Angular テンプレートにおける ::ng-deep の使い方と注意点

2024-04-02

Angular テンプレートにおける ::ng-deep の使い方と注意点

そこで登場するのが ::ng-deep 擬似クラスです。このクラスを使用することで、コンポーネントの階層を問わず、任意の要素にスタイルを適用できます。

::ng-deep を使用するには、以下の手順に従います。

  1. スタイルシートファイルで、::ng-deep をセレクターの前に追加します。
  2. 対象となる要素のセレクターを記述します。

例:

::ng-deep .my-component {
  color: red;
}

上記のコードは、my-component クラスを持つすべての要素を赤色に設定します。

::ng-deep 使用時の注意点

::ng-deep は強力なツールですが、いくつか注意点があります。

  • カプセル化の原則を破る: ::ng-deep はコンポーネント間のスタイル干渉を防ぐカプセル化の原則を破るため、慎重に使用しなければ予期せぬ副作用が発生する可能性があります。
  • パフォーマンスへの影響: ::ng-deep を使用すると、スタイルの処理速度が遅くなる可能性があります。
  • 将来のバージョンでの非推奨: Angular チームは ::ng-deep の将来的な非推奨化を検討しており、代わりに :host-context() などの代替方法の使用を推奨しています。

代替方法

::ng-deep の代わりに、以下の代替方法を検討できます。

  • :host-context(): 子コンポーネントのテンプレート内で親コンポーネントのスタイルを参照したい場合に有効です。
  • ViewEncapsulation.None: コンポーネントのカプセル化を完全に無効にする方法です。
  • コンポーネントのスタイルを公開する: コンポーネントのスタイルを公開し、外部コンポーネントから利用できるようにする方法です。

::ng-deep はコンポーネントのスタイルをカスタマイズする強力なツールですが、注意点も存在します。代替方法も検討しつつ、状況に応じて適切な方法を選択することが重要です。




app.component.html

<h1>Hello World</h1>
<my-component></my-component>
h1 {
  color: blue;
}
<div class="my-component">
  <h2>This is My Component</h2>
</div>
::ng-deep .my-component {
  color: red;
}

上記コードを実行すると、以下のようになります。

  • <h1> タグは青色で表示されます。

この例では、::ng-deep を使用して my-component コンポーネント内の <h2> タグのみを赤色に変更しています。

::ng-deep の代わりに :host-context() を使用することもできます。

<div class="my-component">
  <h2 class="my-heading">This is My Component</h2>
</div>
:host-context(.my-component) .my-heading {
  color: red;
}

上記コードは、my-component コンポーネント内にある my-heading クラスを持つ <h2> タグのみを赤色に変更します。

::ng-deep:host-context() のどちらを使用するかは、状況によって異なります。




::ng-deep 以外のコンポーネントスタイルのカスタマイズ方法

import { Component, Input } from '@angular/core';

@Component({
  selector: 'my-component',
  templateUrl: './my-component.html',
  styleUrls: ['./my-component.css']
})
export class MyComponent {

  @Input() public color: string;

}
.my-component {
  color: {{color}};
}
<my-component [color]="red"></my-component>

上記コードでは、MyComponent コンポーネントの color プロパティを公開し、app.component.html から値を設定しています。

ViewEncapsulation.None を使用する

コンポーネントのカプセル化を完全に無効にする方法です。

import { Component, Input } from '@angular/core';

@Component({
  selector: 'my-component',
  templateUrl: './my-component.html',
  styleUrls: ['./my-component.css'],
  encapsulation: ViewEncapsulation.None
})
export class MyComponent {

  @Input() public color: string;

}

上記コードでは、MyComponent コンポーネントのカプセル化を ViewEncapsulation.None に設定しています。

コンポーネント間のスタイルを共有したい場合は、@import を使用してスタイルシートファイルをインポートできます。

@import url('shared-styles.css');

.my-component {
  color: red;
}
@import url('shared-styles.css');

h1 {
  color: blue;
}

上記コードでは、my-component.cssapp.component.cssshared-styles.css をインポートしています。

コンポーネント内スタイル

コンポーネントテンプレート内に直接スタイルを記述することもできます。

<div style="color: red;">
  <h2>This is My Component</h2>
</div>

上記コードでは、<h2> タグのスタイルを直接記述しています。

  • コンポーネントのスタイルを公開する方法は、コンポーネント間のスタイルを共有する場合に有効です。
  • ViewEncapsulation.None を使用するのは、コンポーネントのカプセル化を解除したい場合にのみ使用してください。
  • @import を使用したスタイルシートのインポートは、コンポーネント間のスタイル共有を簡潔に記述できます。
  • コンポーネント内スタイルは、簡単なスタイル変更に有効です。
  • カプセル化の原則を破るため、慎重に使用しなければ予期せぬ副作用が発生する可能性があります。
  • パフォーマンスへの影響を与える可能性があります。
  • 将来のバージョンで非推奨化される可能性があります。

代替方法も検討しつつ、状況に応じて適切な方法を選択することが重要です。


css angular angular-template


HTML、CSS、height で画面の高さに div を拡張する方法

height: 100% を使用しても、div 要素が画面の高さに拡張されない場合があります。原因:height: 100% は相対値であり、親要素の高さに対して計算されます。デフォルトでは、html 要素と body 要素の高さは設定されていないため、div 要素の高さは 0 になります。...


CSSの!importantを使いこなすためのヒント:詳細度、優先順位、@mediaクエリ

例:この例では、h1要素の色は通常は赤になりますが、!importantを使用しているため、実際には青になります。!importantを使用するべき場合!importantは、以下の場合にのみ使用することを強く推奨します。特定のスタイルを絶対に適用する必要がある場合...


positionプロパティを使ってdiv内のテキストを縦中央に配置する方法

text-align プロパティ最もシンプルで簡単な方法です。text-alignプロパティに center を設定することで、div内のテキストを水平方向に中央揃えできます。line-heightプロパティは、行の高さを設定します。divの高さを固定し、line-heightプロパティに同じ値を設定することで、テキストを垂直方向に中央揃えできます。...


【保存版】HTML・CSSで中央揃えをマスター!Flexboxで簡単レイアウト

Flexboxは、Webページのレイアウトを柔軟に調整できるCSSレイアウトテクニックです。今回は、Flexboxを使って、左右の要素幅が異なる場合でも中央の要素を中央揃えにする方法を解説します。解決策以下の2つのステップで実現できます。親要素に display: flex を設定...


Angular、Promise、RxJSにおける「What is the difference between Promises and Observables?」

Promiseは、非同期処理の完了を待つための仕組みです。処理が完了したら、成功または失敗の結果を返します。特徴:単一の値またはエラーを返す状態は「完了」または「失敗」の2つのみ処理のキャンセルはできないネストが複雑になりやすい例:Observableは、非同期処理のデータストリームを表す仕組みです。時間経過とともに複数の値を発行し、購読者はその値を受け取ることができます。...


SQL SQL SQL SQL Amazon で見る



【実践編】Angularコンポーネントスタイルを駆使して、洗練されたUIを実現

コンポーネントテンプレート内にスタイルを直接記述する方法です。これは最もシンプルで分かりやすい方法ですが、スタイルが長くなると読みづらくなり、保守性が悪くなります。コンポーネントスタイルシートコンポーネント専用のスタイルシートを作成し、そこにスタイルを記述する方法です。スタイルが長くなる場合や、複数のコンポーネントで共通のスタイルを使用する場合に適しています。


ViewChild と ContentChild を使って子コンポーネントのスタイルを操作

代わりに、以下の方法を使用することを検討してください。コンポーネントのスコープ内でスタイルを定義するコンポーネントのスタイルを styleUrls または styles プロパティ内で定義することで、スタイルがそのコンポーネントとその子孫にのみ適用されます。