JavaScriptでハッシュ変更を検知する
JavaScriptにおけるロケーションハッシュの変化検知
ロケーションハッシュとは
URLのアンカー部分(#以降)の文字列です。ページ内の特定の要素にリンクしたり、状態を保存するために使用されます。
ロケーションハッシュの変更を検知する
JavaScriptでは、window.location.hash
プロパティを使用してロケーションハッシュを取得・設定できます。このプロパティを監視し、変更があったときにイベントをトリガーすることで、ロケーションハッシュの変化を検知することができます。
方法1: onhashchange
イベントを使用する
最もシンプルな方法は、onhashchange
イベントを使用することです。このイベントは、ロケーションハッシュが変更されたときに発生します。
window.onhashchange = function() {
var newHash = window.location.hash;
// ロケーションハッシュが変更されたときの処理
console.log("New hash:", newHash);
};
方法2: setInterval
を使用して定期的にチェックする
setInterval
関数を用いて、一定間隔でロケーションハッシュをチェックすることもできます。ただし、この方法はパフォーマンスに影響を与える可能性があります。
function checkHash() {
var currentHash = window.location.hash;
if (currentHash !== previousHash) {
// ロケーションハッシュが変更されたときの処理
console.log("New hash:", currentHash);
}
previousHash = currentHash;
}
setInterval(checkHash, 100); // 100ミリ秒ごとにチェック
方法3: MutationObserver API を使用する
MutationObserver
API を使用すると、DOMツリーの変更を監視することができます。ロケーションハッシュが変更されると、URLが更新され、DOMツリーも変更されるため、この方法でも検知できます。
var observer = new MutationObserver(function(mutations) {
mutations.forEach(function(mutation) {
if (mutation.type === "attributes" && mutation.attributeNa me === "href") {
// ロケーションハッシュが変更されたときの処理
console.log("New hash:", window.location.hash);
}
});
});
var config = { attributes: true, attributeFilter: ["href"] };
observer.observe(document.location, config);
注意
- AJAXリクエスト
AJAXリクエストがロケーションハッシュを変更した場合、これらの方法を使用して検知することができます。ただし、AJAXリクエストの処理中にロケーションハッシュが変更されると、検知が遅れる場合があります。 - ブラウザサポート
onhashchange
イベントはすべてのモダンブラウザでサポートされていますが、古いブラウザではサポートされていない場合があります。そのような場合は、setInterval
やMutationObserver
API を使用してください。
JavaScriptでロケーションハッシュの変化を検知するコードの解説
window.onhashchange = function() {
var newHash = window.location.hash;
// ロケーションハッシュが変更されたときの処理
console.log("New hash:", newHash);
};
解説
- console.log("New hash:", newHash);
コンソールに新しいハッシュを出力します。この部分を、ハッシュが変更された際に実行したい任意の処理に置き換えることができます。 - var newHash = window.location.hash;
変更後のハッシュを取得し、newHash
変数に格納します。 - window.onhashchange
このイベントリスナーは、ブラウザのURLのハッシュ部分(#以降)が変更されるたびに呼び出されます。
例
ハッシュに応じてコンテンツを切り替える場合
window.onhashchange = function() {
var hash = window.location.hash.substr(1); // #記号を除く
if (hash === 'section1') {
// section1の内容を表示
document.getElementById('section1').style.display = 'block';
// 他のセクションを非表示
document.getElementById('section2').style.display = 'none';
} else if (hash === 'section2') {
// section2の内容を表示
// ...
}
};
function checkHash() {
var currentHash = window.location.hash;
if (currentHash !== previousHash) {
// ロケーションハッシュが変更されたときの処理
console.log("New hash:", currentHash);
}
previousHash = currentHash;
}
setInterval(checkHash, 100); // 100ミリ秒ごとにチェック
- setInterval
checkHash
関数を100ミリ秒ごとに呼び出します。この間隔は適宜調整してください。 - checkHash関数
定期的に実行される関数です。現在のハッシュと前回のハッシュを比較し、変更があれば処理を実行します。
注意点
- パフォーマンス
setInterval
を使用すると、ブラウザの処理負荷が増加する可能性があります。頻繁にハッシュが変更される場合は、onhashchange
イベントの使用を検討してください。
var observer = new MutationObserver(function(mutations) {
mutations.forEach(function(mutation) {
if (mutation.type === "attributes" && mutation.attributeNa me === "href") {
// ロケーションハッシュが変更されたときの処理
console.log("New hash:", window.location.hash);
}
});
});
var config = { attributes: true, attributeFilter: ["href"] };
observer.observe(document.location, config);
- observe
document.location
を監視し、href
属性が変更されたときにコールバック関数を呼び出します。 - MutationObserver
DOMの変更を監視するオブジェクトです。
- 複雑さ
onhashchange
イベントに比べて実装が複雑です。単純なハッシュ変更の検知には、onhashchange
イベントの使用が推奨されます。
- MutationObserver API
DOMの変更を監視する汎用的なAPIですが、ハッシュ変更の検知にはオーバースペックな場合があります。 - setInterval
定期的にハッシュをチェックする手法ですが、パフォーマンスに注意が必要です。 - onhashchangeイベント
ハッシュ変更を検知する最もシンプルかつ一般的な方法です。
どの方法を選ぶべきか
- 柔軟性
MutationObserver
APIは、より複雑なDOM操作を伴う場合に有効です。 - パフォーマンス
頻繁にハッシュが変更される場合は、onhashchange
イベントが最適です。 - シンプルさ
onhashchange
イベントが最も簡単です。
具体的なユースケースに合わせて、適切な方法を選択してください。
- より詳細な情報については、MDN Web Docsの「hashchangeイベント」を参照してください。
- 上記のコード例は基本的なものです。実際の開発では、エラー処理やブラウザの互換性などを考慮する必要があります。
1 MutationObserver API を活用した詳細な監視
MutationObserver
API は、DOM の変更を監視する強力なツールです。onhashchange
イベントは、URLのハッシュ部分の変更に特化していますが、MutationObserver
API はより広範囲なDOMの変化を検知できます。
// URL要素を取得
const urlElement = document.querySelector('a[href]');
// MutationObserverの設定
const observer = new MutationObserver(mutations => {
mutations.forEach(mutation => {
if (mutation.type === 'attributes' && mutation.attributeN ame === 'href') {
console.log('ハッシュが変更されました:', window.location.hash);
}
});
});
// 監視開始 (href属性の変化を監視)
observer.observe(urlElement, { attributes: true, attributeFilter: ['href'] });
- デメリット
- 設定が複雑になりがち。
- パフォーマンスへの影響を考慮する必要がある。
- メリット
onhashchange
イベントでは検知できない、より詳細なDOMの変化を捉えられる。- カスタムなトリガー条件を設定できる。
2 定期的なポーリング (setInterval) を高度化する
setInterval
を用いたポーリングは単純ですが、ポーリング間隔を短くしすぎるとパフォーマンスに影響を与えます。より効率的なポーリングを実現するために、以下のテクニックが考えられます。
- リクエストアニメーションフレーム
requestAnimationFrame
を利用することで、ブラウザの描画タイミングに合わせてポーリングを行い、パフォーマンスを最適化する。 - 前回のハッシュ値との比較
毎回すべてのDOMを走査するのではなく、前回のハッシュ値と比較することで、不要な処理を減らす。
let previousHash = window.location.hash;
function checkHash() {
const currentHash = window.location.hash;
if (currentHash !== previousHash) {
console.log('ハッシュが変更されました:', currentHash);
previousHash = currentHash;
}
requestAnimationFrame(checkHash);
}
checkHash();
3 ライブラリを活用する
History.js
や jQuery.address
などのライブラリは、ブラウザの履歴操作をより柔軟に扱うための機能を提供しており、ロケーションハッシュの管理も簡単に行えます。これらのライブラリは、クロスブラウザ対応や追加機能が充実しているため、複雑な実装を避けたい場合に便利です。
選択する際の注意点
- クロスブラウザ対応
古いブラウザでは、一部の機能がサポートされていない場合があります。 - 複雑さ
MutationObserver
API やライブラリは、設定が複雑になる場合があります。 - パフォーマンス
setInterval
はポーリング間隔に注意が必要です。requestAnimationFrame
を利用することで、パフォーマンスを改善できます。 - 検知の精度
onhashchange
イベントはハッシュ変更に特化していますが、MutationObserver
API はより広範囲な変化を検知できます。
ロケーションハッシュの変化検知には、onhashchange
イベント以外にも様々な方法があります。それぞれの方法にはメリットとデメリットがあるため、プロジェクトの要件や規模に合わせて最適な方法を選択することが重要です。
選択のポイント
- 機能性
ライブラリ - パフォーマンス
requestAnimationFrame
を利用したポーリング
ご自身のプロジェクトに合った方法を見つけて、より良いWebアプリケーションを開発してください。
さらに詳しく知りたい場合は、以下のキーワードで検索してみてください。
- jQuery.address
- History.js
- requestAnimationFrame
javascript ajax dom-events