contenteditable要素にカーソル位置を設定するサンプルコード（JavaScript）

2024-05-09

JavaScript、jQueryを使ってcontenteditable要素（div）にカーソル位置を設定する方法

contenteditable属性を持つ要素は、ユーザーが直接テキストを編集できるようになります。この機能を利用して、ブログエディタやチャットアプリのようなWebアプリケーションを作成することができます。

しかし、contenteditable要素を操作するには、標準のブラウザAPIだけでは不十分な場合があります。例えば、特定の位置にカーソルを移動させたり、選択範囲を設定したりすることが難しい場合があります。

そこで、JavaScriptやjQueryライブラリを使用して、contenteditable要素をより柔軟に制御することができます。

カーソル位置を取得する

まず、現在のカーソル位置を取得する必要があります。これには、以下の方法があります。

1 Selection APIを使う

Selection APIは、ブラウザの選択範囲に関する情報を取得するためのAPIです。このAPIを使用して、現在の選択範囲の開始位置と終了位置を取得することができます。

const range = document.getSelection().getRangeAt(0);
const caretPos = range.startOffset;
console.log(caretPos); // カーソル位置を出力

2 createTextRangeを使う（Internet Explorerのみ）

Internet Explorerでは、Selection APIがサポートされていない場合があります。そのため、createTextRangeという別の方法を使用して、カーソル位置を取得することができます。

const range = document.body.createTextRange();
range.moveToElementTextRange(editableDiv);
range.collapse();
const caretPos = range.getBookmark().charCodeAt(0);
console.log(caretPos); // カーソル位置を出力

カーソル位置を設定する

カーソル位置を取得したら、Selection APIまたはcreateTextRangeを使用して、新しい位置に設定することができます。

const range = document.createRange();
range.setStart(editableDiv, caretPos);
range.collapse(true);
const selection = window.getSelection();
selection.removeAllRanges();
selection.addRange(range);

const range = document.body.createTextRange();
range.moveToElementTextRange(editableDiv);
range.collapse(true);
range.moveStart('character', caretPos);
range.select();

補足

上記のコードはあくまで一例であり、状況に応じて適宜修正する必要があります。
カーソル位置を設定する前に、ユーザーが選択範囲を持っているかどうかを確認する必要があります。
一部のブラウザでは、上記の方法で正しく動作しない場合があります。

jQueryを使う

jQueryを使用すると、上記のような操作をより簡単に記述することができます。

1 カーソル位置を取得する

const caretPos = $(editableDiv).caret('pos');
console.log(caretPos); // カーソル位置を出力

$(editableDiv).caret('pos', caretPos);

その他

contenteditable要素（div）にカーソル位置を設定するサンプルコード（JavaScript）

このサンプルコードでは、以下の機能を実現します。

クリックした位置にカーソルを移動する
カーソル位置をログに出力する

コード

const editableDiv = document.getElementById('editable-div');

editableDiv.addEventListener('click', (event) => {
  const range = document.createRange();
  range.setStart(editableDiv, event.offsetX);
  range.collapse(true);
  const selection = window.getSelection();
  selection.removeAllRanges();
  selection.addRange(range);

  const caretPos = range.startOffset;
  console.log(`Caret position: ${caretPos}`);
});

説明

editableDiv 変数に contenteditable 要素の参照を取得します。
editableDiv 要素に click イベントリスナーを追加します。
click イベントハンドラー内で、以下の処理を行います。
- 新しい Selection オブジェクトを作成します。
- クリックされた位置をrange.setStart() メソッドを使用して設定します。
- カーソルをその位置に移動します。
- 選択範囲を Selection.removeAllRanges() メソッドと Selection.addRange() メソッドを使用して設定します。
- カーソル位置を console.log() で出力します。

使い方

上記のコードをHTMLファイルに貼り付けます。
editable-div IDを持つ要素をHTMLファイルに追加します。

例

<!DOCTYPE html>
<html lang="ja">
<head>
  <meta charset="UTF-8">
  <title>Contenteditable Cursor Position</title>
</head>
<body>
  <div id="editable-div" contenteditable>クリックしてカーソルを移動してください</div>
  <script src="script.js"></script>
</body>
</html>

実行結果

editable-div 要素をクリックすると、カーソルがクリックされた位置に移動し、コンソールにカーソル位置が出力されます。

jQueryを使用した場合

$(document).ready(function() {
  $('#editable-div').click(function(event) {
    const offset = $(this).offset();
    const x = event.pageX - offset.left;
    const caretPos = $(this).text().length * (x / $(this).width());

    $(this).caret('pos', caretPos);
    console.log(`Caret position: ${caretPos}`);
  });
});

$(document).ready() 関数内で処理を記述します。
click イベントハンドラー内で、以下の処理を行います。
- クリックされた要素のオフセットを取得します。
- 要素のテキストの長さと幅を使用して、カーソル位置を計算します。
- $().caret('pos', caretPos) メソッドを使用して、カーソル位置を設定します。

jQuery ライブラリをHTMLファイルに追加します。

<!DOCTYPE html>
<html lang="ja">
<head>
  <meta charset="UTF-8">
  <title>Contenteditable Cursor Position</title>
  <script src="https://code.jquery.com/jquery-3.6.0.min.js"></script>
</head>
<body>
  <div id="editable-div" contenteditable>クリックしてカーソルを移動してください</div>
  <script src="script.js"></script>
</body>
</html>

一部のブラウザでは、上記の方法で正しく

contenteditable要素（div）にカーソル位置を設定するその他の方法

従来の説明に加え、contenteditable要素にカーソル位置を設定するには、以下の方法があります。

execCommandを使う

execCommand メソッドは、ブラウザに対してコマンドを実行するために使用できます。この方法を使用して、InsertTextコマンドを実行し、カーソル位置にテキストを挿入することができます。

const editableDiv = document.getElementById('editable-div');
const caretPos = 10; // カーソル位置

editableDiv.focus();
document.execCommand('InsertText', false, `${caretPos}`); //  はゼロ幅スペース

createTextRange メソッドは、Internet Explorerでのみ使用できる方法です。この方法を使用して、moveStartメソッドとmoveEndメソッドを用いて、カーソル位置を設定することができます。

const editableDiv = document.getElementById('editable-div');
const caretPos = 10; // カーソル位置

const range = document.body.createTextRange();
range.moveToElementTextRange(editableDiv);
range.collapse(true);
range.moveStart('character', caretPos);
range.moveEnd('character', caretPos);
range.select();

contenteditable属性とexecCommandを組み合わせて使う

contenteditable属性とexecCommandメソッドを組み合わせて使用する方法もあります。この方法では、まずcontenteditable属性をfalseに設定し、カーソル位置を設定してから、contenteditable属性をtrueに設定します。

const editableDiv = document.getElementById('editable-div');
const caretPos = 10; // カーソル位置

editableDiv.contentEditable = false; // contenteditableをfalseに設定
document.execCommand('InsertText', false, `${caretPos}`);
editableDiv.contentEditable = true;  // contenteditableをtrueに戻す