$.when() で複数の非同期処理を管理する
$.when(deferred1, deferred2, ...).done(function(arg1, arg2, ...) {
// すべての Deferred オブジェクトが完了した後に実行されるコード
// arg1, arg2, ... は各 Deferred オブジェクトの resolve() メソッドに渡された引数
});
例
// 複数の非同期処理を定義
var deferred1 = $.ajax({ url: "data1.json" });
var deferred2 = $.ajax({ url: "data2.json" });
// $.when() を使って両方の処理が完了するのを待つ
$.when(deferred1, deferred2).done(function(data1, data2) {
console.log("両方のデータが取得されました:", data1, data2);
});
ポイント
- 引数の受け取り
コールバック関数には、各 Deferred オブジェクトのresolve()
メソッドに渡された引数が順に渡されます。 - 完了後の処理
done()
メソッドで、すべての Deferred オブジェクトが完了した後に実行するコールバック関数を指定します。 - 複数の Deferred オブジェクトの待ち合わせ
$.when() に複数の Deferred オブジェクトを渡すことで、すべての Deferred オブジェクトが完了するまで待機できます。
// 複数の URL からデータをフェッチする
var deferred1 = $.ajax({ url: "data1.json" });
var deferred2 = $.ajax({ url: "data2.json" });
var deferred3 = $.ajax({ url: "data3.json" });
// すべての Ajax 要求が完了した後に実行される
$.when(deferred1, deferred2, deferred3)
.done(function(data1, data2, data3) {
// 各 Ajax 要求の結果 (data1, data2, data3) を利用して処理を行う
console.log("すべてのデータが取得されました:", data1, data2, data3);
// 例: 取得したデータを HTML に表示する
$("#result").html("<p>データ1: " + data1 + "</p>" +
"<p>データ2: " + data2 + "</p>" +
"<p>データ3: " + data3 + "</p>");
})
.fail(function() {
console.error("いずれかの Ajax 要求が失敗しました");
});
解説
- エラー処理
fail()
メソッドで、いずれかの Deferred オブジェクトが失敗した場合に実行される関数を指定します。 - 複数の Deferred オブジェクトの作成
各 Ajax 要求は Deferred オブジェクトを返します。これらのオブジェクトを$.when()
に渡します。
アニメーションを順番に実行する
// 要素をフェードインするアニメーション
var fadein = $.Deferred();
$("#element1").fadeIn(1000, function() {
fadein.resolve();
});
// 要素をスライドするアニメーション
var slide = $.Deferred();
fadein.done(function() {
$("#element2").slideDown(500, function() {
slide.resolve();
});
});
// すべてのアニメーションが完了した後に実行される
$.when(slide).done(function() {
console.log("すべてのアニメーションが完了しました");
});
- $.when() で複数のアニメーションの完了を待つ
$.when()
を使って、すべてのアニメーションが完了した後に処理を実行します。 - Deferred オブジェクトを利用したアニメーションの連鎖
各アニメーションの完了時に Deferred オブジェクトのresolve()
メソッドを呼び出すことで、次のアニメーションを開始できます。
タイマーと Ajax 要求を組み合わせる
// 2秒後に実行されるタイマー
var timer = $.Deferred();
setTimeout(function() {
timer.resolve();
}, 2000);
// Ajax 要求
var ajax = $.ajax({ url: "data.json" });
// タイマーと Ajax 要求が両方完了した後に実行される
$.when(timer, ajax).done(function(timerResult, data) {
console.log("タイマーが終了し、データが取得されました:", data);
});
- 完了時の処理
両方の処理が完了した後に、取得したデータを処理します。
- 用途
- Ajax 要求の連鎖
- アニメーションの順序制御
- タイマーと他の非同期処理の組み合わせ
- メリット
- 複数の非同期処理の完了を待つ
- 非同期処理の順序を制御する
- エラー処理を簡潔に記述する
- Deferred オブジェクトは、Promise のような非同期処理を表すためのオブジェクトです。
Promise による処理
-
ES6 Promise
- $.when() と同様に、複数の Promise の完了を待つことができます。
Promise.all()
メソッドを使うと、すべての Promise が解決されたか拒否されたときに、新しい Promise が解決または拒否されます。- よりモダンな JavaScript での非同期処理の標準的な方法です。
const promise1 = new Promise(resolve => setTimeout(resolve, 1000));
const promise2 = new Promise(resolve => setTimeout(resolve, 2000));
Promise.all([promise1, promise2])
.then(() => {
console.log('両方の Promise が解決しました');
})
.catch(() => {
console.error('いずれかの Promise が拒否されました');
});
async/await による処理
-
非同期関数を同期的に記述
async/await
キーワードを使うことで、非同期処理を同期的なコードのように記述できます。await
キーワードで Promise の解決を待ち、その結果を値として取得できます。
async function fetchData() {
const [data1, data2] = await Promise.all([
fetch('data1.json'),
fetch('data2.json')
]);
console.log('データを取得しました:', data1, data2);
}
Observable パターン
-
RxJS
- RxJS は、非同期データストリームを扱うためのライブラリです。
- Observable を使って、複数の非同期処理を組み合わせて複雑な処理を実現できます。
import { from, zip } from 'rxjs';
import { map } from 'rxjs/operators';
const source1$ = from(fetch('data1.json'));
const source2$ = from(fetch('data2.json'));
zip(source1$, source2$)
.pipe(map(([data1, data2]) => {
// 両方のデータを使って処理
}))
.subscribe();
コールバック関数による処理
-
従来からの手法
- 非同期処理の完了時に呼び出される関数を渡す方法です。
- $.when() も本質的にはコールバック関数を利用しています。
function fetchData(url, callback) {
$.ajax({
url: url,
success: callback
});
}
fetchData('data1.json', (data1) => {
fetchData('data2.json', (data2) => {
// 両方のデータを使って処理
});
});
どの方法を選ぶべきか?
- 既存のコードとの整合性
jQuery の $.when() やコールバック関数 - 複雑な非同期処理の組み合わせ
RxJS - シンプルで直感的な処理
Promise や async/await
選択のポイント
- コードの可読性
コードの可読性を高めるために、適切な方法を選択しましょう。 - チームのスキル
チームメンバーの JavaScript のスキルや RxJS などのライブラリへの習熟度も考慮する必要があります。 - プロジェクトの規模と複雑さ
小規模なプロジェクトでは Promise や async/await で十分な場合が多いですが、大規模なプロジェクトでは RxJS のような強力なツールが必要になることがあります。
$.when() 以外にも、非同期処理を管理する方法が多数存在します。それぞれの方法には特徴とメリット・デメリットがあります。プロジェクトの要件やチームの状況に合わせて、最適な方法を選択することが重要です。
- async/await は Promise をベースにしている
async/await は Promise の構文糖衣であり、本質的には Promise を利用しています。 - Generator
ES6 で導入された Generator も非同期処理の記述に利用できますが、async/await の登場により、あまり利用されることはなくなりました。
javascript jquery argument-passing