インスタンスかどうかを確認します。エラーが ValidationError インスタンスの場合は、message プロパティを使用してエラー メッセージを出力します。エラーが ValidationError インスタンスではない場合は、エラー オブジェクト全体を出力します。

この例は、TypeScript でエラークラスを拡張してカスタム エラーを作成する方法を基本的な例で示しています。具体的なニーズに合わせて、この例を拡張して、独自のエラー クラスを作成することができます。

  • 特定のライブラリや API に関連するエラーを表すカスタム エラー クラスを作成する
  • デバッグを容易にするために、追加の情報を提供するカスタム エラー クラスを作成する
  • ログ記録やレポート機能と統合するカスタム エラー クラスを作成する



TypeScript でエラークラスを拡張する:その他の方法

前述の基本的な方法に加えて、TypeScript でエラークラスを拡張する際に役立つその他の方法をいくつか紹介します。

継承とポリモーフィズムを利用する

さまざまな種類のエラーを表すために、エラー クラスの階層を作成することができます。各サブクラスは、より具体的なエラー情報を提供するために、基底クラスの機能を拡張することができます。

abstract class BaseError extends Error {
  constructor(message: string) {
    super(message);
  }
}

class ValidationError extends BaseError {
  constructor(message: string) {
    super(message);
    this.name = 'ValidationError';
  }
}

class ServerError extends BaseError {
  constructor(message: string) {
    super(message);
    this.name = 'ServerError';
  }
}

この例では、BaseError という抽象クラスを作成して、共通のプロパティとメソッドを定義しています。ValidationErrorServerErrorBaseError を継承するサブクラスで、それぞれ固有のエラー情報を提供します。

ジェネリックを使用する

エラー オブジェクトに関連付けられているデータをより柔軟に制御するために、ジェネリックを使用することができます。

class ValidationError<T> extends Error {
  constructor(message: string, public readonly errors: T) {
    super(message);
    this.name = 'ValidationError';
  }
}

この例では、ValidationError クラスをジェネリックにして、errors プロパティの型をパラメータとして受け取ります。これにより、エラー オブジェクトに任意の種類のデータを格納することができます。

Decorator を使用する

エラー クラスの機能をさらに拡張するために、デコレータを使用することができます。

function validate(target: any, propertyKey: string, descriptor: PropertyDescriptor) {
  const originalMethod = descriptor.value;
  descriptor.value = function (...args: any[]) {
    try {
      originalMethod.apply(this, args);
    } catch (error) {
      if (error instanceof ValidationError) {
        throw new ValidationError(`検証エラーが発生しました: ${error.message}`);
      } else {
        throw error;
      }
    }
  };
}

class User {
  @validate
  login(username: string, password: string): void {
    // ログイン処理
  }
}

この例では、validate デコレータを作成して、デコレータされたメソッドがスローするエラーをラップするようにします。エラーが ValidationError インスタンスの場合は、エラー メッセージに追加情報を追加してから再スローします。

型エイリアスを使用する

type ValidationErrorData = {
  field: string;
  message: string;
};

class ValidationError extends Error {
  constructor(message: string, public readonly errors: ValidationErrorData[]) {
    super(message);
    this.name = 'ValidationError';
  }
}

この例では、ValidationErrorData という型エイリアスを作成して、ValidationError オブジェクトの errors プロパティが持つデータの構造を定義します。これにより、コード的可読性と開発者エクスペリエンスが向上します。

これらの方法は、TypeScript でエラークラスを拡張して、アプリケーションのエラー処理機能をより強力で柔軟なものにするために使用できます。


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