【Node.js x SQLite】`db.serialize`でデータベース操作をシリアル化!サンプルコードで分かりやすく解説
Node.jsにおけるdb.serialize
のしくみと詳細解説
db.serialize
のしくみ
db.serialize
は、引数として渡されたコールバック関数を同期的に実行します。つまり、コールバック関数内の処理が完了するまで、その後の処理は実行されません。これは、複数のデータベース操作が互いに干渉するのを防ぎます。
具体的には、db.serialize
は以下の順序で処理を実行します。
- コールバック関数の引数として渡されたデータベースオブジェクトを使用して、データベース接続を確立します。
- コールバック関数内の処理を実行します。
- コールバック関数が完了したら、データベース接続を閉じます。
以下の例は、db.serialize
を使用して、テーブルの作成とデータの挿入を行う方法を示しています。
const sqlite3 = require('sqlite3');
const db = new sqlite3.Database(':memory:');
db.serialize(function() {
db.run('CREATE TABLE users (id INTEGER PRIMARY KEY AUTOINCREMENT, name TEXT, email TEXT)');
db.run('INSERT INTO users (name, email) VALUES (?, ?)', ['Alice', '[email protected]']);
db.run('INSERT INTO users (name, email) VALUES (?, ?)', ['Bob', '[email protected]']);
});
console.log('Database operations completed');
この例では、まずCREATE TABLE
ステートメントを使用してusers
テーブルを作成します。次に、INSERT INTO
ステートメントを使用して、2つのレコードをテーブルに挿入します。これらの操作はすべて、db.serialize
コールバック関数内で実行されるため、互いに干渉することはありません。
db.serialize
は、データベース操作のパフォーマンスを低下させる可能性があります。これは、各操作が完了するまで待機する必要があるためです。パフォーマンスが重要な場合は、非同期処理を使用することを検討してください。- 複数の非同期処理を順番に実行したい場合は、
async/await
構文と組み合わせて使用する必要があります。 db.serialize
内でのみ同期処理が可能であり、それ以外は非同期で実行されます。
const sqlite3 = require('sqlite3');
// データベースへの接続
const db = new sqlite3.Database('test.db');
// テーブルの作成
db.serialize(function() {
db.run('CREATE TABLE IF NOT EXISTS users (id INTEGER PRIMARY KEY AUTOINCREMENT, name TEXT, email TEXT)');
});
// データの挿入
db.serialize(function() {
db.run('INSERT INTO users (name, email) VALUES (?, ?)', ['Alice', '[email protected]']);
db.run('INSERT INTO users (name, email) VALUES (?, ?)', ['Bob', '[email protected]']);
});
// データの取得
db.serialize(function() {
db.all('SELECT * FROM users', function(err, rows) {
if (err) {
console.error(err);
return;
}
console.log('取得したデータ:');
rows.forEach(function(row) {
console.log(row);
});
});
});
// データの削除
db.serialize(function() {
db.run('DELETE FROM users WHERE id = ?', [1], function(err) {
if (err) {
console.error(err);
return;
}
console.log('ID 1 のデータを削除しました');
});
});
// データベースの切断
db.close();
このコードの説明
- 最初に、
sqlite3
モジュールをインポートし、データベースへの接続を確立します。 - 次に、
db.serialize
を使用して、テーブルの作成、データの挿入、データの取得、データの削除という4つの操作を実行します。 - 各操作は、
db.run
またはdb.all
メソッドを使用して実行されます。 - エラーが発生した場合は、コンソールにエラーメッセージが出力されます。
- 最後に、
db.close()
メソッドを使用してデータベース接続を閉じます。
このコードをどのように実行するか
このコードを実行するには、以下の手順を実行する必要があります。
- Node.jsをインストールします。
- コードを保存します。
- 以下のコマンドを使用してコードを実行します。
node your-file.js
- 詳細については、
sqlite3
モジュールのドキュメントを参照してください。 - このコードはあくまで例であり、ニーズに合わせて変更する必要があります。
db.serialize
は同期処理で実行されるため、パフォーマンスが低下する可能性があります。非同期処理を使用することで、パフォーマンスを向上させることができます。
以下の例は、async/await
構文を使用して非同期的にデータベース操作を実行する方法を示しています。
const sqlite3 = require('sqlite3');
async function main() {
try {
// データベースへの接続
const db = await new sqlite3.Database('test.db');
// テーブルの作成
await db.run('CREATE TABLE IF NOT EXISTS users (id INTEGER PRIMARY KEY AUTOINCREMENT, name TEXT, email TEXT)');
// データの挿入
await db.run('INSERT INTO users (name, email) VALUES (?, ?)', ['Alice', '[email protected]']);
await db.run('INSERT INTO users (name, email) VALUES (?, ?)', ['Bob', '[email protected]']);
// データの取得
const rows = await db.all('SELECT * FROM users');
console.log('取得したデータ:');
rows.forEach(row => console.log(row));
// データの削除
await db.run('DELETE FROM users WHERE id = ?', [1]);
console.log('ID 1 のデータを削除しました');
// データベースの切断
await db.close();
} catch (err) {
console.error(err);
}
}
main();
トランザクション
複数のデータベース操作を原子的に実行する必要がある場合は、トランザクションを使用する必要があります。トランザクションを使用すると、操作が成功した場合のみコミットされ、失敗した場合にはロールバックされます。
const sqlite3 = require('sqlite3');
async function main() {
try {
// データベースへの接続
const db = await new sqlite3.Database('test.db');
// トランザクションを開始
await db.beginTransaction();
// ユーザーの作成
await db.run('INSERT INTO users (name, email) VALUES (?, ?)', ['Alice', '[email protected]']);
// データの挿入
await db.run('INSERT INTO data (user_id, value) VALUES (?, ?)', [1, 'Hello, world!']);
// トランザクションをコミット
await db.commit();
console.log('操作が完了しました');
} catch (err) {
// トランザクションをロールバック
await db.rollback();
console.error(err);
} finally {
// データベースの切断
await db.close();
}
}
main();
Promise API
sqlite3
モジュールは、Promise APIも提供しています。Promise APIを使用すると、非同期処理をより簡単に記述することができます。
以下の例は、Promise APIを使用して、データの取得を行う方法を示しています。
const sqlite3 = require('sqlite3');
async function main() {
try {
// データベースへの接続
const db = new sqlite3.Database('test.db');
// データの取得
const rows = await db.promise.all('SELECT * FROM users');
console.log('取得したデータ:');
rows.forEach(row => console.log(row));
// データベースの切断
await db.close();
} catch (err) {
console.error(err);
}
}
main();
db.serialize
は、使いやすいツールですが、必ずしも最適な方法ではありません。状況に合わせて、非同期処理、トランザクション、Promise APIなどの代替手段を検討してください。
node.js database sqlite