ReactJS 関数コンポーネントのライフサイクル:Hooks vs HOC vs Render Props

2024-04-02

ReactJS 関数コンポーネント内のライフサイクルメソッド

主要なライフサイクルフック

useState

コンポーネントの状態 (state) を管理するためのフックです。初期値と状態更新関数を返す配列を取得します。

const [count, setCount] = useState(0);

useEffect

副作用処理 (DOM 操作や API 呼び出しなど) を実行するためのフックです。マウント時、更新時、アンマウント時に実行される関数を登録できます。

useEffect(() => {
  // DOM 操作
  document.title = `Count: ${count}`;
}, [count]);

useMemo

値をキャッシュして再計算を抑制するためのフックです。引数で渡した関数を元に値を生成し、依存関係のリストに基づいて再計算のタイミングを制御します。

const memoizedValue = useMemo(() => {
  // 計算コストの高い処理
  return expensiveCalculation();
}, [count]);

useRef

DOM 要素やその他の変数を永続的に保持するためのフックです。オブジェクトを生成し、そのプロパティに値を格納できます。

const ref = useRef(null);

useEffect(() => {
  // DOM 要素を取得
  const element = ref.current;
  // ...
}, []);

その他のライフサイクルフック

上記以外にも、useReduceruseContext など、様々なライフサイクルフックが存在します。詳細は React 公式ドキュメントを参照してください。

関数コンポーネントでは、クラスコンポーネントのようにライフサイクルメソッドを直接定義することはできません。しかし、フックを使うことで、状態管理、副作用処理、パフォーマンス最適化など、様々なライフサイクルイベントに対応することができます。




function Counter() {
  const [count, setCount] = useState(0);

  useEffect(() => {
    // タイトル更新
    document.title = `Count: ${count}`;
  }, [count]);

  const ref = useRef(null);

  useEffect(() => {
    // DOM 要素を取得
    const element = ref.current;
    if (element) {
      element.textContent = count;
    }
  }, [count]);

  const handleClick = () => {
    // カウントアップ
    setCount(count + 1);
  };

  return (
    <div>
      <button onClick={handleClick}>カウントアップ</button>
      <span ref={ref}>{count}</span>
    </div>
  );
}

このコードでは、以下の処理が行われます。

  1. useState フックを使って、初期値 0 の状態変数 count と、その更新関数 setCount を定義します。
  2. useEffect フックを使って、count の値が更新されるたびに、ドキュメントのタイトルを更新します。
  3. useRef フックを使って、span 要素への参照を取得し、count の値を表示します。
  4. handleClick 関数は、count の値を 1 増やします。

このコードは、関数コンポーネントでも状態管理、副作用処理、DOM 操作など、様々なライフサイクルイベントに対応できることを示しています。




ReactJS 関数コンポーネント内でライフサイクルメソッドを実装するその他の方法

Higher-Order Components (HOC)

HOC は、コンポーネントに機能を追加するためのラッパーコンポーネントです。ライフサイクルメソッドを追加する HOC を作成することで、その機能を他のコンポーネントに簡単に適用できます。

const withCounter = (Component) => {
  const [count, setCount] = useState(0);

  useEffect(() => {
    // タイトル更新
    document.title = `Count: ${count}`;
  }, [count]);

  const handleClick = () => {
    // カウントアップ
    setCount(count + 1);
  };

  return (
    <Component count={count} handleClick={handleClick} />
  );
};

const App = () => {
  return (
    <div>
      <withCounter>
        {({ count, handleClick }) => (
          <div>
            <button onClick={handleClick}>カウントアップ</button>
            <span>{count}</span>
          </div>
        )}
      </withCounter>
    </div>
  );
};

この例では、withCounter という HOC を作成し、counthandleClick という props をコンポーネントに渡しています。

Render Props は、コンポーネント間でレンダリングロジックを共有するための方法です。ライフサイクルメソッドをラップした Render Props コンポーネントを作成することで、その機能を他のコンポーネントに簡単に適用できます。

const Counter = ({ render }) => {
  const [count, setCount] = useState(0);

  useEffect(() => {
    // タイトル更新
    document.title = `Count: ${count}`;
  }, [count]);

  const handleClick = () => {
    // カウントアップ
    setCount(count + 1);
  };

  return render({ count, handleClick });
};

const App = () => {
  return (
    <div>
      <Counter>
        {({ count, handleClick }) => (
          <div>
            <button onClick={handleClick}>カウントアップ</button>
            <span>{count}</span>
          </div>
        )}
      </Counter>
    </div>
  );
};

この例では、Counter という Render Props コンポーネントを作成し、counthandleClick という props を受け取る render 関数を呼び出しています。

Custom Hooks は、独自のライフサイクルロジックをカプセル化するための方法です。他のコンポーネントで再利用可能なフックを作成することで、コードを整理し、DRY (Don't Repeat Yourself) 原則を適用できます。

const useCounter = () => {
  const [count, setCount] = useState(0);

  useEffect(() => {
    // タイトル更新
    document.title = `Count: ${count}`;
  }, [count]);

  const handleClick = () => {
    // カウントアップ
    setCount(count + 1);
  };

  return { count, handleClick };
};

const App = () => {
  const { count, handleClick } = useCounter();

  return (
    <div>
      <button onClick={handleClick}>カウントアップ</button>
      <span>{count}</span>
    </div>
  );
};

関数コンポーネントで


reactjs redux


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