Vue.jsでコンポーネント間スタイル共有を極める! /deep/、>>>、::v-deep徹底解説と最新情報
Vue.jsにおける「/deep/」「>>>」「::v-deep」の使い方:詳細解説
Vue.jsコンポーネント内で、子コンポーネントのスタイルを直接操作したい場合があります。そんな時に役立つのが、**「/deep/」「>>>」「::v-deep」**と呼ばれるセレクターです。
本記事では、これらのセレクターの特徴と書き方、そしてVue.js 3における最新情報を含め、詳細に解説します。
セレクターの種類と特徴
1 /deep/ セレクター
「/deep/」は、CSS3のDraft仕様で提案されたセレクターです。コンポーネントのルート要素から、子孫要素までを貫通してスタイルを適用します。
例:
.parent /deep/ .child {
color: red;
}
このCSSは、.parent
要素の子孫全てにある.child
要素に対して、赤色を適用します。
2 >>> セレクター
「>>>」は、SassやSCSSで使用されるセレクターです。「/deep/」と同様に、コンポーネントのルート要素から子孫要素までを貫通してスタイルを適用します。
.parent >>> .child {
color: red;
}
上記は「/deep/」セレクターと同様の効果を持ちます。
3 ::v-deep セレクター
「::v-deep」は、Vue Loaderが提供する独自セレクターです。「/deep/」や「>>>」と同様に、コンポーネントのルート要素から子孫要素までを貫通してスタイルを適用しますが、Vueコンポーネントのみに限定されます。
.parent ::v-deep .child {
color: red;
}
4 各セレクターの注意点
- 「/deep/」: ブラウザによっては非対応だったり、挙動が不安定な場合があります。
- 「>>>」: Sass/SCSSでのみ使用可能で、Vue Loaderでは動作しません。
- 「::v-deep」: Vue Loader v14以降でのみ使用可能で、v13以前では動作しません。
Vue.js 3における最新情報
Vue.js 3では、「::v-deep」セレクターが非推奨となりました。代わりに、**「:deep(.selector)」**という書き方を使用します。
.parent :deep(.child) {
color: red;
}
それぞれのセレクターの使い分け
- ブラウザ互換性を重視する場合は、**「::v-deep」**を使用するのがおすすめです。ただし、Vue.js 3では非推奨なので、将来的には書き換える必要が生じる可能性があります。
- Sass/SCSSを使用している場合は、**「>>>」**を使用することができます。ただし、Vue Loaderでは動作しないため、注意が必要です。
- Vue Loader v14以降を使用している場合は、**「:deep(.selector)」**を使用するのがおすすめです。
「/deep/」「>>>」「::v-deep」セレクターは、Vue.jsコンポーネント内で子コンポーネントのスタイルを直接操作する際に役立ちます。
それぞれのセレクターの特徴と注意点、Vue.js 3における最新情報などを理解した上で、適切なセレクターを選択するようにしましょう。
- 上記の例では、CSSを使用していますが、他のプリプロセッサ(例:Sass、SCSS)でも同様に記述できます。
- コンポーネントのスタイルを直接操作する方法は、コンポーネントの再利用性を損なう可能性があるため、状況に応じて慎重に判断する必要があります。
<template>
<div class="parent">
<Child></Child>
</div>
</template>
<style scoped>
::v-deep .child {
color: red;
}
</style>
子コンポーネント(Child.vue)
<template>
<div class="child">
子コンポーネントです
</div>
</template>
<style scoped>
.child {
/* 子コンポーネントの独自スタイル */
}
</style>
説明
- 親コンポーネント(
Parent.vue
)は、Child
コンポーネントをレンダリングします。 - 親コンポーネントのスタイル(
scoped
属性付き)には、::v-deep .child
セレクターが含まれています。これは、Parent
コンポーネントの子孫全てにある.child
要素に対して、赤色を適用することを意味します。 - 子コンポーネント(
Child.vue
)は、.child
クラスを持つ要素をレンダリングします。 - 子コンポーネントのスタイル(
scoped
属性付き)には、独自スタイルが定義されています。
実行結果
このコードを実行すると、Child
コンポーネントのテキストは赤色で表示されます。これは、親コンポーネントの「::v-deep」セレクターによって、子コンポーネントのスタイルが直接操作されているためです。
- 代替手段として、コンポーネント間でスタイルを共有する方法として、propsやprovide/injectを使用することができます。
CSSモジュールは、コンポーネントごとにCSSをカプセル化し、スタイルの干渉を防ぐことができる方法です。各コンポーネントは、独自の名前空間を持つCSSファイルを持ち、そのファイル内のスタイルはコンポーネント内部でのみ有効となります。
利点
- スタイルのスコープを明確に保ち、干渉を防止できる
- コンポーネントの再利用性を高めやすい
- コードの可読性と保守性を向上できる
欠点
- 複雑なネスト構造になると、スタイルの管理が難しくなる
- 単一ファイルでのスタイル定義に比べて記述量が増える
例
<template>
<div class="parent">
<Child></Child>
</div>
</template>
<style scoped>
.parent {
/* 親コンポーネントのスタイル */
}
</style>
<template>
<div class="child">
子コンポーネントです
</div>
</template>
<style scoped>
.child {
color: red;
}
</style>
スタイルプロパティ
Vueコンポーネントは、style
プロパティを使用して、コンポーネントテンプレートに直接スタイルを適用することができます。
- シンプルで分かりやすい記述
- コードの簡潔化に役立つ
- スタイルのスコープが明確ではないため、干渉が発生しやすい
- CSSモジュールに比べて、コンポーネントの再利用性が低い
<template>
<div style="color: red;">
子コンポーネントです
</div>
</template>
コンポーネントオプション
Vueコンポーネントは、components
オプションを使用して、他のコンポーネントを再利用することができます。再利用するコンポーネントのスタイルも、親コンポーネントから適用することができます。
- コードのモジュール化に役立つ
style
プロパティを使用するよりも記述量が増える
<template>
<div class="parent">
<Child></Child>
</div>
</template>
<style scoped>
.parent {
/* 親コンポーネントのスタイル */
}
</style>
<script>
import Child from './Child.vue';
export default {
components: {
Child,
}
}
</script>
<template>
<div class="child">
子コンポーネントです
</div>
</template>
<style scoped>
.child {
color: red;
}
</style>
スタイルライブラリ
SassやSCSSなどのスタイルライブラリを使用すると、コンポーネント間でスタイルを共有し、効率的に管理することができます。これらのライブラリは、変数、mixin、ネストなど、スタイルを再利用するための機能を提供しています。
- スタイルの共有と管理を容易にする
- コードのDRY原則(Don't Repeat Yourself)の実践に役立つ
- チームでの開発において、スタイルの統一性を保ちやすい
- 導入に学習コストがかかる
- 複雑なプロジェクトになると、設定や管理が煩雑になる場合がある
// styles.scss
$primary-color: red;
.parent {
/* 親コンポーネントのスタイル */
}
.child {
color: $primary-color;
}
<template>
<div class="parent">
<Child></Child>
</div>
</template>
<style scoped>
@import '@/styles.scss';
</style>
<template>
css vue.js webpack