JavaScript浮動小数点フォーマット方法

2024-09-11

JavaScriptにおける浮動小数点のフォーマット方法

JavaScriptでは、浮動小数点数をフォーマットする際に、主にtoFixed()toPrecision()、**toLocaleString()**の3つのメソッドを使用します。

toFixed(digits)


  • const number = 3.14159;
    const formattedNumber = number.toFixed(2); // 3.14
    
  • 引数
    digits - 小数点以下の桁数(整数)。
  • 用途
    小数点以下の桁数を指定して、浮動小数点数を文字列に変換します。

toPrecision(precision)

  • 引数
    precision - 有効桁数(整数)。

toLocaleString(locale, options)


  • const number = 12345.6789;
    const formattedNumber = number.toLocaleString('en-US', {
      style: 'currency',
      currency: 'USD'
    }); // $12,345.68
    
  • 引数
    • locale - ロケールの指定(省略可)。
    • options - フォーマットオプション(省略可)。
  • 用途
    ローカルのフォーマット規則に従って、浮動小数点数を文字列に変換します。

注意

  • toLocaleString()は、ロケールやオプションに応じてさまざまなフォーマットが可能ですが、ブラウザやプラットフォームによって挙動が異なる場合があります。
  • toFixed()toPrecision()は、指定した桁数を超える場合に丸めが行われます。



各メソッドの具体的な使用例と解説

const number = 3.14159265359;

// 小数点以下2桁に丸める
const formattedNumber1 = number.toFixed(2); // "3.14"

// 小数点以下0桁に丸める(整数部分のみ)
const formattedNumber2 = number.toFixed(0); // "3"
  • 解説
    • toFixed(2) は、number の小数点以下を2桁に丸め、文字列として返します。
    • toFixed(0) は、小数点以下を切り捨て、整数部分のみを返します。
const number = 3.14159265359;

// 有効桁数を4桁にする
const formattedNumber1 = number.toPrecision(4); // "3.142"

// 有効桁数を2桁にする
const formattedNumber2 = number.toPrecision(2); // "3.1"
  • 解説
    • toPrecision(4) は、number の有効桁数を4桁に調整し、文字列として返します。
    • 有効桁数とは、最初の非ゼロの数字から数えて、指定された桁数までの数字を指します。
const number = 12345.6789;

// 米国形式の通貨表示
const formattedNumber1 = number.toLocaleString('en-US', {
  style: 'currency',
  currency: 'USD'
}); // "$12,345.68"

// 日本形式の数字表示
const formattedNumber2 = number.toLocaleString('ja-JP'); // "12,345.6789"
  • 解説
    • toLocaleString() は、指定されたロケールとオプションに従って、数値を文字列に変換します。
    • style: 'currency' は通貨表示、currency: 'USD' は通貨を米ドルに設定します。
    • locale: 'ja-JP' は、日本語のロケールを指定します。
  • ES2021 の数値の桁区切り
    ES2021 から、数値の桁区切りにアンダースコア _ を使用できるようになりました。1_000_000 のように記述することで、可読性を向上させることができます。
  • 丸め誤差
    浮動小数点数の表現には限界があるため、丸め誤差が生じる場合があります。特に、0.1 + 0.2 のような計算結果が正確に 0.3 とならないことがあるので注意が必要です。

JavaScriptで浮動小数点数をフォーマットする際には、toFixed()toPrecision()toLocaleString() の3つのメソッドが主なものとして使用されます。それぞれのメソッドの特性を理解し、適切なメソッドを選択することで、目的に合わせたフォーマットを行うことができます。

  • 各ブラウザの挙動に違いがある場合がありますので、注意が必要です。
  • より高度なフォーマットが必要な場合は、ライブラリを利用することも検討できます。



標準メソッド以外の選択肢

JavaScriptでは、toFixed()toPrecision()toLocaleString()といった標準のメソッド以外にも、浮動小数点数をフォーマットする方法がいくつか存在します。

テンプレートリテラルと文字列結合

  • 解説
    • テンプレートリテラルを利用することで、変数を埋め込みながら自由に文字列を構築できます。
    • 標準メソッドと組み合わせて、より複雑なフォーマットも可能です。
  • シンプルで柔軟な方法
    const num = 3.14159;
    const formattedNum = `小数点以下2桁まで: ${num.toFixed(2)}`;
    console.log(formattedNum); // "小数点以下2桁まで: 3.14"
    

正規表現

  • 解説
    • 正規表現を用いて、数値にカンマを挿入するなどの細かい調整が可能です。
    • 複雑なフォーマットには、正規表現の知識が必要となります。
  • 高度なカスタマイズ
    const num = 12345.6789;
    const formattedNum = num.toFixed(2).replace(/\B(?=(\d{3})+(?!\d))/g, ',');
    console.log(formattedNum); // "12,345.68"
    

ライブラリ

カスタム関数

  • 解説
    • 独自のロジックでフォーマット処理を実装できます。
    • 複雑なフォーマットや、特定の要件に合わせたカスタマイズに適しています。
  • 完全な自由度
    function formatNumber(num, decimalPlaces) {
      const parts = num.toFixed(decimalPlaces).split('.');
      parts[0] = parts[0].replace(/\B(?=(\d{3})+(?!\d))/g, ',');
      return parts.join('.');
    }
    
    const formattedNum = formatNumber(1234567.89, 2);
    console.log(formattedNum); // "1,234,567.89"
    

どの方法を選ぶべきか?

  • 完全な自由度
    カスタム関数
  • 高度なフォーマットや特定の用途
    ライブラリ
  • 柔軟なフォーマット
    テンプレートリテラル、正規表現
  • シンプルで一般的なフォーマット
    toFixed()toPrecision()toLocaleString()

選択のポイントは、

  • 保守性
  • パフォーマンス
  • 可読性
  • 必要な機能
  • フォーマットの複雑さ

などです。


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