Reactのrefの挙動を理解しよう!componentDidMountとrefコールバックの関係
React における componentDidMount と ref コールバックの呼び出し順序
React では、ref コールバックは常に componentDidMount または componentDidUpdate より前に呼び出されます。これは、コンポーネントのマウントまたは更新時に DOM 要素へのアクセスが必要な場合に、ref を安全に使用できることを保証します。
詳細
- ref コールバック は、コンポーネントがマウントされるときに React によって呼び出される関数です。このコールバックには、DOM 要素への参照が渡されます。
例
class MyComponent extends React.Component {
constructor(props) {
super(props);
this.myRef = null;
}
componentDidMount() {
console.log('componentDidMount called');
console.log('this.myRef:', this.myRef); // null
}
render() {
return (
<div ref={(el) => this.myRef = el}>
<h1>My Component</h1>
</div>
);
}
}
この例では、ref
属性を使用して MyComponent
コンポーネントの DOM 要素への参照を取得しています。ref
コールバックは、コンポーネントがマウントされるときに呼び出され、this.myRef
変数に DOM 要素への参照を格納します。
componentDidMount
メソッドは、ref
コールバックの後に呼び出されます。このため、this.myRef
変数はまだ null
になっています。
ref コールバックを使用する利点
- ライフサイクルメソッドよりも前に呼び出される
- コンポーネントのマウントまたは更新時にのみ実行される
- DOM 要素への直接アクセスが可能
- 条件付きレンダリングを使用している場合は、レンダリングされない要素には ref が設定されないことに注意する必要があります。
setState
を使用してref
コールバック内で ref を更新しないこと。これは非同期であり、componentDidMount
が先に実行される可能性があります。
class MyComponent extends React.Component {
constructor(props) {
super(props);
this.myInputRef = null;
}
componentDidMount() {
console.log('componentDidMount called');
console.log('this.myInputRef.value:', this.myInputRef.value); // 入力値を出力
}
render() {
return (
<div>
<input type="text" ref={(el) => this.myInputRef = el} />
<button onClick={() => console.log('ボタンがクリックされました')}>送信</button>
</div>
);
}
}
このコードでは、次のことが行われます。
MyComponent
コンポーネントが作成されます。- コンストラクタで、
myInputRef
変数がnull
に初期化されます。 componentDidMount
メソッドでは、this.myInputRef.value
を使用して入力フィールドの現在の値がコンソールに出力されます。render
メソッドでは、入力フィールドとボタンを含むdiv
要素が返されます。- 入力フィールドには
ref
属性が設定されており、this.myInputRef
変数に DOM 要素への参照を格納します。
この例では、componentDidMount
メソッド内で ref
を使用して入力フィールドの値を取得しています。これは、コンポーネントがマウントされた直後にユーザーが入力した値を取得する場合に役立ちます。
ref
を使用して DOM 要素を操作する場合は、パフォーマンスとアクセシビリティを考慮することが重要です。詳細については、React のドキュメントを参照してください。
React で componentDidMount
以外に ref を取得する方法
useRef フック
useRef
フックは、関数コンポーネントで ref を使用する最も一般的な方法です。このフックは、React 16.8 で導入されました。
function MyComponent() {
const myRef = useRef(null);
useEffect(() => {
console.log('myRef.current:', myRef.current); // DOM 要素を出力
}, []);
return (
<div ref={myRef}>
<h1>My Component</h1>
</div>
);
}
useRef
フックを使用して、myRef
という名前の ref 変数が作成されます。useEffect
フックを使用して、myRef.current
がコンソールに出力されます。これは、コンポーネントがレンダリングされた後に実行されます。ref
属性を使用して、myRef
変数に DOM 要素への参照が格納されます。
利点
- シンプルで分かりやすい
- 関数コンポーネントで簡単に ref を使用できる
短所
useEffect
フックを使用する必要があるため、少し冗長になる可能性がある
コールバック ref
コールバック ref は、React 16.3 で導入された、より高度な ref の使用方法です。
class MyComponent extends React.Component {
constructor(props) {
super(props);
this.myRef = null;
}
render() {
return (
<div ref={(el) => { this.myRef = el; }}>
<h1>My Component</h1>
</div>
);
}
}
render
メソッドで、ref
属性にコールバック関数を渡されます。この関数は、DOM 要素への参照をthis.myRef
変数に格納します。
- コンポーネントのマウント、更新、アンマウント時に ref を更新できる
componentDidMount
以外にも ref を取得できる
useRef
フックよりも複雑で分かりにくい
forwardRef
forwardRef
は、高階コンポーネントを使用して ref を子コンポーネントに渡すための方法です。
const MyInput = React.forwardRef((props, ref) => {
return <input ref={ref} {...props} />;
});
class MyComponent extends React.Component {
constructor(props) {
super(props);
this.myInputRef = null;
}
render() {
return (
<div>
<MyInput ref={(el) => this.myInputRef = el} />
<button onClick={() => console.log('ボタンがクリックされました')}>送信</button>
</div>
);
}
}
MyInput
という名前の高階コンポーネントが作成されます。MyInput
コンポーネントは、ref
プロップを受け取り、DOM 要素への参照をref
引数に渡します。MyComponent
コンポーネントで、MyInput
コンポーネントにref
属性を渡してmyInputRef
変数に DOM 要素への参照を格納します。
- 子コンポーネントに ref を渡すことができる
forwardRef
と高階コンポーネントの概念を理解する必要があるため、最も複雑な方法
componentDidMount
以外にも、React コンポーネントで ref を取得するにはいくつかの方法があります。どの方法を使用するかは、特定のニーズと好みによって異なります。
- 子コンポーネントに ref を渡す必要がある場合は、
forwardRef
を使用します。 componentDidMount
以外にも ref を取得する必要がある場合は、コールバック ref を使用します。- シンプルで分かりやすい方法が必要な場合は、
useRef
フックを使用するのがおすすめです。
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