RxJS ObservableとSubjectの違い

2024-10-28

Observableは、データのストリームを表すものです。データが流れると、購読しているオブザーバーに通知されます。Observable自体はデータの生成や制御は行いません。

Subjectは、Observableの特殊な種類で、データの発行と購読の両方が可能です。つまり、Subjectはデータのストリームを生成し、そのストリームを複数のオブザーバーに配信することができます。

主な違い

  • 購読

    • Observable: 複数のオブザーバーが独立して購読できます。各オブザーバーは独自のデータストリームを受け取ります。
    • Subject: 複数のオブザーバーが同じSubjectを購読すると、同じデータストリームを共有します。
  • データの生成

    • Observable: データの生成はObservableの定義内に実装されます。
    • Subject: Subject自体がデータを生成し、next()メソッドを使って値を発行します。

使用例

  • Subject

    • コンポーネント間の状態を共有する
    • イベントバスとして使用する
    • カスタムイベントを配信する
  • Observable

    • HTTPリクエストの結果を配信する
    • タイマーイベントを配信する
    • ユーザーの入力イベントを配信する



// Observable
import { interval } from 'rxjs';

const source = interval(1000); // Emits numbers every second

const subscribe = source.subscribe(val => console.log(val));

// Subject
import { Subject } from 'rxjs';

const subject = new Subject();

subject.subscribe(val => console.log('Observer A: ' + val));
subject.subscribe(val => console.log('Observer B: ' + val));

subject.next(1);
subject.next(2);
   subject.next(3);

解説

Observableの例では、interval関数を使って1秒ごとに数値を発行するObservableを作成しています。このObservableを購読すると、購読者は1秒ごとに数値を受け取ります。

Subjectの例では、Subjectオブジェクトを作成し、複数のオブザーバーを購読させています。next()メソッドを使ってSubjectに値を発行すると、すべての購読者がその値を受け取ります。

違いのポイント

    • Observableの購読者は独立しています。各購読者は独自のデータストリームを受け取ります。
    • Subjectの購読者は同じデータストリームを共有します。
    • Observableは外部のデータ源(タイマー、HTTPリクエストなど)からデータを取得します。
    • Subjectは内部的にデータを生成し、next()メソッドで発行します。



ObservableとSubjectは、RxJSにおける重要な概念ですが、状況によっては他のアプローチも考慮することができます。

BehaviorSubject

  • 使用例
    • キャッシュされたデータの管理
  • 特徴
    • 初期値を持ち、購読時に最新の値をすぐに配信します。
    • 値が更新されると、すべての購読者に新しい値が配信されます。

ReplaySubject

  • 使用例
    • 過去の一定期間のデータ履歴を保持する
    • 再生可能なデータストリームを作成する
  • 特徴

AsyncSubject

  • 使用例
    • 最終的な結果のみが必要な場合
    • エラー処理の際の最終的なエラーメッセージの配信
  • 特徴

選択の基準

  • 最終的な結果
  • データの履歴
  • データの共有

javascript angular rxjs



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