Angular2配列変更検出方法

2024-10-27

Angular 2 では、@Input プロパティを使って、親コンポーネントから子コンポーネントにデータを伝達することができます。このとき、配列型のデータを伝達した場合、配列内の要素が変更されたときに、子コンポーネントでその変更を検出する必要があります。

基本的な方法

Angular はデフォルトで、配列の参照が変更された場合にのみ変更を検出します。つまり、配列自体が新しいオブジェクトに置き換えられた場合のみ、子コンポーネントの ngOnChanges ライフサイクルフックがトリガーされます。

配列内の要素の変更を検出する方法

配列内の要素が変更された場合でも、参照が同じであれば、Angular は変更を検出しません。そのため、以下のような手法を用いて、変更を検出することができます。

ngOnChanges ライフサイクルフックと OnChanges インターフェース

import { Component, Input, OnChanges, SimpleChanges } from '@angular/core';

@Component({
  // ...
})
export class ChildComponent implements OnChanges {
  @Input() items: any[] = [];

  ngOnChanges(changes: SimpleChanges) {
    if (changes['items']) {
      const currentItems = changes['items'].currentValue;
      // 配列内の要素の変更を検出するロジックをここに記述
    }
  }
}

DoCheck ライフサイクルフックと DoCheck インターフェース

import { Component, Input, DoCheck } from '@angular/core';

@Component({
  // ...
})
export class ChildComponent implements DoCheck {
  @Input() items: any[] = [];
  private previousItems: any[] = [];

  ngDoCheck() {
    if (this.items !== this.previousItems) {
      // 配列内の要素の変更を検出するロジックをここに記述
      this.previousItems = this.items;
    }
  }
}

Immutable.js

Immutable.js を使用することで、配列の変更を検出しやすくすることができます。Immutable.js は、配列の変更時に新しいオブジェクトを返すため、Angular は簡単に変更を検出できます。

注意

  • Immutable.js は、より複雑なデータ構造を扱う場合に特に有用です。
  • DoCheck ライフサイクルフックは、パフォーマンスに影響を与える可能性があります。頻繁なチェックが必要な場合にのみ使用してください。



import { Component, Input, OnChanges, SimpleChanges } from '@angular/core';

@Component({
  selector: 'app-child',
  template: `
    <ul>
      <li *ngFor="let item of items">{{ item }}</li>
    </ul>
  `
})
export class ChildComponent implements OnChanges {
  @Input() items: any[] = [];

  ngOnChanges(changes: SimpleChanges) {
    if (changes['items']) {
      const currentItems = changes['items'].currentValue;
      console.log('配列が変更されました:', currentItems);
    }
  }
}
import { Component, Input, DoCheck } from '@angular/core';

@Component({
  selector: 'app-child',
  template: `
    <ul>
      <li *ngFor="let item of items">{{ item }}</li>
    </ul>
  `
})
export class ChildComponent implements DoCheck {
  @Input() items: any[] = [];
  private previousItems: any[] = [];

  ngDoCheck() {
    if (this.items !== this.previousItems) {
      console.log('配列が変更されました:', this.items);
      this.previousItems = this.items;
    }
  }
}
import { Component, Input } from '@angular/core';
import { List } from 'immutable';

@Component({
  selector: 'app-child',
  template: `
    <ul>
      <li *ngFor="let item of items.toArray()">{{ item }}</li>
    </ul>
  `
})
export class ChildComponent {
  @Input() items: List<any> = List();
}

コードの説明

  1. ngOnChanges

    • ngOnChanges ライフサイクルフックは、@Input プロパティの値が変更されたときに呼び出されます。
    • SimpleChanges オブジェクトには、変更されたプロパティとその前の値と現在の値が含まれています。
    • items プロパティが変更された場合、currentItems に現在の値を取得し、変更を検出します。
  2. DoCheck

    • DoCheck ライフサイクルフックは、Angular の変更検出サイクルのたびに呼び出されます。
    • previousItems プロパティに前回の配列を保存し、現在の配列と比較して変更を検出します。



OnPush Change Detection Strategy

OnPush 戦略は、コンポーネントの変更検出を最適化する方法です。デフォルトの Default 戦略では、Angular はすべてのコンポーネントを常にチェックしますが、OnPush 戦略では、入力プロパティの参照が変更された場合にのみチェックされます。

@Component({
  selector: 'app-child',
  template: `
    <ul>
      <li *ngFor="let item of items">{{ item }}</li>
    </ul>
  `,
  changeDetection: ChangeDetectionStrategy.OnPush
})
export class ChildComponent {
  @Input() items: any[];
}

この戦略を使用する場合、配列内の要素が変更されても、参照が同じであれば、コンポーネントは再レンダリングされません。そのため、配列の変更を検出するには、新しい配列を生成して入力プロパティに割り当てる必要があります。

RxJS を利用したアプローチ

RxJS を使用して、配列の変更を監視し、コンポーネントを更新することができます。

import { Component, Input, OnInit, OnDestroy } from '@angular/core';
import { BehaviorSubject, Subscription } from 'rxjs';

@Component({
  selector: 'app-child',
  template: `
    <ul>
      <li *ngFor="let item of items$ | async">{{ item }}</li>
    </ul>
  `
})
export class ChildComponent implements OnInit, OnDestroy {
  @Input() items$: BehaviorSubject<any[]> = new BehaviorSubject([]);
  private subscription: Subscription;

  ngOnInit() {
    this.subscription = this.items$.subscribe(items => {
      // 配列が変更されたときの処理
    });
  }

  ngOnDestroy() {
    this.subscription.unsubscribe();
  }
}

この方法では、親コンポーネントから BehaviorSubject を渡すことで、子コンポーネントは配列の変更をリアルタイムで監視できます。

選択する手法

最適な手法は、アプリケーションの要件とパフォーマンスのバランスによって異なります。

  • RxJS を利用したアプローチは、より柔軟な方法で配列の変更を検出できますが、コードの複雑さが増す可能性があります。
  • OnPush 戦略は、パフォーマンスを向上させることができますが、配列の変更を検出するために新しい配列を生成する必要があるため、注意が必要です。

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