ReduxにおけるmapStateToPropsとmapDispatchToPropsの理解と、mapStateToPropsなしでのmapDispatchToProps利用について

2024-07-27

Reduxは、Reactアプリケーションにおける状態管理を容易にするためのライブラリです。mapStateToPropsとmapDispatchToPropsは、コンポーネントとReduxストア間の接続を確立する重要な役割を担っています。

mapStateToPropsは、Reduxストア内の状態の一部をコンポーネントのプロパティとしてマッピングする関数です。コンポーネントは、mapStateToPropsを通して必要な状態情報にアクセスし、UIのレンダリングやイベント処理などに活用することができます。

mapDispatchToPropsは、Reduxストアへのアクションディスパッチをコンポーネントから行うための関数です。コンポーネントは、mapDispatchToPropsを通してアクションを生成し、ストアに送信することで、アプリケーションの状態を変化させることができます。

mapStateToPropsなしでのmapDispatchToProps利用

connect関数の第二引数省略

connect関数は、コンポーネントをReduxストアに接続するための主要な関数です。この関数は、mapStateToPropsとmapDispatchToPropsの引数を受け取ることができますが、第二引数であるmapDispatchToPropsを省略することも可能です。

import React from 'react';
import { connect } from 'react-redux';

const MyComponent = (props) => {
  const dispatch = props.dispatch;

  // アクションディスパッチ
  const handleButtonClick = () => {
    dispatch({ type: 'INCREMENT_COUNTER' });
  };

  return (
    <div>
      <button onClick={handleButtonClick}>カウンターを増加</button>
    </div>
  );
};

export default connect()(MyComponent);

上記のように、mapDispatchToPropsを省略した場合、connect関数はデフォルトのmapDispatchToPropsを提供します。このデフォルトのmapDispatchToPropsは、dispatchプロパティをコンポーネントに提供するのみのシンプルなものです。

useReducerフック

Redux v18以降では、useReducerフックを利用することで、mapStateToPropsなしでmapDispatchToPropsを利用することができます。useReducerフックは、コンポーネント内でローカルな状態管理を行うためのフックですが、Reduxストアとの接続にも利用できます。

import React, { useReducer } from 'react';

const initialState = { counter: 0 };

const reducer = (state, action) => {
  switch (action.type) {
    case 'INCREMENT_COUNTER':
      return { counter: state.counter + 1 };
    default:
      return state;
  }
};

const MyComponent = () => {
  const [state, dispatch] = useReducer(reducer, initialState);

  // アクションディスパッチ
  const handleButtonClick = () => {
    dispatch({ type: 'INCREMENT_COUNTER' });
  };

  return (
    <div>
      <button onClick={handleButtonClick}>カウンターを増加</button>
      <p>カウンター: {state.counter}</p>
    </div>
  );
};

export default MyComponent;

上記のように、useReducerフックを利用することで、コンポーネント内で状態管理を行い、アクションディスパッチを実行することができます。

  • mapStateToPropsの必要性が低い場合の無駄な処理削減
  • コンポーネントのテスト容易性向上
  • コードの簡潔化
  • グローバルな状態管理が必要な場合は、Reduxストアとの接続が必要
  • コンポーネント内で直接状態管理を行うため、複雑な状態管理には不向き



import React from 'react';
import { connect } from 'react-redux';

const MyComponent = (props) => {
  const dispatch = props.dispatch;

  // アクションディスパッチ
  const handleButtonClick = () => {
    dispatch({ type: 'INCREMENT_COUNTER' });
  };

  return (
    <div>
      <button onClick={handleButtonClick}>カウンターを増加</button>
    </div>
  );
};

export default connect()(MyComponent);
import React, { useReducer } from 'react';

const initialState = { counter: 0 };

const reducer = (state, action) => {
  switch (action.type) {
    case 'INCREMENT_COUNTER':
      return { counter: state.counter + 1 };
    default:
      return state;
  }
};

const MyComponent = () => {
  const [state, dispatch] = useReducer(reducer, initialState);

  // アクションディスパッチ
  const handleButtonClick = () => {
    dispatch({ type: 'INCREMENT_COUNTER' });
  };

  return (
    <div>
      <button onClick={handleButtonClick}>カウンターを増加</button>
      <p>カウンター: {state.counter}</p>
    </div>
  );
};

export default MyComponent;
  • コードのわかりやすさやテスト容易性を向上させるために、適切なコメントや命名規則を用いることをお勧めします。



カスタムフックを利用することで、mapStateToPropsとmapDispatchToPropsの機能を独自に実装することができます。この方法は、コンポーネントの再利用性やテスト容易性を向上させる場合に有効です。

import React, { useState, useRef } from 'react';

const useCounter = () => {
  const [count, setCount] = useState(0);
  const dispatch = useRef(null);

  useEffect(() => {
    dispatch = current => {
      setCount(prevState => prevState + current);
    };
  }, []);

  const incrementCounter = () => dispatch(1);
  const decrementCounter = () => dispatch(-1);

  return { count, incrementCounter, decrementCounter };
};

const MyComponent = () => {
  const { count, incrementCounter, decrementCounter } = useCounter();

  return (
    <div>
      <p>カウンター: {count}</p>
      <button onClick={incrementCounter}>増加</button>
      <button onClick={decrementCounter}>減少</button>
    </div>
  );
};

export default MyComponent;

利点

  • 複雑な状態管理を容易に実現
  • テスト容易性向上
  • コンポーネントの再利用性向上

欠点

  • 理解難易度向上
  • コード量増加

HOC(Higher-Order Component)

HOCを利用することで、コンポーネントにmapDispatchToPropsの機能を付与することができます。この方法は、既存のコンポーネントを再利用したい場合に有効です。

import React from 'react';
import { connect } from 'react-redux';

const withCounter = (Component) => {
  const mapStateToProps = (state) => ({ count: state.counter });

  const mapDispatchToProps = (dispatch) => ({
    incrementCounter: () => dispatch({ type: 'INCREMENT_COUNTER' }),
    decrementCounter: () => dispatch({ type: 'DECREMENT_COUNTER' }),
  });

  return connect(mapStateToProps, mapDispatchToProps)(Component);
};

const MyComponent = (props) => {
  const { count, incrementCounter, decrementCounter } = props;

  return (
    <div>
      <p>カウンター: {count}</p>
      <button onClick={incrementCounter}>増加</button>
      <button onClick={decrementCounter}>減少</button>
    </div>
  );
};

export default withCounter(MyComponent);
  • テスト難易度がやや向上
  • ラッパーコンポーネントが増加し、コンポーネントツリーが複雑になる

プロバイダパターン

プロバイダパターンを利用することで、コンポーネントツリー全体にmapDispatchToPropsの機能を提供することができます。この方法は、グローバルなアクションディスパッチが必要な場合に有効です。

import React, { useState, createContext } from 'react';

const CounterContext = createContext();

const CounterProvider = ({ children }) => {
  const [count, setCount] = useState(0);

  const dispatch = (action) => {
    switch (action.type) {
      case 'INCREMENT_COUNTER':
        setCount(prevState => prevState + 1);
        break;
      case 'DECREMENT_COUNTER':
        setCount(prevState => prevState - 1);
        break;
      default:
        break;
    }
  };

  return (
    <CounterContext.Provider value={{ count, dispatch }}>
      {children}
    </CounterContext.Provider>
  );
};

const MyComponent = () => {
  const { count, dispatch } = useContext(CounterContext);

  return (
    <div>
      <p>カウンター: {count}</p>
      <button onClick={() => dispatch({ type: 'INCREMENT_COUNTER' })}>増加</button>
      <button onClick={() => dispatch({ type: 'DECREMENT_COUNTER' })}>減少</button>
    </div>
  );
};

export default function App() {
  return (
    <CounterProvider>
      <MyComponent />
    </CounterProvider>
  );
}
  • グローバルなアクションディスパッチが可能

javascript reactjs redux



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