RxJS演算子の解説

2024-10-29

RxJS(Reactive Extensions for JavaScript)は、非同期およびイベントベースのプログラミングを扱うための強力なライブラリです。その中で、flatMap、mergeMap、switchMap、concatMapは、複数のObservableを処理するための重要な演算子です。

flatMap (または mergeMap)


  • 用途
    並列処理が必要な場合、例えば、複数のAPIリクエストを同時に発行したいとき。
  • 特徴
    各ソースObservableの値を新しいObservableに変換し、それらを同時に並行して処理します。
const source$ = of(1, 2, 3);
const result$ = source$.pipe(
  mergeMap(value => of(value * 2))
);

switchMap

  • 用途
    ユーザー入力に応じたリアルタイム検索や、頻繁に変更されるデータの最新値を取得したいとき。
  • 特徴
    最新のソースObservableの値のみを処理し、以前のObservableはキャンセルされます。
const input$ = fromEvent(document.getElementById('input'), 'input');
const result$ = input$.pipe(
  debounceTime(500),
  distinctUntilChanged(),
  switchMap(value => fetchSearchResults(value))
);

concatMap

  • 特徴
    ソースObservableの値を順番に処理し、前のObservableが完了するまで次のObservableは開始しません。
const source$ = of(1, 2, 3);
const result$ = source$.pipe(
  concatMap(value => of(value * 2))
);



import { of, mergeMap } from 'rxjs';

const source$ = of(1, 2, 3);

const result$ = source$.pipe(
  mergeMap(value => of(value * 2))
);

result$.subscribe(value => console.log(value));

解説

  1. of(1, 2, 3): 1, 2, 3 の値を順にエミットするObservableを作成します。
  2. mergeMap(value => of(value * 2)): 各値を2倍にした新しいObservableに変換し、それらを同時に並行して処理します。
  3. subscribe(value => console.log(value)): 結果のObservableを購読し、各値をコンソールに出力します。
import { fromEvent, switchMap, debounceTime, distinctUntilChanged } from 'rxjs';

const input$ = fromEvent(document.getElementById('input'), 'input');

const result$ = input$.pipe(
  debounceTime(500),
  distinctUntilChanged(),
  switchMap(value => fetchSearchResults(value))
);

result$.subscribe(results => {
  // 検索結果を表示する
});
  1. fromEvent(document.getElementById('input'), 'input'): 入力フィールドの入力イベントを監視するObservableを作成します。
  2. debounceTime(500): 500ミリ秒間入力がない場合にのみイベントをエミットします。
  3. distinctUntilChanged(): 同じ値が連続して入力された場合は、イベントをスキップします。
  4. switchMap(value => fetchSearchResults(value)): 最新の入力値に基づいて検索を実行し、その結果をエミットします。以前の検索はキャンセルされます。
import { of, concatMap } from 'rxjs';

const source$ = of(1, 2, 3);

const result$ = source$.pipe(
  concatMap(value => of(value * 2))
);

result$.subscribe(value => console.log(value));
  1. concatMap(value => of(value * 2)): 各値を2倍にした新しいObservableに変換し、それらを順番に処理します。前のObservableが完了するまで次のObservableは開始しません。



RxJSのflatMap、mergeMap、switchMap、concatMapは、非同期処理を扱う強力なツールですが、場合によっては、他のアプローチやライブラリも検討することができます。

Promise-based Approaches

  • Promise.race
    複数のPromiseを同時に実行し、最初に完了したPromiseの結果を処理します。

Async/Await

  • Async/Await
    非同期処理を同期的に記述できる構文です。

Other RxJS Operators

  • groupBy
    Observableをグループ化することができます。
  • exhaustMap
    直前のObservableが完了するまで、新しいObservableを開始しません。
  • expand
    再帰的な処理を行うことができます。

選択の基準

適切なアプローチを選択する際には、以下の点を考慮してください:

  • コードの可読性とメンテナンス性
    RxJSの演算子は、非同期処理を簡潔に表現できるため、コードの可読性とメンテナンス性を向上させることができます。
  • 順次処理が必要な場合
    concatMapが適しています。
  • 最新の値のみが必要な場合
    switchMapが適しています。
  • 並列処理の必要性
    並列処理が必要な場合は、flatMapやmergeMapが適しています。

注意

  • Promise-based ApproachesやAsync/Awaitは、シンプルな非同期処理の場合に適していますが、複雑な非同期処理にはRxJSが適しています。
  • 適切な演算子を選択し、コードの可読性を保つことが重要です。
  • RxJSの演算子は、強力な機能を提供しますが、誤用すると複雑なコードになる可能性があります。

javascript angular rxjs



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