JavaScriptとTypeScriptで発生する「Types have separate declarations of a private property」エラーを完全解決!

2024-04-28

TypeScriptにおける「Types have separate declarations of a private property」エラーのわかりやすい解説

このエラーメッセージは、TypeScriptでprivate修飾子を介して宣言されたプロパティが、複数の型で異なる宣言を持っている場合に発生します。

具体的には、以下の状況で発生します。

  1. 継承関係にあるクラス間で、privateプロパティ名が重複している場合

例:

class Parent {
  private name: string;
}

class Child extends Parent {
  private name: number; // エラーが発生
}

このエラーを解決するには、以下の方法があります。

  1. プロパティ名を変更する
  2. 名前空間を利用する
  3. protected修飾子を使用する**

以下に、それぞれの解決方法の詳細と、private修飾子に関する補足情報を記載します。

最もシンプルで確実な解決方法は、privateプロパティ名を重複しない名前に変更することです。

class Parent {
  private _name: string;
}

class Child extends Parent {
  private _name: number;
}

private修飾子は、クラス内のスコープにのみ有効です。そのため、継承関係にあるクラス間で同じ名前のprivateプロパティを宣言したい場合は、名前空間を利用することで区別することができます。

class Parent {
  private _name: string;
}

class Child extends Parent {
  private _childName: number;
}

private修飾子は、クラス内でのみアクセス可能なプロパティを宣言するために使用されます。一方、protected修飾子は、継承関係にあるクラスからのみアクセス可能なプロパティを宣言するために使用されます。

継承関係にあるクラス間で同じプロパティにアクセスしたい場合は、privateではなくprotected修飾子を使用することで、エラーを回避することができます。

class Parent {
  protected name: string;
}

class Child extends Parent {
  // name プロパティにアクセス可能
}

補足情報:

  • private修飾子は、カプセル化を強化するために使用されます。カプセル化とは、オブジェクト内部の実装を外部から隠蔽し、インターフェースを通じてのみアクセスできるようにする設計技法です。
  • private修飾子は、コンパイル時にのみチェックされます。ランタイムでは、private修飾子の存在にかかわらず、プロパティにアクセスすることは可能です。
  • TypeScript 3.8以降では、#記号を使用して真のプライベートプロパティを宣言することができます。真のプライベートプロパティは、コンパイル時だけでなくランタイムでもアクセスすることができません。



TypeScriptにおける「Types have separate declarations of a private property」エラーのサンプルコード

以下に、このエラーが発生する状況と、解決方法を示すサンプルコードを紹介します。

エラーコード:

class Parent {
  private name: string;
}

class Child extends Parent {
  private name: number; // エラーが発生
}

解決方法:

class Parent {
  private _name: string;
}

class Child extends Parent {
  private _name: number;
}
namespace Parent {
  class MyClass {
    private name: string;
  }
}

namespace Child {
  class MyClass extends Parent.MyClass {
    private childName: number;
  }
}
class Parent {
  protected name: string;
}

class Child extends Parent {
  // name プロパティにアクセス可能
}
interface MyInterface {
  private name: string;
}

class MyClass implements MyInterface {
  private name: number; // エラーが発生
}
interface MyInterface {
  private _name: string;
}

class MyClass implements MyInterface {
  private _name: number;
}
namespace MyInterface {
  interface MyClass {
    private name: string;
  }
}

namespace MyClassImpl {
  class MyClass implements MyInterface.MyClass {
    private childName: number;
  }
}
interface MyInterface {
  protected name: string;
}

class MyClass implements MyInterface {
  // name プロパティにアクセス可能
}



TypeScriptにおける「Types have separate declarations of a private property」エラーの解決方法:その他の方法

前述のサンプルコードに加えて、Types have separate declarations of a private propertyエラーを解決する方法はいくつか考えられます。

以下に、その他の解決方法と、それぞれの詳細情報を紹介します。

型エイリアスを使用する

型エイリアスを利用することで、既存の型の別名を定義することができます。この方法を利用することで、privateプロパティ名を重複回避**することができます。

type ParentType = {
  private name: string;
};

class Parent implements ParentType {
  // ...
}

class Child extends Parent {
  private name: number; // エラーが発生しない
}

型マージングを使用する

type ParentType = {
  private name: string;
};

type ChildType = {
  private childName: number;
};

type MyType = ParentType & ChildType;

class MyClass implements MyType {
  // ...
}

ジェネリック型を使用する

class Parent<T> {
  private name: T;
}

class Child extends Parent<number> {
  // ...
}

コンパイラオプションを使用する

TypeScriptコンパイラには、declarationMapオプションなど、型エラーの抑制に役立つオプションがいくつか用意されています。これらのオプションを利用することで、Types have separate declarations of a private propertyエラーを一時的に**回避することができます。

tsc --declarationMap=false index.ts

注意事項:

  • コンパイラオプションを使用する方法は、根本的な解決策ではありません。将来的に、同じ名前のprivateプロパティが別の意味を持つコードに変更された場合、エラーが発生する可能性があります。
  • ジェネリック型や型マージングなどの高度なテクニックは、理解と習得に時間がかかる場合があります。

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