非同期処理の違い: Promise.all() vs 複数のawait

2024-09-29

JavaScriptのawait Promise.all()と複数のawaitの違い

await Promise.all()と複数のawaitは、どちらもJavaScriptの非同期処理において複数のPromiseを待機する手法ですが、その挙動は異なります。

await Promise.all()

  • 最初の拒否
    複数のPromiseのうち一つでも拒否された場合、Promise.all()はすぐに拒否され、他のPromiseはキャンセルされます。
  • 結果の配列
    すべてのPromiseが解決された場合、Promise.all()はそれぞれのPromiseの解決値を要素とする配列を返します。
  • 並列実行
    Promise.all()は、複数のPromiseを同時に実行し、すべてのPromiseが解決または拒否されるまで待機します。
async function example1() {
  const promise1 = Promise.resolve('Hello');
  const promise2 = Promise.resolve('World');

  const results = await Promise.all([promise1, promise2]);
  console.log(results); // Output: ['Hello', 'World']
}

複数のawait

  • エラー処理
    awaitは個別にエラーを処理できるため、特定のPromiseが拒否されても他のPromiseは実行されます。
  • 逐次実行
    複数のawaitを使用すると、各Promiseが解決されるのを順番に待機します。
async function example2() {
  const promise1 = Promise.resolve('Hello');
  const promise2 = Promise.resolve('World');

  const result1 = await promise1;
  const result2 = await promise2;
  console.log(result1, result2); // Output: Hello World
}

いつどちらを使うべきか

  • エラー処理が必要な場合
    複数のawaitを使用すると、個々のPromiseのエラーを適切に処理できます。
  • 並列処理が必要な場合
    await Promise.all()を使用すると、複数のPromiseを同時に実行して効率的に処理できます。



async function fetchData() {
  // 複数のAPIへのリクエストを同時に実行
  const [response1, response2] = await Promise.all([
    fetch('https://api.example.com/data1'),
    fetch('https://api.example.com/data2')
  ]);

  const data1 = await response1.json();
  const data2 = await response2.jso   n();

  return { data1, data2 };
}

解説

  • JSONへの変換
    各レスポンスをJSON形式に変換しています。
  • デストラクチャリング
    Promise.allの戻り値である配列を、[response1, response2]のように一度に変数に代入しています。
  • 並列処理
    fetchで複数のAPIに同時にリクエストを送信し、両方のレスポンスが返ってくるまで待機します。
async function fetchDataSequentially() {
  const response1 = await fetch('https://api.example.com/data1');
  const data1 = await response1.json();

  const response2 = await fetch('https://api.example.com/data2');
  const data2 = await response2.json();

  return { data1, dat   a2 };
}
  • エラー処理
    awaitでエラー処理を個別に記述できます。例えば、try...catchブロックでエラーをキャッチすることができます。
  • 逐次処理
    各リクエストを順番に実行し、一つ前のリクエストが完了してから次のリクエストを送信します。
特徴await Promise.all()複数のawait
実行順序並列逐次
戻り値Promiseの解決値の配列各Promiseの解決値
エラー処理全てのPromiseが解決されるまで待機し、一つでも拒否されると全体の処理が中断awaitで個別にエラー処理が可能
使用場面複数の非同期処理を同時に実行したい場合各非同期処理の結果を順番に処理したい場合、エラー処理を細かくしたい場合
  • 逐次処理
    前の処理の結果に基づいて次の処理を実行したい場合、またはエラー処理を細かくしたい場合は、複数のawaitが適しています。
  • 並列処理
    複数のAPIへのリクエストや、ファイルの読み込みなど、並行して処理したい場合はPromise.all()が適しています。
  • Promise
    非同期処理を表すオブジェクト。
  • async/await
    非同期処理を同期的に記述するための構文糖衣。
  • Promise.race()
    複数のPromiseのうち、最初に解決または拒否されたPromiseの結果を返す。

非同期処理の違い: Promise.all() vs 複数のawait

  • 複数のawait
    各Promiseを順番に実行します。逐次処理や、エラー処理を細かくしたい場合に適しています。
  • Promise.all()
    複数のPromiseを同時に実行し、すべてのPromiseが完了するまで待機します。並列処理に適しています。

どちらを使うかは、処理の要件やコードの可読性などを考慮して決定しましょう。

  • async/awaitは、非同期処理をより直感的に記述できるため、現代のJavaScript開発では広く利用されています。
  • 上記の例はシンプルなものですが、実際の開発では、エラー処理、例外処理、パフォーマンスチューニングなど、より複雑な状況に対応する必要があります。



await Promise.all()と複数のawaitの代替方法

await Promise.all()と複数のawaitは、非同期処理を扱う上で非常に一般的なパターンですが、これ以外にも様々なアプローチが存在します。

Promise.race()

  • 複数のAPIリクエストのうち、最初にレスポンスが返ってきたものだけを使う場合などに有効
Promise.race([promise1, promise2, promise3])
  .then(result => {
    // 最初に解決したPromiseの結果
  })
  .catch(error => {
    // 最初に拒否されたPromiseのエラー
  });

async/awaitとforループの組み合わせ

  • 各Promiseの結果を順番に処理したい場合などに有効
  • Promiseの配列をループで処理し、逐次的にawaitする
async function processPromises(promises) {
  for (const promise of promises) {
    const result = await promise;
    // resultを使って何か処理をする
  }
}

async/awaitとPromise.resolve()

  • 複数の値をPromiseに変換して、Promise.all()で並列処理したい場合などに有効
  • Promiseの配列を生成し、Promise.all()で一括処理する
async function processValues(values) {
  const promises = values.map(value => Promise.resolve(value * 2));
  const results = await Promise.all(promises);
  // resultsは、valuesの各要素を2倍した値の配列
}

RxJS

  • concatMap
    逐次的にPromiseを処理する
  • forkJoin
    Promise.all()と似たような機能を提供
  • 複数の非同期処理を組み合わせたり、イベントストリームを扱う場合に強力
  • 非同期処理を扱うためのライブラリ
import { from, forkJoin } from 'rxjs';

const promises = [promise1, promise2, promise3];
from(promises)
  .pipe(forkJoin())
  .subscribe(results => {
    // resultsは、Promiseの解決値の配列
  });

コールバック関数

  • 現代では、Promiseasync/awaitが推奨される
  • Promiseasync/awaitが登場する以前から使用されていた
  • 古いJavaScriptスタイル

どの方法を選ぶべきか?

  • ライブラリとの連携
    使用しているライブラリが提供する機能との連携
  • 可読性
    コードの可読性も考慮する
  • エラー処理
    try...catchブロック、Promise.catch()
  • 逐次処理
    複数のawait、async/awaitとforループの組み合わせ、RxJSのconcatMap
  • 並列処理
    Promise.all()Promise.race()、RxJSのforkJoin

選ぶ際のポイント

  • パフォーマンス
    処理速度が重要か
  • コードの可読性
    他の開発者が理解しやすいコードか
  • エラー処理
    どのようにエラーを扱いたいのか
  • 処理の順序
    並列か逐次か
  • Co
    async/awaitが登場する前に非同期処理を同期的に記述するためのライブラリ
  • Generator関数
    async/awaitの基となった機能

javascript async-await



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