【React 16】hydrateとrenderの違いを徹底解説!用途、DOM操作、パフォーマンスまで比較
React 16における hydrate()
と render()
の違い
React 16において、render()
と hydrate()
はどちらもDOM要素を生成してReactコンポーネントをレンダリングする関数ですが、それぞれ異なる役割とユースケースを持っています。
render()
- 以下のような場合に使用されます。
- 新しいReactアプリケーションを初期化する場合
- DOM要素が動的に生成される場合
- サーバーサイドレンダリング (SSR) には推奨されていません。
- 空のDOM要素に対してReactコンポーネントをレンダリングします。
hydrate()
- 以下のような場合に使用されます。
- SSRで生成されたHTMLをReactコンポーネントで操作したい場合
- SEO対策を施したい場合
- サーバーでレンダリングされた既存のHTMLコンテンツをReactコンポーネントで管理します。
詳細
hydrate()
は、渡されたコンポーネントを基にDOM要素を更新し、指定されたコンテナ要素内の既存のHTMLコンテンツと整合させます。コンテナ要素内に矛盾するDOM要素が存在する場合、hydrate()
は警告を発し、最悪の場合は予期しない動作を引き起こす可能性があります。render()
は、渡されたコンポーネントを基にDOM要素を生成し、指定されたコンテナ要素内に挿入します。コンテナ要素内に既存のDOM要素が存在する場合、それらは置き換えられます。
例
import ReactDOM from 'react-dom';
const App = () => (
<div>Hello, React!</div>
);
const container = document.getElementById('root');
// ReactDOM.render(<App />, container); // 空のコンテナにレンダリング
ReactDOM.hydrate(<App />, container); // サーバーレンダリングされたHTMLを更新
- サーバーサイドレンダリング (SSR) を行う場合は、
hydrate()
を使用します。 - Reactアプリケーションを新規に作成する場合は、
render()
を使用します。
- React 17では、
ReactDOM.render()
関数は非推奨となり、createRoot()
関数とhydrate()
関数に置き換えられました。
import React from 'react';
import ReactDOM from 'react-dom';
const App = () => (
<div>
<h1>Hello, React!</h1>
<p>This is a React application.</p>
</div>
);
const container = document.getElementById('root');
ReactDOM.render(<App />, container);
このコードは、以下の操作を実行します。
App
コンポーネントを定義します。このコンポーネントは、<h1>
見出しと<p>
段落を含むdiv
要素をレンダリングします。container
変数に、DOM要素#root
を参照させます。ReactDOM.render()
関数を使用して、App
コンポーネントをcontainer
要素内にレンダリングします。
例2:hydrate()
を使用してサーバーレンダリングされたHTMLを更新
import React from 'react';
import ReactDOM from 'react-dom';
const App = () => (
<div>
<h1>Hello, React!</h1>
<p>This is a React application.</p>
<button onClick={() => alert('ボタンがクリックされました!')}>クリック</button>
</div>
);
const container = document.getElementById('root');
const html = `
<div id="root">
<h1>Hello, React!</h1>
<p>This is a React application.</p>
<button>クリック</button>
</div>
`;
ReactDOM.hydrate(<App />, container, html);
App
コンポーネントを定義します。このコンポーネントは、<h1>
見出し、<p>
段落、およびonClick
イベントハンドラを備えた<button>
ボタンを含むdiv
要素をレンダリングします。html
変数に、サーバーレンダリングされたHTMLを格納します。ReactDOM.hydrate()
関数を使用して、App
コンポーネントをcontainer
要素内に更新し、html
変数内の既存のHTMLコンテンツと整合させます。
注記
ReactDOM.hydrate()
関数は、サーバーレンダリングされたHTMLとReactコンポーネントの整合性を検証します。不一致が見つかった場合は、警告を発します。- 上記の例では、サーバーレンダリングされたHTMLをシミュレートするために
html
変数に直接文字列を格納していますが、実際にはサーバーから取得したHTML文字列を使用する必要があります。
hydrate()
は、サーバーサイドレンダリング (SSR) で生成されたHTMLをReactコンポーネントで管理する際に使用されます。render()
は、新しいReactアプリケーションを初期化する際に使用されます。
DOM操作
hydrate()
は、コンテナ要素内の既存のDOM要素を維持し、Reactコンポーネントで生成されたDOM要素と整合するように更新します。render()
は、コンテナ要素内のすべての既存のDOM要素を置き換え、新しいReactコンポーネントで生成されたDOM要素に置き換えます。
パフォーマンス
hydrate()
は、render()
よりも高速である可能性があります。これは、hydrate()
が既存のDOM要素を再利用するため、DOM操作の回数が少なくなるためです。
SEO
hydrate()
は、SEO に有利です。これは、hydrate()
がサーバーレンダリングされたHTMLを維持するため、検索エンジンがアプリケーションの内容をより簡単に理解できるようになるためです。
機能 | render() | hydrate() |
---|---|---|
用途 | 新しいReactアプリケーションの初期化 | サーバーサイドレンダリングされたHTMLの管理 |
DOM操作 | 既存のDOM要素を置き換える | 既存のDOM要素を維持する |
パフォーマンス | 比較的遅い | 比較的速い |
SEO | 不利 | 有利 |
上記の表は、render()
と hydrate()
の違いを要約したものです。具体的な状況に応じて、どちらの方法を使用するかを判断する必要があります。
- SEO要件
- 使用するライブラリやフレームワーク
- アプリケーションの複雑性
javascript reactjs react-dom