ループ内クロージャー解説

2024-09-18

JavaScriptのループ内クロージャー:シンプルな実用例

JavaScriptにおけるループ内クロージャーは、ループ内で定義された関数がループ外でもそのループのスコープを保持する現象です。これは、関数が作成された時点での変数の値を保持するからです。

簡単な例

function createFunctions() {
  const functions = [];
  for (let i = 0; i < 5; i++) {
    functions.push(function() {
      console.log(i);
    });
  }
  return functions;
}

const myFunctions = createFunctions();

myFunctions[0](); // 0
myFunctions[1](); // 1
myFunctions[2](); // 2
myFunctions[3](); // 3
myFunctions[4](); // 4

解説

  1. createFunctions関数内で、空の配列functionsを作成します。
  2. ループ内で、匿名関数をfunctions配列に追加します。この関数は、console.log(i)を実行します。
  3. ループが終了した後、myFunctions変数にcreateFunctions関数の戻り値(functions配列)を代入します。
  4. myFunctions配列内の関数を呼び出すと、それぞれが正しい値を出力します。これは、各関数が作成された時点でのiの値を保持しているためです。

ポイント

  • これは、クロージャーと呼ばれる現象です。クロージャーは、関数がその外部の変数を参照できることを意味します。
  • しかし、ループ内で定義された関数は、その関数が作成された時点でのスコープを保持します。そのため、ループが終了した後でも、その関数は元のiの値を参照できます。
  • JavaScriptの変数スコープはブロックスコープです。つまり、forループ内の変数iは、そのブロック内でのみ有効です。

注意

  • 現在では、letまたはconstキーワードを使用して変数を宣言することを推奨します。これにより、ブロックスコープが確保され、クロージャーの挙動がより予測可能になります。
  • 以前は、varキーワードを使用して変数を宣言すると、関数スコープになり、ループ内の変数がループ外でも有効になっていました。しかし、これは多くの場合、意図しない結果をもたらしました。



ループ内クロージャーとは?

JavaScriptのクロージャーは、関数がその定義されたスコープ(レキシカル環境)を覚えており、そのスコープ内の変数にアクセスできるという特徴を持つ仕組みです。ループ内でクロージャーを使うと、各反復で異なる値を持つ関数を生成することができます。

例1:シンプルなカウンター

function createCounters() {
  const counters = [];
  for (let i = 0; i < 3; i++) {
    counters.push(function() {
      return i;
    });
  }
  return counters;
}

const myCounters = createCounters();

console.log(myCounters[0]()); // 0
console.log(myCounters[1]()); // 1
console.log(myCounters[2]()); // 2
  • 解説
    • forループで、iの値が異なる関数をcounters配列に格納します。
    • 各関数は、その作成時のiの値を返すように定義されています。
    • ループが終了した後、myCounters配列の各要素を呼び出すと、それぞれが異なる値を返します。これは、各関数が作成された時点でのiの値を保持しているためです。

例2:イベントリスナー

const buttons = document.querySelectorAll('button');

for (let i = 0; i < buttons.length; i++) {
  buttons[i].addEventListener('click', function() {
       console.log('You clicked button number ' + (i + 1));
  });
}
  • 解説
    • 各ボタンにクリックイベントリスナーを追加します。
    • イベントハンドラー関数内で、iの値を使ってクリックされたボタンの番号を表示します。
    • letを使用することで、各イベントハンドラーが異なるiの値を参照できるようになっています。

なぜletを使うのか?

  • varとの違い
    • varを使うと、変数が関数スコープになるため、全てのイベントハンドラーが同じiを参照してしまい、最後の値しか表示されません。
    • letを使うと、ブロックスコープになるため、各繰り返しで新しいiが作成され、各イベントハンドラーが異なる値を参照できます。
  • 代替案
  • 複雑性
  • パフォーマンス

ループ内クロージャーは、JavaScriptの強力な機能ですが、使い方を誤ると予期せぬ結果になることがあります。letキーワードを正しく使い、クロージャーの仕組みを理解することで、より柔軟なJavaScriptプログラミングが可能になります。

  • IIFE(Immediately Invoked Function Expression)を使って、より厳密なスコープ管理を行うこともできます。
  • クロージャーは、イベントリスナーだけでなく、タイマー関数や非同期処理など、さまざまな場面で活用できます。

より詳しく知りたい場合は、以下のキーワードで検索してみてください。

  • IIFE
  • let const var
  • JavaScript ループ



forEachメソッドを使う

forEachメソッドは、配列の各要素に対して関数を呼び出すための高階関数です。このメソッドを使うことで、ループを明示的に書く必要がなくなり、コードが簡潔になります。

const buttons = document.querySelectorAll('button');

buttons.forEach((button, index) => {
  button.addEventListener('click', () => {
    console.log('You clicked button number ' + (index + 1));
  });
});

この例では、forEachメソッドを使って各ボタンにイベントリスナーを追加しています。indexパラメータを使ってボタンのインデックスを取得し、クロージャーでその値を保持しています。

mapメソッドを使う

mapメソッドは、配列の各要素に対して関数を適用し、その結果を新しい配列として返す高階関数です。新しい配列の要素に、クロージャーで生成した関数を格納することができます。

const createCounters = () => {
  return Array.from({ length: 3 }, (_, i) => () => i);
};

const myCounters = createCounters();

この例では、mapメソッドを使って、iの値が異なる関数の配列を作成しています。

for...ofループを使う

for...ofループは、配列や文字列などのイテラブルなオブジェクトの要素を順に処理するためのループ構文です。letキーワードを使うことで、各反復で新しいスコープが作成され、クロージャーの問題を回避できます。

const buttons = document.querySelectorAll('button');

for (const button of buttons) {
  button.addEventListener('click', () => {
    // ...
  });
}

IIFE(Immediately Invoked Function Expression)を使う

IIFEは、関数を定義と同時に実行するテクニックです。IIFEを使うことで、新しいスコープを作成し、変数のスコープを制限することができます。

for (let i = 0; i < 3; i++) {
  (function(index) {
    const counter = () => index;
    // ...
  })(i);
}

どの方法を選ぶべきか?

  • 柔軟性
    IIFEは、より細かいスコープ管理が必要な場合に有効です。
  • 可読性
    for...ofループは、より自然なループの書き方です。
  • 簡潔さ
    forEachmapメソッドは、コードを簡潔に記述できます。

javascript loops closures



テキストエリア自動サイズ調整 (Prototype.js)

Prototype. js を使用してテキストエリアのサイズを自動調整する方法について説明します。Prototype. js を読み込みます。window. onload イベントを使用して、ページの読み込み後にスクリプトを実行します。$('myTextarea') でテキストエリアの要素を取得します。...


JavaScript数値検証 IsNumeric() 解説

JavaScriptでは、入力された値が数値であるかどうかを検証する際に、isNaN()関数やNumber. isInteger()関数などを利用することが一般的です。しかし、これらの関数では小数点を含む数値を適切に検出できない場合があります。そこで、小数点を含む数値も正しく検証するために、IsNumeric()関数を実装することが有効です。...


jQueryによるHTMLエスケープ解説

JavaScriptやjQueryでHTMLページに動的にコンテンツを追加する際、HTMLの特殊文字(<, >, &, など)をそのまま使用すると、意図しないHTML要素が生成される可能性があります。これを防ぐために、HTML文字列をエスケープする必要があります。...


JavaScriptフレームワーク:React vs Vue.js

JavaScriptは、Webページに動的な機能を追加するために使用されるプログラミング言語です。一方、jQueryはJavaScriptライブラリであり、JavaScriptでよく行う操作を簡略化するためのツールを提供します。jQueryを学ぶ場所...


JavaScriptオブジェクトプロパティの未定義検出方法

JavaScriptでは、オブジェクトのプロパティが定義されていない場合、そのプロパティへのアクセスはundefinedを返します。この現象を検出して適切な処理を行うことが重要です。最も単純な方法は、プロパティの値を直接undefinedと比較することです。...



SQL SQL SQL SQL Amazon で見る



JavaScript、HTML、CSSでWebフォントを検出する方法

CSS font-family プロパティを使用するCSS font-family プロパティは、要素に適用されるフォントファミリーを指定するために使用されます。このプロパティを使用して、Webページで使用されているフォントのリストを取得できます。


ポップアップブロック検知とJavaScript

ポップアップブロックを検知する目的ポップアップブロックはユーザーのプライバシーやセキュリティを保護するためにブラウザに組み込まれている機能です。そのため、ポップアップブロックが有効になっている場合、ポップアップを表示することができません。この状況を検知し、適切な対策を講じるために、JavaScriptを使用することができます。


HTML要素の背景色をJavaScriptでCSSプロパティを使用して設定する方法

JavaScriptを使用すると、CSSプロパティを動的に変更して、HTML要素の背景色を制御できます。この方法により、ユーザーの入力やページの状況に応じて、背景色をカスタマイズすることができます。HTML要素の参照を取得HTML要素の参照を取得


JavaScript オブジェクトの長さについて

JavaScriptにおけるオブジェクトは、プロパティとメソッドを持つデータ構造です。プロパティはデータの値を保持し、メソッドはオブジェクトに対して実行できる関数です。JavaScriptの標準的なオブジェクトには、一般的に「長さ」という概念はありません。これは、配列のようなインデックスベースのデータ構造ではないためです。


JavaScriptグラフ可視化ライブラリ解説

JavaScriptは、ウェブブラウザ上で動作するプログラミング言語です。その中で、グラフの可視化を行うためのライブラリが数多く存在します。これらのライブラリは、データ構造やアルゴリズムを視覚的に表現することで、理解を深める助けとなります。