Angular 2 の `this` と `setTimeout` の関係

2024-09-20

Angular 2 での setTimeout 内での this の扱い

Angular 2setTimeout を使用して非同期処理を行う際に、this のスコープが適切に扱われるように注意が必要です。JavaScript の this は実行コンテキストによって動的に決まるため、直接使用すると予期しない結果が生じることがあります。

問題点

  • this の誤解
    thissetTimeout 内で想定したオブジェクトを指さない可能性があります。
  • スコープの変化
    setTimeout は非同期処理であるため、その内部のコードが実行される時点では、元の関数のスコープとは異なるスコープで実行されます。

解決方法

  1. アロー関数を使用

    • アロー関数 (=>) は this をレキシカルスコープから取得するため、元の関数のスコープを保持します。
    • 以下のように、setTimeout のコールバック関数にアロー関数を使用します:
    setTimeout(() => {
        // `this` は元の関数のスコープを指します
        console.log(this.name);
    }, 1000);
    
  2. bind メソッドを使用

    • bind メソッドを使用して、this の値を固定します。
    setTimeout(function() {
        // `this` は元の関数のスコープを指します
        console.log(this.name);
    }.bind(this), 1000);
    

class MyComponent {
    name: string = 'John';

    ngOnInit() {
        setTimeout(() => {
            console.log(this.name); // 出力: John
        }, 1000);
    }
}



Angular 2 での thissetTimeout の関係: 実践例

アロー関数を使用する例

class MyComponent {
    name: string = 'John';

    ngOnInit() {
        setTimeout(() => {
            console.log(this.name); // 出力: John
        }, 1000);
    }
}
  • 解説
    • ngOnInit ライフサイクルフック内で setTimeout を使用して、1秒後に console.log を実行します。
    • アロー関数 () => {...} を使用することで、thisMyComponent インスタンスを指すようにしています。
    • 1秒後にコンソールに John が出力されます。

bind メソッドを使用する例

class MyComponent {
    name: string = 'John';

    ngOnInit() {
        setTimeout(function() {
            console.log(this.name); // 出力: John
        }.bind(this), 1000);
    }
}

間違った使用例 (アロー関数を使用しない)

class MyComponent {
    name: string = 'John';

    ngOnInit() {
        setTimeout(function() {
            console.log(this.name); // 出力: undefined
        }, 1000);
    }
}
  • 解説
    • アロー関数を使用していないため、thissetTimeout の実行コンテキスト (グローバルオブジェクト) を指します。
    • name プロパティがグローバルスコープに存在しないため、undefined が出力されます。



クラスフィールドを使用する

Angular 2 のクラスフィールドを使用することで、this を直接参照せずに変数に値を保存し、setTimeout 内で使用することができます。

class MyComponent {
    name: string = 'John';

    ngOnInit() {
        const that = this;
        setTimeout(function() {
            console.log(that.name); // 出力: John
        }, 1000);
    }
}
  • 解説
    • that という変数を宣言し、this の値を保存します。
    • setTimeout 内で that を使用することで、元の関数のスコープを指すようになります。

ES6 の let や const を使用する

ES6 のブロックスコープキーワードである letconst を使用して、変数を宣言することで、this を直接参照せずに変数に値を保存することができます。

class MyComponent {
    name: string = 'John';

    ngOnInit() {
        let that = this;
        setTimeout(function() {
            console.log(that.name); // 出力: John
        }, 1000);
    }
}
  • 解説
    • let を使用して that 変数を宣言することで、ブロックスコープ内で有効となります。

arrow 関数をネストして使用

アロー関数をネストして使用することで、外側の関数のスコープを継承することができます。

class MyComponent {
    name: string = 'John';

    ngOnInit() {
        setTimeout(() => {
            const that = this;
            setTimeout(() => {
                console.log(that.name); // 出力: John
            }, 500);
        }, 1000);
    }
}
  • 解説

javascript angular scope



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