JavaScript継承エラー解決
JavaScript, TypeScript, TypeORMにおける「TypeError: Class extends value undefined is not a function or null」エラーの説明
エラーの意味
このエラーは、あるクラスが、関数またはnull以外の値を継承しようとしているときに発生します。通常、クラスは他のクラスから継承することで、そのクラスのメソッドやプロパティを再利用することができます。しかし、継承の対象が関数やnullでない場合、JavaScriptの継承の仕組みが適切に機能せず、このエラーが発生します。
発生原因
このエラーの一般的な原因は以下のようなものです。
- 継承先のクラスが正しく定義されていない
- クラス定義が間違っている、または存在しない場合、継承先が
undefined
となり、エラーが発生します。 - 例:
class ChildClass extends UndefinedClass {}
- クラス定義が間違っている、または存在しない場合、継承先が
- 継承先のクラスが関数またはnullになっている
- 継承先のクラスが誤って関数やnullに割り当てられている場合、エラーが発生します。
- 継承の構文が間違っている
- 継承の構文が誤っている場合、エラーが発生します。
- 例:
class ChildClass extends ParentClass, AnotherClass {}
(正しい構文は単一継承のみ)
- モジュールシステムの問題
解決方法
- 継承先のクラス定義を確認する
- クラス定義が正しいことを確認し、存在することを保証します。
- 継承先のクラスが関数またはnullでないことを確認する
- 継承先のクラスが正しく定義されていることを確認し、関数やnullに割り当てられていないことを保証します。
- 継承の構文を正しく使用する
- モジュールシステムの問題を解決する
TypeORMの場合
TypeORMでは、エンティティクラスが継承される場合、継承先のクラスが BaseEntity
を継承している必要があります。この条件が満たされていない場合、エラーが発生する可能性があります。
例
import { Entity, Column, PrimaryGeneratedColumn, BaseEntity } from 'typeorm';
@Entity()
export class ParentEntity extends BaseEntity {
@PrimaryGeneratedColumn()
id: number;
@Column()
name: string;
}
@Entity()
export class ChildEntity extends ParentEntity { // 継承先がBaseEntityを継承している
@Column()
age: number;
}
JavaScript継承エラーの解決例
エラー: TypeError: Class extends value undefined is not a function or null
このエラーは、あるクラスが、関数またはnull以外の値を継承しようとしているときに発生します。
// 不適切な継承
class ChildClass extends undefined {} // undefinedはクラスではありません
正しいクラスを継承する
class ParentClass { // ... } class ChildClass extends ParentClass { // ... }
モジュールシステムの読み込みを確認する
// CommonJS const ParentClass = require('./ParentClass'); class ChildClass extends ParentClass { // ... } // ES Modules import ParentClass from './ParentClass.js'; class ChildClass extends ParentClass { // ... }
エラー: JavaScript継承エラー
このエラーは、継承に関するさまざまな問題が発生した場合に発生する可能性があります。
// 多重継承(サポートされていない)
class ChildClass extends ParentClass1, ParentClass2 {}
// 循環継承
class ClassA extends ClassB {}
class ClassB extends ClassA {}
// 継承先のクラスが関数またはnull
class ChildClass extends someFunction {}
単一継承を使用する
循環継承を避ける
継承先のクラスがクラスであることを確認する
継承先のクラスが関数やnullでないことを確認します。
例: 循環継承の回避
// 循環継承
class ClassA extends ClassB {}
class ClassB extends ClassA {}
// 委譲パターン
class ClassA {
// ...
}
class ClassB {
constructor() {
this.a = new ClassA();
}
// ...
}
代替手法:
-
ミックスイン
- 複数のクラスから複数のメソッドやプロパティを組み合わせて新しいクラスを作成する手法です。
- Object.assign()やspread構文を使用して、複数のオブジェクトのプロパティを結合します。
function MixinA() { this.methodA = function() { // ... }; } function MixinB() { this.methodB = function() { // ... }; } class MyClass extends MixinA, MixinB { // ... }
-
委譲
- あるクラスが別のクラスのインスタンスを内部に保持し、そのインスタンスのメソッドやプロパティを呼び出す手法です。
- 継承よりも柔軟性があり、循環継承の問題を回避できます。
class ClassA { // ... } class ClassB { constructor() { this.a = new ClassA(); } methodB() { return this.a.methodA(); } }
-
プロトタイプチェーンの操作
- JavaScriptのオブジェクトはプロトタイプチェーンを持っています。プロトタイプチェーンを直接操作することで、継承のような効果を実現できます。
function ParentClass() { // ... } ParentClass.prototype.methodA = function() { // ... }; function ChildClass() { // ... } ChildClass.prototype = Object.create(ParentClass.prototype); ChildClass.prototype.constructor = ChildClass ;
-
クラスシンボル
- ES6以降で導入されたクラスシンボルを使用することで、クラスのメタデータを管理し、継承やミックスインをより柔軟に実装できます。
const ParentClassSymbol = Symbol('ParentClass'); const ChildClassSymbol = Symbol('ChildClass'); class ParentClass { static [ParentClassSymbol] = true; } class ChildClass extends ParentClass { static [ChildClassSymbol] = true; } function isParentClass(obj) { return obj && obj.constructor[ParentClassSymbol]; }
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