jQuery DeferredsとPromisesの解説
jQueryのDeferredsとPromises: .then() vs .done()
jQueryのDeferredオブジェクトは、非同期操作の完了や失敗を管理するための仕組みです。このオブジェクトには、"promise"という概念が関連しています。Promiseは、Deferredオブジェクトの現在の状態(未解決、解決、失敗)を表すものです。
.then()メソッド
- 戻り値
新しいPromiseオブジェクトを返します。 - 引数
2つの関数を受け取ります。- 第1引数: 非同期操作が成功した場合に実行される関数。
- 目的
複数の非同期操作を連鎖的に実行する。
例
$.ajax('data.json')
.then(function(data) {
// 非同期操作が成功した場合の処理
console.log(data);
})
.then(function() {
// 2つ目の非同期操作が成功した場合の処理
})
.catch(function(error) {
// 非同期操作が失敗した場合の処理
console.error(error);
});
.done()メソッド
- 戻り値
自分自身(Deferredオブジェクト)を返します。 - 引数
複数の関数を受け取ることができます。
$.ajax('data.json')
.done(function(data) {
// 非同期操作が成功した場合の処理
console.log(data);
})
.fail(function(error) {
// 非同期操作が失敗した場合の処理
console.error(error);
});
.then()と.done()の比較
- 失敗処理
.then()メソッドは.catch()メソッドを使用して失敗時の処理を指定します。.done()メソッドは.fail()メソッドを使用します。 - 連鎖
.then()メソッドは新しいPromiseオブジェクトを返し、複数の非同期操作を連鎖させることができます。.done()メソッドはDeferredオブジェクトを返し、連鎖はできません。 - 機能
両メソッドとも非同期操作の成功時の処理を指定します。
- **.done()**は、単一の非同期操作の成功時の処理を指定したい場合に使用します。
- **.then()**は、複数の非同期操作を連鎖して実行したい場合に使用します。
jQueryのDeferredsとPromisesの解説: 実践的な例
.then()メソッドの例: 連鎖的な非同期操作
$.ajax('data.json')
.then(function(data) {
// 非同期操作が成功した場合の処理
console.log('データを取得しました:', data);
return $.ajax('another_data.json');
})
.then(function(data) {
// 2つ目の非同期操作が成功した場合の処理
console.log('2つ目のデータを取得しました:', data);
})
.catch(function(error) {
// 非同期操作が失敗した場合の処理
console.error('エラーが発生しました:', error);
});
この例では、まずdata.json
を取得し、その成功後にanother_data.json
を取得しています。これにより、複数の非同期操作を連鎖的に実行することができます。
.done()メソッドの例: 単一の非同期操作
$.ajax('data.json')
.done(function(data) {
// 非同期操作が成功した場合の処理
console.log('データを取得しました:', data);
})
.fail(function(error) {
// 非同期操作が失敗した場合の処理
console.error('エラーが発生しました:', error);
});
この例では、単一の非同期操作であるdata.json
の取得に対して、成功時の処理と失敗時の処理を指定しています。
Deferredオブジェクトの直接使用
var deferred = $.Deferred();
// 非同期操作をトリガーする
setTimeout(function() {
deferred.resolve('成功しました');
}, 1000);
// 非同期操作が完了した時の処理
deferred.done(function(result) {
console.log(result);
});
この例では、直接Deferredオブジェクトを作成し、非同期操作が完了したときにresolve()
メソッドを呼び出して成功を通知しています。その後、done()
メソッドで成功時の処理を指定しています。
Promises/A+
- 例
const promise = new Promise((resolve, reject) => { setTimeout(() => { resolve('成功'); }, 1000); }); promise.then(result => { console.log(result); }).catch(error => { console.error(error); });
- 利点
さまざまなライブラリやフレームワークで共通のPromise APIを使用できるため、コードの可読性と移植性が向上します。
async/await
- 例
async function fetchData() { const response = await fetch('data.json'); const data = await response.json(); console.log(data); } fetchData();
- 利点
非同期コードをより読みやすく、理解しやすいコードにできます。
Observable
- 例
import { fromEvent } from 'rxjs'; import { map } from 'rxjs/operators'; const click$ = fromEvent(document, 'click'); click$.pipe( map(event => event.target.tagName) ).subscribe(tagName => { console.log(tagName); });
- 利点
非同期操作だけでなく、リアルタイムデータやイベントの処理にも適しています。
コールバック関数
- 例
function fetchData(url, callback) { const xhr = new XMLHttpRequest(); xhr.open('GET', url); xhr.onload = () => { if (xhr.status === 200) { callback(null, JSON.parse(xhr.responseText)); } else { callback(new Error('エラーが発生しました')); } }; xhr.send(); } fetchData('data.json', (error, data) => { if (error) { console.error(error); } else { console.log(data); } });
- 利点
シンプルで理解しやすいですが、コールバック地獄と呼ばれる問題が生じることがあります。
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