Chrome拡張でSQLiteを使う
Chrome拡張機能において、SQLiteデータベースを利用することで、ブラウザ上でデータを永続的に保存することができます。これにより、オフライン機能の実現や、より複雑なデータ管理が可能になります。
方法
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Web SQL APIの利用
- 以前は、Web SQL APIを使用してSQLiteデータベースにアクセスできました。
- しかし、現在は非推奨となっており、新しい拡張機能では利用できません。
-
WebAssembly (WASM)版SQLiteの利用
- WebAssembly技術により、SQLiteをブラウザ上で直接実行できるようになりました。
- Chrome拡張機能からJavaScriptを用いて、WASM版SQLiteを操作することができます。
- この方法が、現在最も一般的なSQLiteの利用方法です。
具体的な手順
-
WASM版SQLiteの導入
- プロジェクトにWASM版SQLiteのライブラリを追加します。
- 通常は、npmやyarnなどのパッケージマネージャを使用してインストールします。
-
JavaScriptによる操作
- JavaScriptコードから、WASM版SQLiteのAPIを呼び出してデータベースの操作を行います。
- 具体的には、データベースの作成、テーブルの作成、データの挿入、更新、削除、クエリの実行などの操作が可能です。
利点
- 高速なデータアクセス
- 複雑なデータ管理
- オフライン機能の実現
注意点
- ブラウザの制限
- ブラウザのセキュリティポリシーにより、データベースのアクセスに制限がある場合があります。
- 特に、異なるドメイン間でのデータベースの共有には注意が必要です。
- セキュリティ
- データベースを適切に保護するために、セキュリティ対策を講じる必要があります。
- 特に、機密情報を保存する場合は、暗号化などの技術を用いてデータを保護する必要があります。
// Assuming you have a SQLite database named 'my_database.db'
// and a table named 'users' with columns 'id' (INTEGER PRIMARY KEY) and 'name' (TEXT)
// 1. Open the database
const db = new SQLite.Database('my_database.db');
// 2. Create a table (if it doesn't exist)
db.exec(`
CREATE TABLE IF NOT EXISTS users (
id INTEGER PRIMARY KEY AUTOINCREMENT,
name TEXT
)
`);
// 3. Insert a new user
db.run(`
INSERT INTO users (name) VALUES (?)
`, ['Alice']);
// 4. Retrieve all users
const rows = db.exec(`
SELECT * FROM users
`);
// 5. Iterate over the results
rows.forEach(row => {
console.log(row.columns, row.values);
});
// 6. Close the database
db.close();
コード解説
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データベースのオープン
-
テーブルの作成
exec
メソッドを使用して SQL ステートメントを実行します。CREATE TABLE IF NOT EXISTS
クエリにより、テーブルが存在しない場合にのみ作成されます。
-
データの挿入
run
メソッドを使用して SQL ステートメントを実行し、パラメータ化されたクエリを使用します。?
プレースホルダに['Alice']
の値がバインドされます。
-
- 結果は
rows
配列に格納されます。
- 結果は
-
結果の処理
-
データベースのクローズ
close
メソッドを使用してデータベースを閉じます。
注意
- エラー処理を適切に行い、例外が発生した場合の対処を検討してください。
- セキュリティに配慮し、データベースファイルのアクセス権限やデータの暗号化などを適切に設定してください。
- データベースファイルのパスは、拡張機能のストレージディレクトリや他の適切な場所を指定してください。
- WebAssembly 版 SQLite を使用する場合、適切なライブラリをプロジェクトに導入し、インポートする必要があります。
IndexedDB
- 制限
データ構造が比較的シンプルで、複雑なクエリには適さない場合があります。 - オフラインストレージ
オフライン環境でもデータの保存と読み込みが可能です。 - JavaScriptから直接操作
JavaScriptから直接操作できるため、比較的シンプルです。 - ブラウザ内蔵のデータベース
Chromeブラウザに組み込まれたデータベース API です。
LocalStorage
- 制限
データの容量が制限されており、複雑なデータ構造には適していません。 - キーバリューストア
キーと値のペアでデータを保存するシンプルなストレージです。
選択のポイント
- シンプルなデータ保存
キーバリューペアでシンプルなデータを保存する場合は、LocalStorageが適しています。 - オフライン機能
オフライン環境でのデータの保存と読み込みが必要な場合は、IndexedDBが適しています。 - データの複雑さ
複雑なデータ構造やクエリが必要な場合は、WebAssembly版SQLiteが適しています。
- パフォーマンス
大量のデータを扱う場合や頻繁なデータアクセスを行う場合は、パフォーマンスに影響が出る可能性があります。 - ブラウザの制限
ブラウザのセキュリティポリシーにより、データの保存や読み込みに制限がある場合があります。 - セキュリティ
どの方法を選択する場合でも、セキュリティに注意が必要です。特に機密情報を扱う場合は、適切な暗号化やアクセス制御を施す必要があります。
javascript sqlite google-chrome-extension