Jestの非同期テストでエラーを期待する
JavaScriptにおけるtoThrow()
の非同期テストについて
JavaScriptのテストフレームワークであるJestでは、非同期テストにおいて例外が投げられることを期待するテストを書くことができます。この機能を実現するために、toThrow()
メソッドを使用します。
toThrow()
の使用方法
test('async function that throws an error', async () => {
await expect(asyncFunction()).rejects.toThrow('Error message');
});
.toThrow('Error message')
: 投げられるエラーのメッセージを指定します。expect(asyncFunction()).rejects
: 非同期関数がエラーを返すことを期待します。
例
async function asyncFunction() {
throw new Error('This is an error');
}
test('async function that throws an error', async () => {
await expect(asyncFunction()).rejects.toThrow('This is an error');
});
このテストは、asyncFunction
がエラーを投げ、そのメッセージが"This is an error"であることを検証します。
重要なポイント
async
: 非同期テストであることを示します。toThrow()
: 投げられるエラーのメッセージを指定します。rejects
: 非同期関数がエラーを返すことを示します。
Jestで非同期テストでエラーを期待する: 詳細なコード解説
コードの解説
async function asyncFunction() {
throw new Error('This is an error');
}
test('async function that throws an error', async () => {
await expect(asyncFunction()).rejects.toThrow('This is an error');
});
async function asyncFunction() { ... }
throw new Error('This is an error')
: この行でエラーを意図的に投げ出しています。Error
オブジェクトを作成し、そのメッセージに"This is an error"を設定しています。async function
: この関数は非同期関数であることを示します。つまり、この関数はPromiseを返したり、await
キーワードを使用したりして非同期処理を行うことができます。
test('async function that throws an error', async () => { ... })
async () => { ... }
: テスト本体の関数です。async
キーワードが付いているので、この関数内でもawait
キーワードを使用できます。'async function that throws an error'
: テストケースの名前です。この名前はテストの内容を簡単に説明するものです。test
: Jestのテストケースを定義する関数です。
await expect(asyncFunction()).rejects.toThrow('This is an error')
.toThrow('This is an error')
:asyncFunction
が投げ出すエラーのメッセージが"This is an error"であることを期待していることを示します。.rejects
:asyncFunction
がPromiseをrejectすることを期待していることを示します。つまり、asyncFunction
がエラーを投げることを期待しているということです。expect(asyncFunction())
:asyncFunction
を呼び出し、その結果をexpect
関数でラップします。expect
関数は、実際の結果と期待する結果を比較するために使用されます。
コードの動作
test
関数の中で、asyncFunction
が呼び出されます。asyncFunction
はエラーを投げ、Promiseをrejectします。expect
は、asyncFunction
がrejectしたPromiseを受け取り、.rejects
と.toThrow('This is an error')
の条件を満たしているか確認します。- 実際に投げられたエラーのメッセージが"This is an error"と一致するため、テストは成功します。
このコードは、非同期関数でエラーが発生することをテストする典型的な例です。async/await
の仕組みと、Jestのexpect
、rejects
、toThrow
といった機能を組み合わせることで、非同期コードのエラー処理をテストすることができます。
- 複数のテストケース
同じ非同期関数に対して、異なるエラーパターンをテストする複数のテストケースを作成することもできます。 - 正規表現によるマッチ
toThrow(/error/)
のように、正規表現を使用してエラーメッセージの一部をマッチさせることもできます。 - エラーの種類の指定
toThrow(Error)
のように、エラーの種類を指定することもできます。
より詳細な解説
- toThrow matcher
エラーが投げられた場合に使用するmatcherです。 - rejects matcher
Promiseがrejectされた場合に使用するmatcherです。 - expect関数
Jestの期待値マッチング機能の中心となる関数です。様々な matcher (マッチャー) を提供しており、値の比較、オブジェクトのプロパティの確認、配列の要素の確認など、様々なテストシナリオに対応できます。
日本語での解説
このコードは、非同期関数asyncFunction
がエラーを投げ出すことをテストしています。expect
関数を使って、asyncFunction
がPromiseをrejectし、かつエラーメッセージが"This is an error"であることを確認しています。Jestのasync/await
とexpect
の機能を組み合わせることで、非同期コードのエラー処理をテストすることができます。
Jestにおける非同期テストでエラーを期待する:代替方法
Jestで非同期テストでエラーを期待する方法は、expect(asyncFunction()).rejects.toThrow()
以外にもいくつかあります。それぞれの方法には特徴があり、状況に応じて使い分けることが重要です。
try...catchブロックを使用する
test('async function that throws an error', async () => {
try {
await asyncFunction();
} catch (error) {
expect(error).toEqual(new Error('This is an error'));
}
});
- デメリット
- メリット
- JavaScriptの標準的なエラー処理方法であり、直感的
- エラーオブジェクトの詳細なプロパティを検証できる
toBeRejectedWithを使用する (Jest 27以降)
test('async function that throws an error', async () => {
await expect(asyncFunction()).toBeRejectedWith(new Error('This is an error'));
});
- デメリット
- メリット
カスタムMatcherを作成する
expect.extend({
async toThrowErrorWithMessage(received, expectedMessage) {
try {
await received;
return { pass: false, message: () => `Expected ${received} to throw an error with message: ${expectedMessage}` };
} catch (error) {
return { pass: error.message === expectedMessage, message: () => `Received error message: ${error.message}` };
}
},
});
test('async function that throws an error', async () => {
await expect(asyncFunction()).toThrowErrorWithMessage('This is an error');
});
- デメリット
- 実装が複雑になる
- メンテナンスコストが増える
- メリット
- 柔軟なエラー検証が可能
- プロジェクト独自のエラー検証ロジックを組み込める
どの方法を選ぶべきか?
- 高度なカスタマイズ
カスタムMatcherを作成することで、プロジェクト独自のエラー検証ロジックを組み込むことができます。 - より直感的な表現
Jest 27以降を使用している場合は、toBeRejectedWith
がより直感的です。 - エラーオブジェクトの詳細な検証
try...catch
ブロックを使用することで、エラーオブジェクトのプロパティを詳細に検証できます。 - シンプルで一般的なケース
expect(asyncFunction()).rejects.toThrow()
が最もシンプルで一般的な方法です。
Jestで非同期テストでエラーを期待する方法は複数あります。それぞれの方法には特徴があり、状況に応じて使い分けることが重要です。テストの目的やプロジェクトの規模、チームの慣習などを考慮して、最適な方法を選択しましょう。
- 上記以外にも、Jestには様々なMatcherが用意されています。
選択のポイント
- チームの慣習
チーム内で統一されたテストスタイルがある場合は、それに合わせて選択しましょう。 - 柔軟性
より高度なカスタマイズが必要な場合は、カスタムMatcherが適しています。 - 読みやすさ
コードの可読性を重視する場合は、try...catch
ブロックやtoBeRejectedWith
がおすすめです。
javascript jestjs