TypeScript プライベートプロパティ 宣言問題
TypeScriptでは、クラスのプライベートプロパティを宣言する際に、型定義ファイル(.d.ts)と実装ファイル(.ts)で別々に宣言することがあります。この場合、TypeScriptコンパイラは、これらの別々の宣言を同じプロパティと認識せず、型チェックエラーが発生することがあります。
なぜこのような問題が発生するのか?
- 実装ファイルでの宣言
実装ファイルでは、クラスの実際の内部実装を定義します。ここでプライベートプロパティを宣言します。 - 型定義ファイルの目的
型定義ファイルは、外部から見たクラスのインターフェースを定義します。プライベートプロパティは外部からアクセスできないため、通常は型定義ファイルに含まれません。
解決方法
具体的な例
// index.d.ts
interface MyClass {
// ここでプライベートプロパティを宣言しない
}
// index.ts
class MyClass {
private _privateProperty: string;
constructor(privateProperty: string) {
this._privateProperty = privateProperty;
}
}
この場合、MyClass
のインスタンスを作成して、_privateProperty
にアクセスしようとすると、型チェックエラーが発生します。
// index.d.ts
interface MyClass {
// ここでプライベートプロパティを宣言しない
}
// index.ts
class MyClass {
private _privateProperty: string;
constructor(privateProperty: string) {
this._privateProperty = privateProperty;
}
}
解説
このコード例では、TypeScriptの型定義ファイル(.d.ts
)と実装ファイル(.ts
)で、MyClass
のプライベートプロパティ _privateProperty
が別々に宣言されています。
型定義ファイル (index.d.ts
)
MyClass
インターフェースが定義されていますが、プライベートプロパティ_privateProperty
は宣言されていません。
- プライベートプロパティは、クラス内部でのみアクセス可能なプロパティです。
- プライベートプロパティ
_privateProperty
が宣言され、コンストラクタで初期化されます。 MyClass
クラスが定義されています。
問題点
- TypeScriptコンパイラは、型定義ファイルと実装ファイルで別々に宣言された
_privateProperty
を同じプロパティと認識しません。
TypeScriptでは、クラスのプライベートプロパティを型定義ファイル(.d.ts
)と実装ファイル(.ts
)で別々に宣言すると、型チェックエラーが発生することがあります。これを回避するためのいくつかのアプローチがあります。
型定義ファイルにプライベートプロパティを含める
// index.d.ts
interface MyClass {
_privateProperty: string; // プライベートプロパティを宣言
}
// index.ts
class MyClass {
private _privateProperty: string;
constructor(privateProperty: string) {
this._privateProperty = privateProperty;
}
}
プライベートプロパティをパブリックまたはプロテクトにする
// index.d.ts
interface MyClass {
privateProperty: string; // パブリックまたはプロテクトプロパティを宣言
}
// index.ts
class MyClass {
privateProperty: string;
constructor(privateProperty: string) {
this.privateProperty = privateProperty;
}
}
TypeScriptの設定を変更する
{
"compilerOptions": {
"strictPropertyInitialization": false
}
}
javascript typescript